第6話 陰キャな僕は義妹を寝取ることに決めた。
カレー大好き『リンゴと蜂ミッツ』と申します。いつも読んでくださっている方は、大変ありがとうございます。
10万字を目指して(完結目指して)頑張ります。モチベーション維持のために感想を頂けると大変嬉しいです。
去年の文化祭で2年生の武波という剣道部の男子が演じたのは主役の王子だった。
劇の内容は、勇者としての運命に目覚めた王子が苦難の旅の末に魔王を打倒して世界を救う、という中世風ファンタジーで剣道部員を起用しただけのことはあって、その剣げきシーンはものすごい迫力だったのを覚えている。
はじめに誰が言い出したのか、主役を演じた剣道部の男子は王子様と呼ばれるようになった。高身長のイケメンで、おまけに剣道部の主将。噂では常に上位の成績だとか。
でも知ってしまった。あの武波という3年の男子の隠された裏の顔を。
その正体は王子様と対極の存在。劇中の最後に登場した世界の平和―――僕たち兄妹の平穏な暮らしを脅かす魔王だった!
妹に関係すると思われる恐ろしい企みを知って、おぼつかない足で帰宅した。
こんな時だけ両親の帰宅は早く、平静を装うのに苦労する。
当然、妹を取り巻く状況について両親に相談しようかと考えてはみたんだけど‥‥‥。
近い将来に危険な目に遭う可能性があるなんてことを、どういうふうに説明すればいいのか分らない。それでも今わかっている曖昧な内容だけで話をしたとして、それはつまり仕事で忙しい両親に心配をかけるだけで。
目撃した状況を妹に話した場合、本人にどこまで信じてもらえるのか‥‥‥相手にぞっこんな様子の彼女の反発は必至に思えた。
だから妹の身に何も起こっていない現状では、長男の僕ができることは―――。
「郁人、塾はいいのか?」
「今のところは考えてない」
夕食の席。父さんがここ最近のいつもの話題を持ち出した。
親なら当然のことだろうけど僕の成績に満足していない。
自分自身も納得はしていなけど、父さんがすすめてくる塾だけは勘弁してもらいたかった。
子供じみた言い訳をすれば、陰キャな僕が知らない人に囲まれて勉強しても、たぶん良い結果にはならない。
「来年は受験生だぞ。無理強いはしないが自分でよく考えろ」
「うん」
クラスのみんなが目標を定める中、僕は自分の進路を決めかねている。
何か目指すものがあれば成績は上がるんだろうか。
「まあ、まあ、隼人さんったら、そんなにプレッシャーをかけたらダメよ。郁人の性格は分かってるでしょ。やるって決めるまでが長いんだから~。でも、いったん決めたらその後は、ちょっとこわいくらい」
久しぶりに家族4人で囲む食卓。
小言になりがちな父さんの話しに母さんが笑顔で釘をさす。
「愛ちゃんがそう言うなら。そうだ、恋、部活には入らないのかい?」
「迷い中、かな‥‥‥」
「それなら塾に―――」
「―――隼人さん? 無理強いはダメって言ってるでしょ、ね」
「はい。愛ちゃん、怒ってないよね?」
基本、父さんは母さんにベタ惚れで、この家の主導権は母さんにある。共働きでみんなが顔を合わせる時間は少ないけれど、温かい家族なんだ。
ベッドに寝転がっても、目が冴えた状態で眠ることができないでいた。
王子様―――もとい、魔王と一緒にいた見なれない私服の男子。2人の会話が頭の中を何度も巡る。
隠れながら聞き取った断片的な話しだったけど、繋ぎ合わせれば恐ろしいものが見えてきた。
―――このままだったら妹が危ない‥‥‥
一番現実的ところは、やっぱり今日聞いた話の内容をそのまま妹に伝えてみることだ。
それで魔王と別れてくれれば、将来の危険は回避できる。
ただ恋は盲目って言うし、僕の話に耳を傾けてくれるだろうか‥‥‥?
妹のことだ、話始めた途端にグーパンは必至だろう。
そして顔を腫らした僕の話を信じてくれたとして、だからといって魔王がすんなりと別れてくれる保証はない訳で。
ストーカーと化した剣道部の主将。考えるだけで厄介この上ない。
その時は、陰キャな兄が身を挺して妹を守らなければならないだろう。
―――明日から軍隊格闘術を習わなければ‥‥‥近接戦闘だけで足りるのか? 射撃訓練は日本じゃできないし、そもそも武器の携帯は法律違反じゃ‥‥‥
考えが迷走を始めた頃、カチャっと小さな音が聞こえて、薄闇の中に光が差した。
ドアの隙間から妹が顔を覗ける。
「恋‥‥‥!?」
「静かにして。下に聞こえるから」
寝転んだ姿勢のまま声を掛けると、音を立てないようゆっくりと彼女の気配が近寄ってきた。
顔のすぐ前、ベッドの端に腰を下ろす。
突然部屋に忍び込んできた妹は半袖Tシャツにショートパンツという普段から見慣れた格好。
だからといって真夜中に寝ているベッドの上で距離を詰められると、兄であっても流石に困惑を隠せない。
体を起こして距離を取った。
「何かあっただろ」
「こんな時間に何かと思ったら‥‥‥別に何もないけど」
「隠すな。イジメられてんのか?」
平静を装うことで両親には気づかれなかった内面の不安。
それが妹にはバレていたみたいで‥‥‥鋭いというかなんというか、彼女は昔から僕のことをよく見ている。
ただ、的外れな内容に思わず笑いが零れてしまった。
「ははは‥‥‥」
「な、なんだよ。心配してやってんのに」
「何時だと思ってるんだ」
「兄貴が早寝なだけ。別にまだ遅い時間じゃないし」
普段から妹の部屋には夜遅くまで電気がついていた。
彼女にとっては遅くなくても、すでに日付が変わっている。
「イジメとかそういうのじゃないから。ほら、父さんが言ってただろ塾の話。自分では頑張ってるつもりでも成績が上がらないんだよ」
「ウソ」
「悲しいかな嘘じゃない。成績で悩んでるのは本当だから」
「それだけ?」
「そ、心配かけてごめん」
心配してるのは僕も同じで‥‥‥。
今このタイミングで魔王との関係を聞いてみようか? 元気のない理由を正直に説明すればさすがに大丈夫だろう、と。
「王―――」
「―――なぁ~んだ、心配して損したじゃん。兄貴メチャ酷い顔だったから、ちょっとだけ気になった」
思い切って発した声は、同時に発せられた妹の声に上書きされてしまった。
深夜兄の部屋に忍び込んできた妹は安堵の表情に照れ笑いを浮かべていた。
本気で心配してくれているという事実に心が揺さぶられ‥‥‥訊くタイミングを失ってしまう。
安心した様子の妹は緊張の糸が切れたみたいに大きく伸びをした。
そのまま体を倒してベッドの上に寝っ転がる。
「なんか眠くなってきた」
そう言ってから背中を丸めて目を閉じた。
「お、起きろって―――!?」
「声大きい」
僕たち兄妹は血が繋がっていない。
だから年頃の男女と読み解くことができる訳で、その2人が深夜に同じ部屋で1つのベッドの上っていうのは流石にまずい。
1階の両親にこんな場面を見られでもしたら、まず間違いなく家族が崩壊してしまう。
小学生の妹は、母さんの帰りが遅いと寂しがってよく泣いていた。
そういう時はよく一緒の布団で寝てたけど‥‥‥。
でもそんなことは、思春期を迎える頃にはなくなっていて、僕たち兄妹は義理の関係だからこそ、互いに気を遣いながら適切な距離を保っていたはずで。
「恋、起きろって。自分の部屋で寝るんだ」
「イヤ!」
「嫌じゃないだろ‥‥‥恋がこのベッドで寝たら兄ちゃんはどこで寝ればいいんだよ」
「一緒に寝ればいいじゃん、兄妹なんだし」
「おかしいだろ」
「おかしくない!」
「恋も静かにしろって。聞こえたらマズいから」
「何が? もしかして妹を意識してんの?」
「恋、頼むから‥‥‥」
「なんだよ、頼むって。ははぁ~ん、さては美少女の私に緊張してんのか? それとも興奮!?」
「ば、バカなこと言うなって!」
声を潜めたり張り上げたりして押し問答が続く中、1階の方からドアの閉まる音が聞こえた。
互いの動きがぴたりと止まる。
しばらく様子を見ていると妹がむくりと体を起こした。と、思ったら次の瞬間―――、
「―――んっ!?」
「‥‥‥‥‥‥」
妹の顔が胸に押し付けられ、彼女の両手が背中に回された。
熱い吐息を胸の辺りに感じながら僕の両手は力なくだらりと下がったままで―――。
そして無言のまま体が離れ、ベッドを下りた妹の気配は静かにドアの方へ。
時間にしてほんの数秒間、僕は正面から抱き着かれた。
「中学の時のあの子‥‥‥」
「えっ‥‥‥!?」
妹の零した声は、話しの途中で薄闇の中に呑み込まれてしまった。
ドアが閉まると彼女の気配は部屋から消えていた。
しばらく寝付けなかった。
本気で僕のことを心配しているようだったけど、それでも妹の行動は不可解すぎた。
それに言いかけてやめた含みのある言葉。こっちには心当たりがないだけにお手上げ状態で。
翌朝、脱衣所の鏡の前で妹と鉢合わせになった。
「お、おはよう」
「ねむー、そこどけて」
動揺と緊張を隠せない兄に比べ妹はこっちが驚くほど普段の様子と変わりがなかった。
週の折り返しである水曜日の昼休み。
場所はいつもの退避場所。
売店で購入した総菜パンを食べ終わった僕は、呼び出しに応じてくれた陰キャ仲間の宗助に最近あった妹関連の全ての出来事を打ち明けていた。
「―――で、どう思う?」
「点と点とは見えてるでござるが‥‥‥今の話だけでは線が結べないでござるな。恋殿は本当に王子様と交際しているのでござろうか。ここはやはり思いきって恋殿に聞いてみてはいかがか?」
今日の彼のキャラは、古典的なオタクキャラもしくはサムライ。
ころころとキャラ変するふざけた態度に見えるけど、オナ小オナ中と付き合いの長い彼はこうして真剣に話を聞いてくれてアドバイスまでくれる。
それに僕と妹が血の繋がらない義理の兄妹だという事実を知っている数少ない親友―――もとい、陰キャ仲間なのだ。
「それは考えたんだけど‥‥‥地雷でしかない。妹は昔からその手の話を嫌うんだ。この前も彼氏の話に触れようとしたらめちゃ切れられた。だから絶対に逆効果でしかない」
「一番の近道でござろうに」
宗助は錆びの浮いた手すりに両ひじを掛け、そのまま背中を預けて寄りかかった。
僕は前を向いたまま手すりに両ひじを置いた。
「妹が本当に魔王と付き合ってるんなら、別れさせたい!」
「魔王―――!? おもしろい例えでござるな。さて、2人を惹かれ合っている者同士と仮定して―――それをどうやって別れさせるつもりでござるか?」
「それを相談してるんだ!」
ついつい大きな声になってしまった。
宗助が難しい顔でこっちを見る。そして耳慣れない言葉を口にした。
「カリギュラ効果というものを知っているでござるか?」
「かりゅぎる効果‥‥‥聞いたことないけど」
「カリギュラ効果でござる。心理学の言葉で―――人はやるなと禁止されると逆に禁止されたことがしたくなる、というものでござる」
「それが今回の話となんの関係があるんだよ」
「まあ、聞くでござる。物の本によれば、カリギュラ効果を制するものは恋愛を制するとのこと。つまり、それだけこの心理は手強いということでござる。もし仮に恋殿が王子様に熱を上げているとして、周りが別れろと言ったところで反発は必至!」
初めて聞く言葉だけど、そういう心理が働くのはなんとなく理解できた。
男女の関係に当てはめると、恋は盲目ってこと。
「騙されている証拠を掴んで説得すればなんとかならないかな」
「むむ、実はそこがカリギュラ効果の肝要なところでござる。説得すればするほど相手のストレスが高まり、それに比例して反発心も高まっていくのでござるよ。それに義理の兄妹といっても、長年一緒に暮らした身内。その近しい存在から恋愛に口を挟まれたとなれば、結果はわかるでござろう。惹かれ合ってる2人を引き離すのは至難の業」
つまりはロミオとジュリエットっていうことなんだ。
「‥‥‥詰んでるのか」
空の青さが目に沁みる。なんだか泣きたくなってきた。
「す、すまんでござる。別にモモッチ殿を気落ちさせるつもりはなかったでござるよ」
「わかってるよ。真剣に考えてくれてありがとう」
結局、2人を別れさせる妙案は浮かばなかった。
昼休みの短い時間で解決できるほど単純な話しでもない。
予鈴まであと少し。
教室に戻るため手摺に寄りかかった体を起こし背伸びをした。そこで非常階段を下りてくる硬い足音が辺りに響いた。
普段からひと気のない場所だけに、僕と宗助は顔を見合わせ上の階の踊り場を凝視する。
そこに現れた姿を見て、同時に口を開いた。
「ま、満月さん」
「美音‥‥‥」
モデル顔負けの美貌とスタイルを持ち、校内では高嶺の花として知られ、それでいてあまり人と交わることのない孤高の存在。
カン、カンと鉄製の階段を蹴って堂々とした振る舞いでゆっくり下りてくる彼女の名前は満月美音。
信じられないことに宗助の彼女であり、残念なことにものすごく腐っていた。
「今の話、しっかりと聞かせてもらったわ」
えっ!? まさかの盗み聞きですか‥‥‥。
僕は呆れ顔で宗助の方を見た。
宗助は手のひらを合わせて、ごめんのポーズを作っている。階段の真ん中で立ち止まった満月さんは、僕らを見下ろして話を続けた。
「1つだけ方法があるわ」
切れ長の瞳がキラリと光る。
「N・T・Rはご存じ?」
なんの略語だろう? 僕は首を横に振った。
「や、やめるでござる、美音」
隣の宗助が何かを悟って制止の言葉をかける。
「宗助は黙ってなさい!」
「ぐっ‥‥‥」
満月さんにピシャリと言われて、宗助が口をつぐんだ。
短いやり取りで2人の関係性が見えた気がした。
「じゃあ、寝取るとか寝取られるって言葉は?」
「それなら知ってる、けど」
満月さんが言った言葉は、エッチな動画のタイトルや、最近ではラノベのタイトルでもよく見かけた。
僕の認識では浮気みたいなものだけど‥‥‥それと今回の相談内容がリンクしない。
「百崎くん、1つだけ確認しておきたいことがあるの。正直に答えて」
「‥‥‥うん」
「あなたと妹さんは血が繋がってないの?」
満月さんの整い過ぎた顔は、時に冷たい印象を周りに与える。
よく考えたら不躾な質問なんだけど、彼女が言うとそんなに嫌な気持ちにならなくて―――僕は大きく頷いていた。
「う、はぁ」
僕の答えに満月さんの口から変な声が零れた。
―――いまの反応はなんなんだ!?
僕たち兄妹が義理の兄妹だと分かった瞬間、満月さんの瞳に妖しい光が宿ったように見えた。
「周りには話してないんだ」
「安心して、誰に言わないわ」
「助かるよ。で、何かいい方法が?」
予鈴まで時間がなかった。
それに不思議と満月さんの答えを待っている自分がいた。
だから藁にも縋る思いで彼女の瞳を見つめ返した。
「簡単なことよ。王子様から義妹を寝取ってしまいなさい!!」
「――――――!?」
満月さんの答えに息を呑んだ。
彼女は僕を指差し、何故だか決め顔まで作っている。
冗談を言っている雰囲気ではなかった。満月さんの瞳は真剣で、この人は本気で言っているんだと直感した。
「宗助の言ったカリギュラ効果は本当よ。だって、彼と付き合うために試したんだから」
「――――――!?」
こんどは宗助が息を呑んだ。
横を見れば何とも言えない表情で固まっている。
「カリギュラ効果はとても厄介な心理で例外はないわ。いくらあなたの助言が正しくても、義妹と王子様が愛し合っている限り別れさせることは難しいでしょうね。だから奪うしかないの。幸い実の兄妹じゃないんだから問題はないわ」
「う、奪うって」
「寝取るのよ。既成事実は大きな武器になる」
非常識、非現実なことをつらつらと自信を持って語る満月さん。
彼女の正体を知る身としては、もしかしたらこういう寝取られ系も範ちゅうなのか? と疑ってしまう。
「簡単に寝取るって言われても‥‥‥そんなこと現実にできる訳がない」
心の奥底に蓋をしてひた隠しにしてきた本当の気持ち。
彼女は家族の一員で、大切な僕の妹。
「おバカさんね。寝取るって言葉は物理的なことばかりを指してるんじゃないの。精神的な意味合いも含まれるわ。とは言っても目指すゴールは物理的なものになるのだけど、それでも過程は大切よ」
「―――なるほど。天才でござるな、我が姫よ! モモッチ殿、寝取るという作戦は妙案でござるぞ。血の繋がりがないという事実こそが大きな希望ではござらんか?」
「いや、でも‥‥‥僕たち兄妹の間にそんな感情はないし」
そう2人に返した僕は、昨日の深夜の出来事が脳裏に蘇っていた。
胸の辺りに熱い吐息を感じてしまう。
「百崎くん、勇気を出しなさい。義妹を寝取る過程で今以上に精神的な繋がりを強めるの。あなたに対する依存度を高めればカリギュラ効果は無効化できる。そうなればこっちの勝ちよ」
言い切った満月さんがドヤ顔を向けてきた。
陰キャ仲間の宗助は、彼女の話に同意するように何度も頷いていた。
と、ここで予鈴が鳴って妹を寝取る提案をした変態カップル―――もとい、お似合いのカップルは南校舎へと戻っていった。
僕は午後からの授業に遅刻覚悟で退避場所に残った。
今、この瞬間に決断しなければ前に進めないと考えたんだ。
妹からは陰キャな兄だと思われている。それ以上でもそれ以下でもない。嫌われているとかじゃなくて、妹は僕のことを兄としてしか見ていない。
それは当然のことだ。小学生の時に初めて出会い、今日まで兄妹として過ごした日々は決して消えることがないから。
そんな関係性の中で、兄である僕が本当に妹を寝取ることができるんだろうか? 物理的にってのはつまりアレをするってことで―――ダメだ今は考えちゃいけない!
でも満月さんが言うように寝取る過程で精神的な繋がりを強めることができたなら、少なくとも僕の忠告に耳を傾けてくれるような気がした。
バカげた話しだと思う。
でも不思議とこの考え方は間違っていないような気がした。
他に方法が見つからない以上、やってみる価値はあった。今は一秒でも早く危険な魔王から妹を遠ざける必要がある。
「僕は―――義妹を寝取ることに決めた!」
柄にもなく決意を声に出すと、近い未来のゴールが見えた気がした。
寝取るといってもどうすればいいかわからない。だけど一緒に考えてくれる味方はいる。
―――絶対に魔王から妹を取り戻すんだ!
淡い希望を胸に階段を下りる。
まずは授業に遅刻したことを先生に叱られるところから始めよう‥‥‥。
読んで頂きありがとうございました。
平日は最低でも2話以上(毎日が理想(無理です))の更新ができるようにと考えています。
もしよかったらリンゴと蜂ミッツを推してくださいね。ブクマ、評価をよろしくお願いします。