騎士団長ヴァレリー
コゼットは朝から冒険者ギルドの応接室にいる。
しっかり寝れたのでスッキリしている。
「昨日のは驚いたな」
冒険者ギルド長のジェイクが目の前にいる。
「そうですね。でも、おかげでどこを根城にしてるか分かりましたよ」
遠方まで音が聞こえる能力を使って後をつけて、おおよその場所が分かったのだ。
「そうか、よくやったな。みんな不安がってるから早く対処したいな」
「規模が大きいので私1人という訳にはいきません。街には結界もありますし、大規模攻勢を騎士団とも連携して検討出来ませんか?」
「今回のはみんな危機感を肌で感じてるから同意も得やすいだろう。調整に動いてみる」
ジェイクに汗をかいて貰おう。失敗したらまた居場所が分からなくなるリスクがある。いつどこから攻撃されるか分からない不安は持ちたくない。
「ところで伝言を貰ってた件は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。優先順位の違いってやつだ」
よく分からないがいいなら掘り下げないでおこう。
ジェイクとはそこで別れた。
◆
ジェイクと話してから5日で準備が整った。
騎士団から100名、冒険者ギルドから50名の合計150名規模になった。馬車や補給物資の準備を考えると迅速な対応だったと思う。
ジェイクと騎士団長のヴァレリーと並んで先頭を進んで敵地を目指している。
ヴァレリーは、銀色の鎧を纏った薄紫色の髪の女性だ。長い槍を武器にしてるのが特徴的だ。女性が騎士団長なのに驚いた。
「近づくにつれ魔物が増えてきたな」
ヴァレリーのつぶやきが聞こえてきた。槍から放つ雷の魔法で次々と魔物を1人で葬っている。なんか1人でも大丈夫なんじゃないかと感じるくらいの強さだ。
王都キングエスクバードを南西に進んで約半日で目的地に着いた。
「なんだこの要塞は!魔物の奴らこの地に居座るつもりか」
ジェイクが叫んでいる。
高い壁が印象的な縦に3段に幅広の土壁で作られた規模の大きな要塞が眼前に広がっている。
要塞を前にしてコゼットたちは陣形を組むことにした。なかに飛び込むのは躊躇われたので野戦で決着をつけられるのが望ましかった。
小競り合いはあるが敵も出てこない状況が2日続いた。このままだと補給線が気になるので今後の方針について3人で話すことにした。
話したが結論は出なかった。誰もがあの要塞に攻め込むのは躊躇われたからだ。
このままではジリ貧だ。焦る気持ちが止まらないコゼットであった。




