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転生令嬢がゆるゆる頑張る話  作者: 和和
第二章 転生令嬢、リズ
20/29

エリーゼの前世

あらすじ:私リズ!お父様はルーチェと一緒にお母様に私の前世の事を話に行くみたいね!でも、お母様に前世の話なんてわかるのかしら…?

「エリーゼ、私だよ。ルーチェも居る。入っても良いかい?」

「ええ、良いわよ!」

ケンドリックとルーチェはケンドリックとエリーゼの部屋に入った。エリーゼは読書をしていたみたいだ。

「読書中にすまないね。少し話があるんだ。」

「問題ないわ、ちょうどキリの良いところだったから。」

エリーゼは本を机に置く。

「それで?話って何かしら?」

「ああ、実はリズの事なんだが…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「リ、リズも転生者でしたの…!?一体何人いるのよ!」

「さ、さすがにもういない...とは言い切れないな。」

「もしかしたら、逆もあるかもしれませんね。この世界から旦那様たちの前世の世界に転生…みたいな感じでありそうです。」

「それ何か読んだぞ。多分前世で。」

「ケンドリックと同じものかはわからないけど私も読んだ記憶があるわ。あれ面白かったわね。」

「あるんですね…」

その時、エリーゼはふと気付いた。

「ねえ、それじゃあ例のバッドエンドルートも自分でどうにか出来たんじゃない?むしろ、私達余計なことをしてしまったのかしら…?」

「いいや、思い出したのは最近らしいから自分で対処は中々出来なかったみたいだよ。まあ、それが原因で私に前世の記憶があることがバレたんだけどね。」

「そうなのね、それなら良かったわ。…あれ?私は?」

「…バレてないみたいだ。」

「何故!?」

2人の会話にルーチェが割って入る。

「奥様は幼少期から性格が変わっていないので、そのせいでは無いですかね。」

ルーチェの話に2人は顔を見合わせる。

「そう…なんだけれども、実を言うと物語のエリーゼはもっと…こう…なんと言うか…」

「はっきり言って良いわよ。」

「もっとお淑やかだったんだ!」

「本当にはっきり言ったわね…そうなのよね。物語だと、私はもっと落ち着いていたわね。自分で言うのもなんだけれども...」

「まあ、バレて困るようなことでもないけど、面白そうだから私は黙っているよ。」

「私も黙っておきますわ!」

「では私も。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ところでエリーゼ、君は前世の記憶をどこまで(・・・・)覚えているんだい?」

「どこまでって…入院して、友達とこのゲームをしていた…というよりかは友達がしていたのを見ていたのは覚えているのだけれども...」

エリーゼの答えにケンドリックは違和感を持った。

エリーゼは話を続ける。

「全部クリアをして一緒に喜んだのは覚えているのよね…でもそこから先の記憶がないのよ。だから、その時の病気が原因で命を落としたのだと思うのだけれども…」

ケンドリックは今の話を聞いて思った。

(エリーゼも、リズと同じで前世の記憶を全て思い出していない…?)

ケンドリックはエリーゼに話し掛ける。

「エリーゼ、その友達の名前は思い出せるかい?」

エリーゼは少し考えたあと、口を開く。

「…申し訳ないのだけれども、思い出せないわ…友達の名前も、自分の名前も。」

「自分の名前も!?」

「ええ、ゲームの記憶だけが鮮明に映っていて…周りの人や『自分』についての記憶がぼやけてしまっているの。しかも、ゲーム自体も全てを知っているわけではないから...力になれなくてごめんなさい。」

「謝らなくて良い。私達はやれるだけの事はやったんだ。学園での出来事はリズに頑張ってもらおう。私達の子供だ、大丈夫だよ。…ルーチェ!」

「既に淹れております。心を落ち着かせるハーブティーです。…おく…エリーゼ、どうぞ。」

ルーチェはエリーゼにハーブティーを淹れた。エリーゼはそれを飲むと「ふぅ」と息を吐いた。

ケンドリックはエリーゼが落ち着くのを見て、安心しながら2人に告げる。

「私はもう少しだけ仕事をしてくるよ。ルーチェ、エリーゼをよろしく頼んだよ。」

「かしこまりました。」

ケンドリックは部屋を出て、執務室に向かった。

仕事のためではなく、1人で考える時間を確保するためである。

(1度、整理をしよう。()の仮説が正しければ…)




(『君』との出会いは運命だったのかもしれない。)


次へ続く!

次回、ケンドリックがある仮説をたてます…!

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