ミイラジジイVS適応障害ブラザーズ 〜新たなる戦い〜
序章
深い砂漠の地下に眠る古代遺跡。その奥深くには、長い年月を経て生まれた恐ろしい存在「ミイラジジイ」が封印されていた。彼は、かつて村々を恐怖に陥れた伝説の妖怪。乾ききった皮膚と呪われた力を持ち、人々の希望を吸い取るという。
そして、現代。遺跡調査の一環で封印が解かれ、ミイラジジイは現世に復活。現代人の心の弱さを餌に再び力を蓄え始めた。
そんな時、適応障害ブラザーズ――**しん(37歳)とりょう(32歳)**が新たな戦いに巻き込まれることになる。
第一章:兄弟の旅
仕事と人間関係のストレスに耐えきれず、休職中のしんとりょうは、心を癒す旅として砂漠の観光ツアーに参加していた。しかし、ツアー中に迷子となり、砂漠の奥深くで奇妙な遺跡を発見する。
「ここ、ヤバい場所じゃないか?」と不安を口にするりょうに対し、しんは「せっかく見つけたんだ、少し探検してみよう」と前向きだった。だが、遺跡の奥へ進むたびに二人の胸に得体の知れない不安感が押し寄せる。
そして、彼らは遺跡の中心でミイラジジイを目覚めさせてしまう――。
第二章:ミイラジジイの呪い
ミイラジジイは目を覚ますと同時に二人を見下ろし、低い声で呟いた。
「お前たちの心は乾ききっている……その絶望を吸い尽くしてやろう。」
突然、遺跡全体に薄暗い霧が立ち込め、ミイラジジイが放つ呪いが兄弟に襲いかかる。
しんは過去の失敗や会社での重圧が頭の中に蘇り、呼吸が苦しくなる。一方、りょうは自分の価値を疑う思考に囚われ、動けなくなった。
「俺たちは……もうダメなのか……」とりょうが呟く。ミイラジジイは乾いた笑い声を響かせた。
「その弱さこそが、我が力の源だ!」
第三章:兄弟の絆
崩れ落ちそうなりょうを支えながら、しんは必死に言った。
「りょう、立て!こんなところで終わるわけにはいかない!」
「でも、俺には何もない……ただの弱い人間だ……」
「それでもいい。弱いなら弱いなりに、二人でなんとかするんだろうが!」
しんの強い言葉にりょうは涙をこぼしながら顔を上げた。
「俺、一人で抱え込むのをやめるよ……兄さんと一緒なら、きっと何とかなる。」
二人の間に生まれた絆の力が光となり、ミイラジジイの呪いを跳ね返す。
「なにぃ!この光は……?」
光に包まれたミイラジジイは力を失い、徐々に砂に溶け込むように消えていった。
最終章:新たな道へ
ミイラジジイが消えた後、遺跡は静寂を取り戻した。兄弟は遺跡を出ると、朝日の差し込む砂漠を見つめながらお互いに笑顔を向けた。
「これからも辛いことはあるだろうけど、二人で乗り越えような。」
「そうだな。俺たちは一人じゃない。」
兄弟はそれぞれの心に新たな決意を抱き、再び歩き出した。
教訓
「心が乾ききってしまう時がある。だが、支え合う絆があれば、その乾きに負けず前へ進む力を取り戻すことができる。」