カイルとフレッド、実と佳雄
あらすじ:私リズ!まだ回想シーンだけれども、もうすぐで私が登場するわよ!
「本当に…本当にお前なのか…佳雄…」
「うん。証明だって出来るよ。兄さんの机の上から2番目の棚にある…」
「やめろ!それ以上は言うな!…佳雄…お前は…」
「うん…あの時、炎に巻き込まれて…」
「そうか…そうか。」
「でも…うわっ!」
実は佳雄を抱きしめる。
「ごめん…!ごめんな…助けられなくて…」
「兄さん…良いんだよ。もしあのまま俺が生きていたら、一生後悔し続けていたから...だから、」
「だからじゃねえよ!!!」
【実】の叫びに場は静まり返る。
【実】は続ける。
「俺は...ただ、佳雄に生きててほしかったんだよ…なんだよ良いって…許すんじゃねえよ…生きられなくて良かったとか言うなよ…」
「兄さん…」
【佳雄】は【実】をぎゅっと抱きしめ返す。
「兄さん、ごめんね。生きられなくて。」
「謝んなよ…怒れよ…何で助けてくれなかったって罵ってくれよ…」
「…自分を助けようとしてくれた人を罵るメンタルは無いよ。…また、会えたね。」
「…来んのが遅いんだよ…!何で息子なんだよ…そこは兄弟だろうが…!」
「それはさすがにどうしようもないよ…」
2人はしばらくの間、涙を流しながら抱き合った…
カイルがあの日の夢を見ることは、もう無かった…
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「…というわけだ。」
グレント公爵はふうと息をついたあと、残った紅茶を一気に飲み干した。
場が静まり返る。
タイラーがグレント公爵に話し掛ける。
「グ、グレント公爵…それで、お二人はどうなったのです…?」
「うーん…どうなったと言われても…普通に公爵家の一員として生活していたみたいだよ。…ただ、常に気を張っていた曾お祖父様がその日を境にすっかり落ち着いた雰囲気になったと、曾お祖母様はおっしゃっていたらしいよ。私の父から聞いた話だけどね。」
「そ、そうですか…」
タイラーの様子が気になったケンドリックが、話し掛ける。
「タイラー君、どうしてそのようなことを聞いたんだい?」
「…ケンドリック様とリズ嬢が前世の後悔を晴らすためのヒントが無いかと思いまして…」
「タイラー君…ありがとう。でも、大丈夫だよ。」
「大丈夫…とは?」
ケンドリックはスッと立ち上がり、口を開く。
「さっきの話を聞いて、どうすれば良いかは把握した。…リズ、今君はいつまでの記憶がある?」
「い、いつまでって、完全にクリアした瞬間まで…ん?あれ?何か大切な記憶があったと思うのだけれども...」
「…そうか、もう忘れたのか…」
「わ、忘れたって…?」
「その大切な記憶こそが、君が倒れた原因で、君の『後悔』だよ。…そして、それは私…いや、【俺】の後悔でもある。」
ケンドリックが話し終えると、グレント公爵がケンドリックに話し掛ける。
「ケンドリック、聞きたいことがある。君とリズに前世の記憶があるのはわかったのだが…【君】とリズの関係は何なのだ?それと、君の後悔は…?」
グレント公爵の問いに、ケンドリックは答える。
「そうですね、まずは…【俺】の名前は須藤 健斗、須藤がファミリーネームで、健斗がファーストネームです。」
ケンドリックはリズをチラッと見て、再び口を開く。
「彼女…リズの前世の名前は須藤 紗貴。健斗の妹でした。」
「…」
「…えっ」
「ええええええ!!!???」
部屋が一瞬静まったあと、ケンドリックとリズ以外の全員が声をあげた。
冷静さを取り戻したグレント公爵が口を開く。
「な、なるほど...それなら、リズの前世をケンドリックが一番理解しているといったのもうなずける。」
グレント公爵の言葉に、ケンドリックは反応する。
「そうですね。リズが保持している前世の記憶は大方把握していると思います。そして…」
ケンドリックは一息ついて、再び口を開く。
「リズが今、保持していない記憶についても。」
次へ続く!
ということで、久し振りの主人公です。




