リズとケンドリックの話し合い
あらすじ:私リズ!私とお父様の前世での関係性も発覚したわね!これからの話を少しだけしていくわよ!
「ふー…」
【健斗】は大きく溜め息をつく。
「何が望みだ、紗貴。」
「ひ…ひどい!私はただ再会を喜んでいるだけなのに!」
「そのにやけ顔で言っても説得力が無いぞ。それにお前が俺を『お兄ちゃん』と呼ぶときは何かをねだる時だけだ。」
「バレちった、てへぺろ☆」
おどけた様子だった【紗貴】は真面目な顔をして話し出す。
「学園にいない攻略対象を調べてほしいの。」
「えっ!あのクソガキを!?」
「違うわよ!ワリッツァ公爵令息よ!」
「えっ」
「えっ」
2人の間に沈黙が流れる。
【健斗】が口を開く。
「いや、彼は学園にいるぞ…」
「名簿に名前が無かったけど?」
「…あーっ!そうか!苗字が変わったから気付かなかったのか!彼は今、イーヒルト公爵令息だ!」
「…」
「…紗貴?」
「…それを早く言いなさいよ!!!」
「無茶を言うなよ!今までお前が転生者なんて知らなかったんだから!いきなり彼の事を言っても意味が分からないだろう!?」
「…それもそうね。…まあ良いわ。居ると分かれば、これからは積極的に行くわよ!!!」
「…お前、彼の事が好きなのか?」
「推しよ!」
「…そ、そうか…まあ、頑張れ。」
「言われなくとも!」
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「ところで紗貴、前世の記憶を思い出したのはいつ頃だ?」
「最近ね。中等部に入る少し前よ。…ただ、『紗貴』と『リズ』の意識が分かれている感覚がするの。」
「それは多分、思い出してから期間が経っていないからだろう。じきに混ざり合うよ。俺がそうだった。」
「そう…良かっ…たのかしら?」
「良いんじゃないか?俺から見れば、今も昔もそんなに変わってないよ。リズは私の大切な娘だ。」
「そ、そう?だったら良いの。」
【紗貴】は少し照れ臭そうな表情をする。
「あ、そうだ健斗。もう一つ聞きたいことがあるの。」
「ん?どうした?」
「…私、前世の記憶はゲームをプレイしていた期間しか持っていないんだけど…その中でも、思い出せない事があるの。」
【健斗】はドキリとした。その記憶に心当たりがあるからだ。
「その反応…心当たりがあるのね。」
「ある。…ただ、それについては俺から言ってはいけない気がする。」
「何よそれ!ずるい!」
「ずるいってなんだよ。」
「だって健斗だけ知ってるの…なんかモヤモヤするんだもん!」
「…いずれ思い出すと思う。まずはお前が大きくなってからだ。」
「…前世だともう成人してるんだけど…」
「それでもだ。それを受け止めるのはまだ早い…気がする。」
「…辛いことなの?」
「…全部がそうじゃないよ。俺が言えるのはここまで。まずは学園生活を楽しみな。」
「…なんかお父さんみたい。」
「お父様だしな。」
「…分かりましたわ!まずは学園で婚約者を射止めて参ります。…その前に、女子会を楽しみますわ!ではごきげんよう、お父様!!!」
「ああ、楽しんでおいで、リズ。」
リズは執務室を飛び出していった。
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「…さて、どうするか…」
ケンドリックは悩んだ。リズの前世について、エリーゼに話すべきか否か…
「…よし、決めた!」
ケンドリックは執務室を後にした。
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「…それで、私のところに来たのですか。…普通は私が伺うものだと思いますが…まあ良いでしょう。」
ケンドリックはルーチェの部屋に来た。エリーゼのことなら彼女が一番分かるからだ。
ルーチェは紅茶を一口飲んで、話し出す。
「奥様にお嬢様の事を話すか否かですか…私個人の考えではありますが、話した方が良いと思います。」
「…やはりそう思うか?」
「ええ、情報はある程度共有した方が、今後の対策に役立つかもしれません。もしかしたら奥様も新しいことを思い出すかも知れませんし。」
「うーん…!そうだな!早速エリーゼに話してくるよ!」
「お、お待ちください!私だけの意見を参考にするのはどうかと思われますが!?」
「いや、だってエリーゼを一番理解しているのはルーチェだし…」
「そ、そうですか…では旦那様、その話に私も参加してもよろしいでしょうか?」
「えっ?もちろん良いよ…っていうか最初からそのつもりだったんだけど…」
「そ、そうだったのですね…」
ルーチェは思った。この家族、使用人との距離が近いな…と。
(まあ、そのお陰で楽しく生活が出来ていますが…)
使用人を大切にする貴族は多くあれど、ここまで家族のように接する家はそうそう無い。
ルーチェは幸せを噛み締めながら、ケンドリックと共にエリーゼの部屋へと向かった。
次へ続く!
次回、少しだけ話が動きます!




