優しい狼
目に留めていただき有り難うございます。
企画に出すのは初めてで締め切りまでギリギリにならないかと焦ってとても早く出してしまいました。
短いのですぐ読めますので是非読んでみてください!
ふわり、ふわりと浮かんでいる。
水の中にいるみたい。
でも、水じゃなくて、他の何かー例えば、そう、ゼリーとか、お母さんの腕の中とか。
僕は、ふわり、ふわりと夢の中にー。
ある森の中に、くまの親子がいました。
その親子は、森に木の実を摘みにきました。
やがてくまの親子は木の実を摘めるところへと来ました。
くまの子は、木の実を摘んでいるうちに迷子になってしまいました。
「どうしよう。」
明るく太陽の光が差し込んでいた森はやがて赤く染まりはじめました。夕方になったのです。
やがて、どんどん暗くなっていきました。
段々とくまの子の目には涙が浮かんできてしまいました。
涙でぼやけた視界にはキラキラと星が輝きはじめているのが見えました。
さくり、さくりと足音が近づいてきます。
ー誰だろう?ー
そう思ったくまの子はゆっくりと振り向いてみました。
そこには1匹の狼が立っていました。
「ひっ」
とくまの子は短い悲鳴を出しました。
いつもくまのお母さんからオオカミには近づいちゃダメだよ、と言われているくまの子が思い浮かべていたのは邪悪で、意地悪い狼でした。
だけど、今くまの子の目の前に立っている狼は優しげな笑みを浮かべていました。
「ついてきて。」
狼はそう言うと後ろを向き、スタスタと歩きはじめました。
最初は止まっていたくまの子も急いで後を歩きはじめました。
やがて開けた場所へ出ました。
そこにはくまのお母さんが立っていました。
くまのお母さんは泣いて喜び、狼にお礼を言いました。
狼の目にはしっかりとくまの親子の笑顔が見えました。
やがて、くまの親子は遠ざかっていきました。
ですが、狼は思います。永遠に僕は今日のことを忘れないぞ、と。また、誰かの笑顔を見たいな、と。
僕はゆっくりと目を覚ました。
お気に入りのお話が夢に出てきたのが嬉しくて目覚めた後も茶色い尻尾がふさふさとしていた。
そして、僕はお母さんに抱かれながら聞く。
「僕も、あの狼さんみたいになれる?」
お母さんは優しく僕の頭の茶色い毛を撫でながら頷いてくれる。
「狼はいつも怖いと思われがち。でも、優しさを忘れなかったらきっとなれるよ。」
僕は狼になれてよかったと、心から思った。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
優しい狼とはどのような狼のことを指すのでしょうか?優しい狼にはどうやったらなれるのでしょうか?意見を是非コメントに書いていただければ幸いです。
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