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ハザドでの葬儀

 コゼットはキングストン王国中部の都市ハザドで守護の葬儀に参列していた。

 魔族の侵攻も懸念されたが今のところ魔族からの動きはなかった。

 大勢の地元の人が参加している。


 ぽつぽつと雨が降るなか、葬儀は進む。

 長男の無難な弔辞が終わり、次男が弔辞を読む。まだ兄弟で争ってるのかな?


 「我々は父の意志を継ぎ、魔族との戦いに勝利して魔王の首を墓前に飾ることをここに誓う」

 なんて勇ましい弔辞だ。亡き守護様を思って静かに送ってあげればいいものを。


 「ほう、我々をお前如き羽虫が倒すと言うのか」

 怒声がする方へ視線を向けると黒いローブを来た者が宙に浮いている。


 「キングストン国王も今、老衰でこの世を去った。我々と盟約を結んだ勇者たちはすべてこの世から消えた、盟約は解消されたのだ。この中部全体を我らに無条件で差し出せ!さもなくば戦争だ。回答期限は1日だけやろう。差し出せば向こう10年の平和をくれてやる。明日この時間にそこの次男の首を掲げれば受け入れたことに、掲げられなければ即全面戦争だ。よく考えよ、貴様たちの将来がかかっている。戦争が始まれば中部だけでなくこの世界全体に影響を及ぼすだろう」

 そう言うと黒いローブの男は消えた、えらいこっちゃ。


 ざわざわしている出席者を横目に葬儀を早く終わらせようと進んでいく。


 キングストン国王も逝去されたか。時代の変遷を感じる出来事だ。生前はお世話になった。

 どっちにしろ、今の私は他所者だ。葬儀が終わったなら帰るの1択だ。戦争が始まれば嫌でも分かる。

 転移で家に帰ることにした。


 ◆


 「へー、そんなことがあったんですか」

 ウェイドとキングストンでの出来事について、買取店でコーヒーを飲みながら話している。


 「私がいる限り、そんなことはさせない。勇者コゼット参上!、なんてしなかったんですか?」


 「致しません。頭おかしい奴みたいじゃないの」


 「そんなことないですよ。勇者様の勇姿を見たいです」

 ポッて音がしそうな乙女な顔はしないでほしい、男の子でしょ!


 「じゃあ、ここも近々戦場になるかも知れませんね?」


 「すぐにはならないでしょ。キングストン王国はちゃんと備えをしてるって以前に言ってたし、勇者もいるでしょうから。そもそも次男の首を差し出したかも、お兄ちゃんと仲悪かったし」


 そういや、キングストンの勇者は会ってないな。どうしてるんだろう?

 分からないことは考えても仕方がない。とりあえず、破邪の力を使って宝玉を作ることにした。


 この街とグランレッド村とマイファ村の分も作るか。前に魔族のイレーヌに侵入された反省を活かして、強くなった破邪の力で街や村への魔族の侵入を防ごうと思う。あ、せっかくだから炎の首にも掛けてあげよう。


 買取店で宝玉を4つもらって、会議室に籠って破邪の力を押し込む。

 随分時間はかかったが上手くいった。


 さあ、明日にでも配りに行こう!

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