死後の世界?
…真白いだけで何も無い。
ここはどこだ?
何をしていたんだっけ?
「目覚めましたか?」
どこからか聞こえる。穏やかで優しい女性の声だ。
「ここは豊穣神アルルのゆりかごです。私はアルル様の使いマカです。」
分からないことばかりで何から聞けばいいのか分からない。
「えぇっと…聞いたことの無い神様?ですね?
僕はなにか信仰があった記憶もないし…
マカさんは神様なんですか?」
「神ではなく、神の使い…あなたの世界でいう天使のようなものですね。」
「あなたの世界ということは違う世界に来てしまったんですか?」
「そうです。魂だけの存在となったあなたは次元の裂け目を通り、さまよい、消えかかっていたのを偶然見つけたので保護したのです。」
「そうだったんですね…ありがとうございます。」
「あなたはこれからどうしますか?
あなたはこの世界で生まれ変わることができます。ある程度なら種族や能力を選べます。」
急すぎる!
そうなこと言われても…
元の世界ではダメなの?
「あなたの魂が消えかかっていたので元の世界が分かりませんし、他の世界まで力を及ぼす程この世界の神は力がありません。」
…よく分からないけどそういうもんな
「はい。そういうことなので何か希望はありますか?」
食い気味に言われたわ…せっかちさん?
てかまだ声に出してないような?
えー、希望と言われても…
ぼんやりと死んだ時のことは思い出してきたけど他のことはさっぱりだし…
ううーん…
そうだなぁ…
種族?といわれても人以外いなかったと思うから想像がつかないし…
健康的に過ごせて色んなことができるようになりたいかなぁ〜
「あなたの新しい人生がより良いものになる様見守っていますよ。では!」
えっ今ので決まったんですか?
ちょ、ちょっと待ってくださうわあああ
眩しい光と共に意識が消えた。
マカさんはせっかちって事しか分からなかった。