エリーゼの目論見
前回のあらすじ:私エリーゼ!お父様から婚約の話が来ましたけど、何とかタイミングを引き伸ばしてやりましたわ!!オーッホッホッホ!!!
「…それで、お嬢様は3年間の猶予を得られたと。」
「そうよ!」
夜、父であるグレント公爵との話を終えたエリーゼは、自室で侍女のルーチェと対面してお茶を楽しんでいた。
本来主従関係にある2人が、対面して談笑するなどあり得ないことではあるが、乳兄弟ならぬ乳姉妹である2人にとってはどうでも良いことである。
ルーチェは少し考えたあと、エリーゼに話しかける。
「しかしお嬢様、なぜわざわざ猶予を与えたのです?国王陛下もなんだかんだでお嬢様には甘いので、強引に話を進めれば断ることも出来たのでは?」
「確かにそうすれば婚約は回避できるかもしれないわね…でもね?ルーチェ。」
エリーゼは紅茶を1口飲み、ふうと一息をつき話し始める。
「そもそも私、婚約というもの自体には嫌という感情がないの。」
「え!?そうなんですか!?執務室の前で聞き耳を立てていた時は『私は一生独身ですわ!オーッホッホッホ!!!』って言ってたじゃないですか!」
「一生とは言ってないわよ!…て言うか聞き耳を立てる暇があったのなら着いてきなさいよ!」
エリーゼは「まったく…」と言いながらもう1口紅茶を飲む。
「私が嫌と言ったのは地位が高い方との婚約よ。つまり王族、もっと言えば王太子ね。」
「つまりお嬢様は妃にはなりたくないと。」
「そうよ!だって面倒くさいもの!妃教育も一応したけど面倒くさいったらありゃしない!!!」
「あの時は大変そうでしたね…」
ルーチェはふと考え、口を開く。
「そうか…なるほど。ケンドリック殿下は公爵になるつもりだと聞いたから、婚約に前向きなのですね。」
「その通りよ!」
「普通の令嬢は王太子か未来の公爵かだと、ほぼ確実に前者を選びますもんね。」
「そうね。普通の貴族は栄誉を欲しがるものだからね。だけど私は違う!私は楽な道へひたすら進むわ!」
「公爵夫人ってそんなに楽なのですか?奥様を見る限り、かなり大変そうに見えますが…」
「公爵夫人だってもちろん大変よ。広大な領地を持つ旦那様の支えにならないといけないもの。でもね…」
エリーゼはすくっと立ち上がり、ぐいっと紅茶を飲み干すと、高らかに言った。
「王妃に比べればどうってこと無いのよ!いくら公爵領が広大といえども、国全体に比べれば大したこと無いわ!」
「お嬢様の場合は、どこかの国の王妃か公爵夫人になるしかないですもんね。」
「そうね、あとは私自身が公爵になるか、だけれども…それだったら私にとって一番楽な道へ進むのが私の生き様よ!」
「さすがですおじょうさまー」
「な、何よその棒読みは!…まあ良いわ、これで私の狙いはわかったでしょ。」
「ええ、婚約に前向きな理由はある程度わかりました。ですが、なぜ3年間なのです?高等部は3年間なのでキリが良いと言うのは理解できますが…」
「そうね、それも理由のひとつではあるけど…」
次へ続く!
エリーゼの話、終着点はどこになるのでしょうか…
私にもわかりません!