タイラーの衝撃
あらすじ:タイラーとのデート中、ふとしたきっかけでリズは前世の親友、瑛美のことを思い出した。
「自分のせいで瑛美は命を落とした」と言ったリズは、その後すぐに気を失い、タイラーに抱えられ祖父であるグレント公爵の別邸に来た。
リズが部屋で眠っている間、グレント公爵は客間でタイラーと話をしていた。
「タイラー・ラ・イーヒルト君だね。私はベンドル・ラ・グレント、リズの祖父だよ。」
「お初にお目にかかります、グレント公爵。いつもリズ嬢にはお世話になっております。」
「こちらこそ、リズからは色々話は聞いているよ。ケンドリックも君のことは気にかけているみたいだしね。」
「…そ、そうなのですか?」
「ああ、もちろん。でなければ、あの時あのような対応はしてないよ。…始めは理解できなかったが、今なら分かる。大人に流されていた君も、君の兄も、立派な人間になった。今の君になら我が孫を任せられるよ。」
「こ、公爵!」
「わっはっはっは!!!冗談だよ!半分ね!」
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グレント公爵はひとしきり笑ったあと、タイラーに話し掛ける。
「それで、君が聞きたいのは…リズが倒れる前に発した言葉だね?」
「ええ。…『エイミ』という人物に心当たりはございませんか?」
グレント公爵は少し考え、答える。
「うーん…心当たりがないね。…しかし、リズがそのような発言をしたことについては、少し心当たりがある。」
「あ、あるのですか!?」
「ああ。…しかし、にわかには信じられないとは思うがね…」
グレント公爵は姿勢を正し、口を開く。
「タイラー君、君は【前世】というものを信じているかね?」
「ぜ、前世ですか?」
「うむ…実を言うとな、この国…いや、この大陸の王族のみが知っている言い伝えがあるんだ。」
「い、言い伝えですか?…というよりも、それを私が聞いても良いのでしょうか…?」
「別に構わないよ。ただ単に古い言い伝えだから知っている人が限られているだけだしね。別に他の人に言ってはいけないとも言われてないんだ…それに、言ったところで信じてもらえる人間はごく少数だしね。」
タイラーは少し不安な表情を見せる。
(信じてもらえないって…どんな言い伝えなんだ…?)
実際のところ、タイラーは前世の存在は「あるかもしれないし、ないかもしれない」くらいに考えている。この大陸には生まれ変わりがあると信じている宗教もあるからだ。
タイラーの表情を見たグレント公爵は少し微笑み、話を始める。
「何、そんなに難しい話ではないんだ。…ただ、生まれ変わりは本当にあるという話なだけだよ。」
「えっ!?」
タイラーは驚いた。グレント公爵が生まれ変わりを確信していると言う事実に。
グレント公爵は話を続ける。
「この生まれ変わりは、ただの生まれ変わりではない。【この世界とは違う世界】からの生まれ変わりだ。」
「ち、違う世界って…そ、そんなことが本当にあるのですか…!?」
「ある。」
「…グレント公爵。何故貴方は確信しているのですか?」
「理由は簡単だ。私が該当する人物を見たことがあるからだよ。」
「そうなのですか!?それは一体…」
タイラーが言いかけた瞬間、扉をノックする音が聞こえた。
「公爵、リズお嬢様が目覚められました!」
使用人の話を聞き、2人はリズのもとへ向かった。
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ーーーリズが眠っていた部屋ーーー
「う、うーん…」
「お嬢様!体調は大丈夫ですか!?」
「…!リュミー…!…ええ、大丈夫よ。」
「で、でも、表情が暗いですよ…」
「…ちょっと夢見が悪かったみたい。」
「そ、そうですか…でも、無理は禁物です!」
「ありがとう。お言葉に甘えて、もう少し休むわね。お祖父様が来られたら教えてちょうだい。」
「あ、あの…お嬢様…」
「ちょっと待って、まさか…」
「…もう来ております。」
「早いわよ!」
次へ続く!
次回は言い伝えの続き!…を聞けるのでしょうか…?




