第二十一話 エッチなアンデッドは着せ替え人形 前編
揚げたてジュワジュワ油が歌う、鶏もも唐揚げが山盛り一皿。
4人前をテーブルに置き、エリンとジョッキのビールで乾杯してガブリ。衣と皮のカリカリパリパリ、肉のぷりぷり肉汁どぱぁっ! 下味のショウガとたっぷりの粒胡椒、ローズマリーとタイムの香りがもうたまらない。
咀嚼し飲み下し泡麦酒ぐびり。
幸せの空気が喉から溢れる。
「あぁっ、うめぇっ! 仕事終わりの唐揚げとビールは最高だぜっ!」
「レアル、付け合わせのパセリもう少し頂戴」
「パセリ好きだよね、サラ」
「油が多いとどうしてもね。こういう時、油の代謝が良くないと悲しくって仕方ないよ……」
「別に根本的な解決にならねぇだろ? 今を楽しんで、後のことは明日の自分に投げちまおうぜっ」
「仕事があるから、仕事が」
パセリの小皿がカウンターに乗って、給仕の超乳アンデッドウェイトレスが目の前に運ぶ。
今日の衣装は裸エプロンで、完全に浮いて丸見えで実にエロい。特に超乳下乳と鍛え締まった腹筋のぽっかり空間。登頂でぱつんぱつんに張った布が、大きすぎる乳房を覆い切れず素肌の膨らみと腹部を晒す。
いやぁ、良い仕事ですなぁ。
たまにエプロンが谷間に落ちて、直すまで丸出しになるのもまた良い。
「アレ大丈夫? 目の保養だけど、自治部門になんか言われない?」
「夜限定だし、うちの店に来るのは私って精神的ハードルを越えないとだから。テンタクルスの店は、毒を盛られて監禁されて種付けされるに決まってるって偏見がね」
「むしろ、来てみたら良い意味での裏切りってなっ。他の衣装はどんなのがあるんだ? 元女騎士の身体だと、エロいのたっぷり似合いそうだろっ」
「普通の給仕服、メイド服、ミニスカ、一枚布、チューブトップにエロ下着に一番人気はやっぱり全裸」
「スタイルが一級品だと、裸体が一番映えるよね。下着職人から思いっきり非難くらうけど」
『当たり前でしょうっ! 下着は女体を際立たせる最高の衣装なんですよっ!?』
隣のテーブルで魚のフライにビールを合わせる、ぐるぐる眼鏡の三つ編み娘が口泡拭いてジョッキ・オン・テーブル。
黒のソースとタルタルにマヨネーズ、最近出回り始めたソイソースと味付けはバラエティ。
彼女もまた仕事上がりの勢いで、頬は既に酔いの紅だ。頭にも十分アルコールが回り、普段の内気陰気はどこへやら。心の枷を外して激しく、食と酒を躍らせていく。
――――死霊術科の同輩研究員、イゼンナ。
今夜の宴の主賓で主役。
「飲んでるねぇ、イゼンナ。エロ下着の売り上げ20倍達成おめでとっ」
『サラのせいでしょうがっ! 疑似レイプ用に破りやすいエロ下着作れとかっ、職人の心を何だと思ってるんですかっ!? 収入が増えても手間も増えてっ、単純作業用アンデッドを何体作ったとっ!?』
「お気に入りのショタ君に手伝わせて、毎日いつでも使えるようになったから万々歳でしょ? あっ、ショタ君にだけ見せてた穴あきショーツも量産お願いね。淫魔術科に話したらたくさん欲しいって」
『いつ見たっ!? どこで見たっ!?』
「いやだって、アンデッド用衣装の洗い物の中にこっそり混ぜてたでしょ? 生身と死体の匂いって全然違うからね? っていうか、女物で愛液付きってわからないと思う?」
『むぎゃぁああああああああああああっ! いうなぁあああああああああああああっ!』
『あっはははっ! 洗濯担当は全員知ってるぞ、イゼンナ!』
別テーブルで唐揚げビールぷっはぁあっ!する同僚が、嫁アンデッドを抱き寄せながらこちらの話題に声をかけた。
大きな一枚布で全身を包む爆乳娘に、隙間に手を入れて素肌揉み揉み。
一見すると露出が少なく、下に何もつけてないから脱いだら裸。両極端なギャップが大好きなんだと、彼は一枚布を一番に推す。理解できないという意見には真っ向から、嫁の脱ぎっぷりを披露して黙らせるほど。
――――低露出の娘が目の前で、衣を下にするりと落とす。
突然現れた裸体に、期待する上目遣いに大体は堕ちる。かくいう僕もその1人で、座位騎乗からの衣落とし目の前おっぱいたぷんっで脳をやられた。お手付きは当然許されず、早く専用アンデッドを手に入れたいと血の涙を今でも流している。
不謹慎だけど、ロリアンデッドの素体をください。
超乳には後からするので、胸と尻は小さくても良いです。
「服飾業界も盛んになりそうだね。エッチなアンデッドの経済効果、数年前と比べるととんでもなく上がってない?」
「まだこれからだよ。個人向けアンデッドの普及が進むほど、最高で今の200倍まで達する予想。ただやっぱり問題もあって、今の内に検討と対策を取らないといけない」
「問題? 何かあんのか?」
「需要と供給の供給不足。具体的には職人とデザイナーとメンテナンス要員が全然足りない」




