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15-18

バイト先のロリおじさん店長に、なんでこんなに好かれなきゃいけない!?

ぜひ、最後まで読んでいってください! ↓↓↓


「みんな〜おはぬるぽ〜!!」


喫茶店のドアを勢いよく開け、地雷服で黒髪ツインテールの幼い女の子が大きな声を上げて入ってくる。


「…………」


店内にいた者の返事は、誰一人としてなかった。


「ガッ!!」


ツインテールの少女の奇声と素振りが響く。


「ねーえー何度言ったら分かるの!?ぬるぽっていったらガッ!!ぬるぽっていったらガッ!!条件反射で出ちゃうのーこんなの!!」


「はぁ……で、店長結局どういう意味なんすかそのガッ!!って」


掃除をしていた刈り上げの男子が店長と呼ばれたツインテールの少女に尋ねる。


「それはだね板鳥くん……漏れもよくわかんなーい!ggrks!」


「…………」


誰もツッコまずに、各々の仕事に戻っていった。


「いや、ほんとーにそうなの!!なんでぬるぽのスレにガッ!!ってついたのか誰にもわかってなくて……」


これは、店長こと花瀬が経営する、ただの普通の喫茶店の話……


● ● ●


たく……香具師らはどうもノリが悪いな……漏れがいけないのか……?

ああ、最近また食材が値上がりしたから調整しないと……


「店長ゴミ出ししてきまーす」


「TSKR!たまには板鳥くんでも役に立つじゃ〜ん」


あーまじで板鳥くんって有能……気配りと仕事の速さと……そして何より、あの筋肉!!

細マッチョとでも言えるのかな、鍛えられた、あの美しくしなやかな身体!!

ああ……これはどうしようもなく……


好き♡♡♡♡♡♡♡♡


____喫茶店店長である花瀬は、おじさんしか知らないようなネットスラングを使うロリであり、ガチムチマッチョの板鳥のことが好きなのであった…………


「店長〜ゴミ捨て場にカラスがいたので捕まえてきたんですけど……食べます?」


「食べない食べない!アルカラでも食べないよカラスなんて!返してきなさーい!」


まったく……このバカさもかわいいけど……

ええっと……後は今日の予定は……

あ、そうだ今日は


「し、失礼します!!」


新しいバイトの子の面接があるんだった。


「バイトの面接に来ました!風倉です!よろしくお願いします!」


おお〜これはまたかわいい女の子が来てくれて……いやまってこの娘!!スタイルがものすごい!!

こう……すごいこう……包み隠さず言うと……

お○ぱいがデカい!ウエストが細っそい!お尻がエロい!お○ぱいがデカい!!!

大切なことなので2回言いました。

これが俗に言うダイナマイトぼでぃ……漏れだってこんなスタイルが欲しかったよ……

お、いやまてこの制服……


「いい制服着てんじゃないかよ、雪永学園だろ?」


「雪永学園です」


「いやさ、うちで働いてくれてる板鳥くんが同じ校章つけててねー」


「はぁ……」


うーん、ほんとに制服がはち切れそうな身体つきをしている……


「ああいやいやそんなことはどーでもいいから!じゃあじゃあこのバイトの志望理由はなーに?」


「えぇっと…………………………実は……私、花瀬さんが好きなんです!!」


「…………ほぇ?」


どうしたどうした!?急に告白なんて聞いてない!?


「え、えーっと……急にそんなこと言われても……心の準備が……でもまー…………ぽまえがその気なら……考えてやらなくは…………」


「私、花瀬さんのセンスが好きで!」


あ……えーっと……?


「私いつも、ここのお店の横を通るんですけど、そのときに見かける花瀬さんがいつもかわいくて……洋服も、髪型も、振る舞いも、もうほんとに!いつも外から見ててかわいいなって!」


「ふ……ふーん?」


あれ、何だか思ってたのとは違うけど、ちょっと嬉しいは嬉しいかも……


「だからその!単純に言えば、花瀬さん推しなんです!推し様と一緒に、ここで働かせてください!!」


ええっ……と……?う、うーん……


「……よし!おk!さいよー!」


「……!ありがとうございます!!!もう私ずっと前から大好きで!あ待ってくださいまだちゃんと挨拶もしてないしあのそれと服っていつもどこで買ってこの髪型のアレンジも自分でやってるんですか!?それとそれといつもお仕事見てたんですけど」


「ちょっ……ちょっと待って〜!!いきなりそんな言われても……あまってこれすっごい……」


もはやハグぐらいの距離感で迫ってきて、いろいろと体が当たってるから……

何よりこの大きなお胸が……顔に押し付けられる……天国……?


「………………あの子……胸……」


「板鳥くん何か言った!?ていうか言っても言ってなくてもどっちでもいいから助けてクレメンス〜」


「は、はい!」


一悶着あったけど、小説が始まってすぐなのに新しいメンバーが増えることになった……

まあでも、かわいい女の子だし、慕ってくれてるし、何よりエッチな身体つきだし……

でもやっぱり、こういう職場は賑やかなほうがいいもんね!


● ● ●


最近、俺がバイトしている喫茶店に新しいバイトの子が入ってきた。

風倉っていう女の子なんだけど……ここだけの話、めちゃめちゃエロい。

本当、学校の制服でも、バイトの制服でも、何着てもかわいい。どんな顔と体作ったらこうなるんだ……?

そしてこの最近、俺は決めた。

……絶対に風倉ちゃんと、一夜を過ごしたい!!

俺の筋肉で惚れない女なんていないからな!俺から押せば、そのままイケるに決まってる!!


____喫茶店でバイトをしている板鳥は、ただの脳筋バカち○ぽであり、エッチな身体つきの風倉のことが下心全開で好きになったのであった…………


「今北産業〜!みんな元気してる〜?」


「掃除

仕込み

暇←イマココ

です」


「花瀬店長〜ポニーテールもかわいいですね〜!触ってもいいですか!!」


「>>1 これは乙じゃなくてポニーテールなんだからね!」


「はぁ…………」


なぜだか知らないが、あの風倉ちゃんは店長にデレデレしている……正直、悔しすぎる。

たく……俺以外といちゃいちゃしやがって……

あの胸なら俺もすげぇ触りたい。

こうなったら俺だってアプローチするしかないだろ!


「風倉ちゃん!俺の筋肉も触っていいぞ!」


「あ、いらないです」


そう言って店長の髪の毛を触っている。

塩〜〜!!興奮する〜〜〜!!!

いいぜ、俄然俺の物にしたくなってきた!負けられねぇーー!!


「え、板鳥くん!筋肉触っていいの!?wktkすぎるー!!」


「あ、いらないです。店長は気持ち悪いので」


「orzひどい!触らせてクレメンス!ちょっとだけー!!こーんなにかわいいロリっ子が触ったら……ドキドキして好きになっちゃうんじゃないのかな〜?」


にしても、最近の店長は風倉へのデレはもちろんだが、何故か俺にまでデレ始めている気がする……

気のせいだといいが、バイト先のロリおじさん店長に気持ち悪いほど好かれるのはごめんだ。


「店長には指一本も触らせませんからね。あと俺はロリコンじゃないので。恋愛対象にないです」


「オワタ!年功序列はどうした!?」


「え、店長ってロリじゃないんですか」


「当たりまえじゃん!見た目と中身がおんなじだと思うなよ!外見はめちゃめちゃかわいい幼女かもしれないけどぉ……漏れだって中身は立派な大人なんだからね!」


はぁ……店長のダル絡みがウザすぎる……


「もういいです、仕事戻ります。そろそろお客さんも来る時間ですよ」


「サンガツ ノシノシ」


うーん、どうにかして俺だけ風倉ちゃんに近づくすべはないものか……


● ● ●


「え、板鳥くん!筋肉触っていいの!?wktkすぎるー!!」


わくてか?って何だろう……あとで調べてみようかな。


「orzひどい!触らせてクレメンス!ちょっとだけ―!!」


おーあーるぜっと?くれめんす……?また全然何言ってるかわからないや。


「え、店長ってロリじゃないんですか」


「当たりまえじゃん!見た目と中身がおんなじだと思うなよ!外見はめちゃめちゃかわいい幼女かもしれないけどぉ……漏れだって中身は立派な大人なんだからね!」


「えっ…………」


え、花瀬店長って、やっぱり本当の子供じゃないんだ……

なんだかここ最近、花瀬店長のイメージが全然変わってきちゃった……


でも何だか、花瀬店長と板鳥くんって何だかいい感じ。ひょっとして付き合ってるのかも。

だとしたら結構お似合いだと思うんだけど……


○ ○ ○


私は、いつもここの道を通って学校に向かっている。けどある日……

あ、ここのお店喫茶店だったんだ。

あそこにいる人……すごくかわいいな。

ぴょこぴょこ動いて、指先まで綺麗に振る舞ってる……

名前は……花瀬さん?へぇ……今度お話ししてみたいな……


あ、花瀬さんの今日の服、かわいいな。どこで買ってるのかな……私もあんな服が似合うようになりたいな……


花瀬さん、また新しい髪型にしてる……レパートリーたくさんあってすごいな……


あ、今日は花瀬さんいないのかな……寂しいな……


…………!

あの日、私は1枚の貼り紙を見つけた。


「新入バイト、キボンヌ……」


きぼんぬって何だろう……外国語かな……?面白い文章を書く人もいるんだなぁ……

でもでもこれって!新しいバイトの募集ってことで、いいんだよね!?


あの日から、私もこれから大好きな花瀬さんの近くに居れるんだと思ってた。

でも今は……


○ ○ ○


「オワター!なんであの料理出しちゃったの!?あれはまだ未完成だから出しちゃダメなのにぃ……はぁもういいよ。しばらくのうちはいきなり仕事するよりもROMってて」


「ろむって……??」


「だからROMって…………はぁ……まずは仕事を見て!覚えて!話はそれから!おk?」


「お……おけです……」


なんか花瀬店長は何言ってるのかずっとわからないし、仕事のことになるとスイッチ入るのか、なんだか冷たいし……


「あ、板鳥くーん今日もいい筋肉だね〜フヒヒwww」


「キモいです死んでください」


「フヒヒwwwサーセンwwwww」


でもやっぱり板鳥くんにはデレデレしてるから、私より板鳥くんのほうが好きなんだろうな……


昼休み、ちょっと近くのコンビニに。


「はぁ…………」


私、また距離感間違えちゃったかな……

やっと好きな人と一緒に働けるようになったのに……


「あ、風倉さん!風倉さんもコンビニ休憩ですか?やっぱりお○ぱい大きくてかわいー…………!っていうのは冗談で!」


「あ、変態の板鳥くん」


「あぁ待ってその罵り最高……じゃなくて!!どうしたんですか風倉さん、元気ないですけど。話聞きますよ?」


いつも花瀬店長に可愛がられてる板鳥くん……彼なら花瀬店長のことなら何か知ってるかも。


「えっと……私、花瀬店長のことが好きで、一緒に話して働きたいってずっと思ってたんですけど……なんか実際に接してみると、ずっと変な言葉で何言ってるかわかんないし、プロ意識?みたいなのが強くて……正直、私が思ってた花瀬店長じゃなかったなって。そうですね……簡単に言うと蛙化?みたいな」


あれ、こんなこと話していいんだっけ……?


「………………!!ひょっとして、風倉ちゃんはもう店長を好きじゃない……!?だとしたら今度は俺に矢印が向くかも……?それなら、今は俺の好感度を上げて……」


「あ、板鳥くん何か言いました?」


「いっいえ何でも!!うーんそうっすね……店長が何言ってるかわかんないのは俺らだってずっとそうでしたし……今だってほとんどわかんないし……正直、あのノリが苦手なら両思いにはなれないと思います!!」


両思いって……別に、付き合いたいとかそういうのじゃ……あれ、私って……


「…………じゃあもしかしたら私、もうあんまり花瀬店長のこと好きじゃないのかも……」


「……でも、店長はそんなに悪い人じゃないですよ。プロ意識が高いとかはわかんなくないっすけど……ああ見えても俺たちのこと、ちゃんと思って言ってくれてんです。まあ……その肝心な言葉が意味不明だけど……」


花瀬店長のことを話すとき、やっぱり板鳥くん嬉しそうだな……

もしかしたら本当に、私は二人の仲を邪魔してた厄介者だったのかな……


「本当に、板鳥くんは花瀬店長が好きなんだね」


「はぁ!?そんなわけないですよ!?何でバイト先のロリおじさん店長を好きになるわけが!?」


ふふ、図星みたい。だったら……私は二人のキューピットにジョブチェンジしようかな。

二人が仲良くしてる所を見るのは好きなんだよね……

………………!!もしかして、私って……カップリングが好きなの!?


そうか、そういうことだったんだ!!私は花瀬店長が好きなんじゃなくて、幸せそうな二人が好きだったんだ……

ラブコメ漫画を読んでるように、外から二人を眺めてるのが好きなんだ……


____喫茶店での新人バイトである風倉は、ネットスラングを使い倒す花瀬に蛙化し、ただ花瀬と板鳥のいちゃいちゃを見ていたい……挙げ句はくっつけようと企てる、腐女子だった…………


「わかった!じゃあ私二人がもっと仲良くなれるよう、頑張るね!めっちゃ元気出た!ありがとう板鳥くん!」


「えっえぇ……?えっと……まあ感謝されて悪い気はしないな!」


決めた!私はここでバイトを続けて、もっと二人のいちゃいちゃを見るんだ!だって生き生きしてる二人は……えへへぇ……


● ● ●


あー気分が最悪だ。もう無理ぽ。

いつものように昼休みに板鳥くんをストーカーして眺めてようと思ったら……

うちの近くのコンビニで板鳥きゅんと風倉ちゃんがいちゃいちゃしてやがる……

はぁ……俺の板鳥くんがあの豊満発育乙女と絡まれて……あぁ……


「頑張るね!めっちゃ元気出た!ありがとう板鳥くん!」


って待って、風倉ちゃんがもう店に戻って来る!?

まずいまずい板鳥くんストーカーしてたのがバレる!戻らなきゃ!

急いで店に戻り、呼吸を整える。


「花瀬店長!花瀬店長!私、二人のこと応援しますね!!」


「…………ん?kwsk……詳細キボンヌ……」


「……けーたぶりゅーえすけー……?kwsk……あ!詳しく!はい!あの、私、二人が大好きになりました!これからもバイトとして頑張ります!よろしくお願いします!!」


「よくわかんないけど……まぁヨシ……」


本当に何この娘!?漏れは怖いよ!板鳥くん助けてクレメンス〜!


○ ○ ○


ある日の営業終了後……


「板鳥くん、こんな写真が落ちてたんだけど、知ってる?髪型とかはちょっと違うけど、右側の人は板鳥くんだよね……?なんか怖いヤクザみたいな人が写ってるんだけど……」


まーた風倉が板鳥くんといちゃいちゃしてやがる……ギルティ……


「……!!こ、これ!懐かしい〜!!これ、昔の店長の……」


え、まって、昔の写真!?待って、それは!!


「くぁwせdrftgyふじこlp」


「花瀬店長!?今日こそ本当に何言ってるかわかんないです!?」


「こ、この写真は漏れのだね〜拾ってくれて㌧クス……じゃ、仕事に戻ってね……」


「で、昔の店長の何なんですか!?」


「あぁこれは昔の店長が……」


やばいやばいこれは誤魔化さないと取り返しがつかないぞ……昔の漏れがこんな姿だったなんてバレたら……


「こ、この写真のこと!?この左側の人はねー!漏れのアッニ……えと……兄なんだ!!」


「へぇ〜花瀬店長お兄さんがいたんですか……それにしても似てないですね……」


「え?だってあれは店長のお兄さんじゃ……」


黙って板鳥くん!?逝ってヨシ!

これは、助っ人を呼ぶしか……


「け、結構年が離れててね〜!?その兄のせいで、漏れはこんなおじさんしか知らないようなネットスラングが口癖になっちゃったんだよ〜」


「なるほど……確かに、花瀬店長は天使みたいにかわいい女の子なのに何でおじさんみたいに話すんだろうとは思ってました……そういうことか……」


「何言ってるんだ店長?俺、バカだからよくわかんねぇけどよ……」


そのとき、店のドアが開かれた。


「あれ、もうお店は閉めてるのに……私、応対してきますね!えっと……どちら様…………」


キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

助かった……


「花瀬店長!!写真のヤクザの人が来ました!?!?」


「ヤクザ言わない!漏れの兄だ!」


「え、店長ほんとにお兄さんいたんですか……!?」


「あの……おい花瀬……何事だ?」


「えっと……こちらは漏れの兄の月峯!!久しぶり〜元気だった!?」


「あの、何でさっきから俺のこと兄って呼んで……」


「えっと……そうだ!もう店閉めちゃったし、まかないでもつくろうかな〜ちょっとアッニも手伝って〜」


「ちょっと変だぞ花瀬……」


そう言って月峯と共に、キッチンに逃げ込んだ。


「おい詳しく説明しろ花瀬!なんでこんな格好で閉めた喫茶店に来いだなんて……」


「頼む月峯〜!漏れの昔の写真がバレちゃったんだよ〜!それでとっさに、あの写真は俺の兄って誤魔化して……」


「だからこの格好で来いって……はぁ……じゃあいつまで嘘を通せばいい?」


「ほんとすまん!みんなが帰るまではしばらく……」


「はぁ……じゃ、代わりにまかないでもいただこうかな」


「ほんと助かる……」


___花瀬の友人である月峯は、ほんとにただの花瀬の仲の良い友達で、別にそれ以上でもそれ以下でもない、この小説では珍しい常識人だった…………


そう言って、まかないを作り始めたがあの写真のことは頭から消えなかった……


一方その頃、残された二人は……


「あんなに慌てている花瀬店長初めて見ました。絶対嘘ついてますよねこれ」


「ああ……実はあの写真は昔の店長なんだよ」


「昔の店長……あんなにムキムキマッチョだったなんて……」


「うーん、俺は別にあの頃の店長も嫌いじゃなかったけどな……なんかプライドとかそういうので、今の姿に落ち着いたんだと思うぞ」


「今もかわいい天使ですが……昔のヒーロー感もすごいですね……で、昔の花瀬店長の姿を真似したあの人はどなたでしょう?」


「さぁ?俺も知らない。でもまあ店長のまかないでも食べてるか。そのうちボロが出そうだし」


「そうですね……じゃあ花瀬店長〜お腹すきました!板鳥くんも楽しみに待ってるので早く作ってくださーい!」


「俺の名前を出すなよ……ったく、店長〜まかないまだっすかー?店長のお兄さんも、早く食べたいですよね?」


「お兄さん……そ、そうだな!俺は花瀬の兄だから久しぶりに妹の料理が食べたいな〜なんて……」


え、今更ながらこいつの妹ってキモ。

ああもう、誤魔化しなんて効いてないよ!

はぁ……漏れのイメージだけは、みんなの中で守られてほしかったのに。


「はいはいもちつけ!さっさと食べて帰りな〜」


大慌てで料理を盛り付ける。


「「「いただきます!」」」


でも、板鳥くんが美味しそうに料理を食べてる姿はやっぱりかわいいなぁ……


○ ○ ○


食べ終わって、みんなももちついた頃……


「じゃあ店長俺帰りますねー今日もありがとうございました!ねえねえ風倉さん一緒に帰らない?夜に女の子1人は危な……」


「私先に帰りますねーお疲れ様でした!」


風倉ちゃんはさっさと帰ってしまった。泥棒猫は逃げ足も速いな〜


「あー!待って風倉さん!店長!お疲れ様です!!」


ノシノシ

手を振って板鳥くんの帰りを見送る。ちょっと寂しい。


「二人とも帰ったみたいだし、俺も帰っていいか?」


月峯には本当に助けられた。まぁ、嘘はちょっと下手だったけど……


「急に呼び出してスマソほんとに。今日はさっさと帰って、また後日お礼するよ」


「じゃあ俺の酒場にでも来てもらおうかなー俺の妹として」


「う、お前に妹って呼ばれるの結構気持ち悪いゾ……」


「その言葉、そのまま返してやるわ!それにしてもこの格好、ほんとに花瀬の性癖詰まってるよなー……なんで変わっちゃったんだ?」


「それを聞くのは野暮ってもんだよ お・に・い・ち・ゃ・ん♡」


「…………あぁー寒気がしたから帰るわ。じゃあな!」


「ああ、じゃあな!お疲れぬるぽ!」


「ガッ!!」


ああやって返してくれるやつもすっかり減ってしまったな……


____月峯[mooooon spirits]がログアウトしました。


ふと先に目を送る。


____風倉[hanaitaoshi 0430]がログアウトしました。

____板鳥[sbphu5pjgtd41fc]がログアウトしました。



ふぅ。漏れはVRゴーグルを外す。



____花瀬[hanase]がログアウトしました。


● ● ●


疲れていたからか、俺……ああ、漏れはそのまま椅子で眠っていたらしい。

この年になって椅子で眠るのは……やっぱりキツイな。もう腰が痛すぎる。

朝ご飯は……近くの牛丼屋でも行くか。


こんな昔のネットスラングばっかり言ってしまう漏れでも、あの世界の住民でいるときだけは前を向ける。

中の人がどんな人かはどうでもいい。年齢も、性別も、職業も。

ただあの世界にいるときは、漏れはただの幼女の花瀬になり、喫茶店をまとめる店長になれるのだ。

例えばそれが、いい年のおじさんだとしても。



いろいろ忙しいので投稿はマイペースですが、

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