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転生令嬢がゆるゆる頑張る話  作者: 和和
第二章 転生令嬢、リズ
15/29

リズの悩み事

あらすじ:私リズ!やっと私の出番ですわ!!!喜びたいところだけれども、私の心は雨模様ですの!

「どうしよう、これじゃあバッドエンド…まではいかなくても誰とも結ばれずに終わっちゃう…!」

リズは嘆いた。今の境遇を振り返って。

「うう…誰も相手にしてくれない…友達ばかりが増えていく…」

正直、友達が多くなるのは充分凄い事なのだが、今の彼女の目的は婚約者探しである。

「はいはい、それで?リズはこれからどうしたいの?」

そう話し掛けるのはメイル・グランナー、リズの同級生で、平民だ。リズにとっては入学して初めて出来た友達である。

「おじょ…リズはどうにかして婚約者を見つけたいわけですが…どうやら『攻略対象』とやらがなかなか見つからないそうで…」

「その『攻略対象』ってのが良くわからないのよね…何を攻略するのよ。」

メイルと会話をしているのはリュミー・ユォーキー、リズの侍女であり、ルーチェの娘である。彼女もかつてのルーチェ同様、リズの学友として学園に通っている。

「攻略対象は攻略対象としか言いようがないのよぅ…」

リズは困っていた。この世界では『乙女ゲーム』という存在がない。そのため、『攻略対象』という概念も存在しないのだ。

(どう説明しよう…一応リュミーには簡単に説明してるけど…)

リズはメイルを見る。メイルにはこの(前世の)話はしていない。

(うーん…どうしようか…)

少し悩んだあと、リズは覚悟を決める。メイルに前世の話をする覚悟だ。

(信じてもらえないかもしれないけど…やってやりますわ!!!)

「ねえメイル、少し聞いてほしいのだけれども…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


学生寮のリズの部屋は奇妙な空気が流れている。

真ん中にあるテーブルでは、メイルが頭を抱えている。

「ご、ごめんなさい、急にこんな話をしてしまって...」

「あ、いや、良いのよ、良いんだけれどもね…」

「なかなか信じられませんよね…正直私も半信半疑です。」

「ちょっと!メイルはともかくリュミーは信じなさいよ!予言だってしたじゃない!」

そう、リズはリュミーに信じてもらうために『予言』と言って先の展開を当てていたのだ。しかし…

「でも、途中から外れてますよね。ですので、私はリズの前世は信じますが、物語どうこうは半分しか信じていません。」

「うう…それは…」

リズの悩み事はまさにその事であった。

(ゲームの展開と違いすぎる!)

そう、すでに3人は転生者がいるので当たり前ではあるが、もう原作とはかなり違う展開になっているのだ。

(そもそも、ラッセル王子(パイ投げ王子)レイア(その婚約者候補)は候補が消えて婚約者になってるし、あのクソガ…ヤビェヒ侯爵の孫はいないし、ワリッツァ公爵令息もいないし!)

(そして何より…)

(お父様とお母様の仲が良い!っていうか良すぎる!!!)

原作ゲームにはほとんど出演しないリズの両親、そんなキャラにも『裏設定』が存在する

リズの前世の少女はその裏設定も覚えていた。

(そもそも私の両親は政略結婚、学生時代の関係も特別親密って訳でもなかった…それがあのラブラブ具合ということは…!)

リズは考えたあと、2人に話す。

「それは…私心当たりがありますの。」

リズの考え…それは、

「恐らく、私以外にこの世界に転生してきた方がいるからだと思いますの。」

「「えっ!?」」

「そして、その人物に心当たりがありますの!!!」

「「ええっ!!!」」

(私自身もある程度対策はしているからスペック上はバッドエンドルートに到達しない…はず。でも、私の力ではどうしようもない状況もあるけど、その引き金になる可能性がある攻略対象が学園にいない、もしくは関係が改善されている事…そして両親の仲の良さ…これが意味するのは…!)


「恐らく、私のお父様が転生者だと思うの。」

前回の引きはなんだったんだ…リズちゃん自力で気付いてるじゃん…

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