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移住成功

 コゼットは怪しまれないように少しゆっくり出発することにした。

 来た時同様に炎に乗って出発した。町を出るときに止められるか心配したが大丈夫だった。


 万一を想定してキングエクスバード方面に飛んで行き先を偽装してから、大河が見えてからは川に沿って南下した。グランレッド村に向かうのだ。


 村の空き地に着地した炎から降りたコゼットは、村長であり兄弟子であるジェリーさんに会いに行く。


 「ジェリーさん、どんな状況ですか?」


 「どんな状況ですかじゃねえよ。挨拶くらいしてけよ。ギクシャクしたじゃねえか」

 

 「そんな時間は無かったんですよ。1日くらい何とかしてくださいよ」


 「ばか!最初の印象が大事なんだよ。分かってないな」

 怒られた。仕方ないじゃないかと思うけどこれ以上は止めとこう。


 「受け入れていただきありがとうございます。少し戸惑いましたが大丈夫です」

 バーのマスターがいつの間にか来ていた。今は大きなフロアに家族毎に間仕切りして休んでいる。


 「昨日の転移はジャンさんには気付かれた気配はありませんでした。安心してください」

 マスターは安心している。やっと落ち着いたのでお互い自己紹介する。


 「シーガーです。この度は助けていただきありがとうございました」


 「コゼットです。皆さん無事でよかったです」


 とりあえず皆さんに生活環境を整えてもらうことを優先方針とした。

 話を聞いていると森の町に住んでただけあって木の扱いに長けているようだ。

 ゆくゆくはうちの木材事業を任せられないか考えよう。生活する上で収入源の確保は大切だ。


 後は任せて自宅に戻ることにした。ジェリーさんよろしくお願いします!


 ◆


 なんか自宅を出た時には思っても見なかった事態になった。

 ジャンさん自身に問題は感じないが、距離をおいた方がいいことは間違いない。


 少なくともお見合い相手としての扱いは王妃様に伝えて取り消してもらおう。

 紹介するならちゃんと信用調査くらいして欲しい。


 カランカラン


 お店を通って部屋に戻ろうとするとキーラに止められた。


 「どうでしたか?婚約決定ですか?ひょっとして婚前に盛り上がって大変なことに?」

 嬉しそうにキーラが近づいてくる。


 「いや、あの。それどころじゃなかったんですよ」

 コゼットは肩を落として、いかに大変だったかキーラに伝える。キングエスクバードで安売り店が出てくるとトラブルになりそうなことも伝えた。


 「え?もう出店されてますよ。珍しいものが安く食べられる店として評判になってますよ」


 「え?そうなの?うちの事業とすぐに競合はしないけど、競合する店は大変だと思うわ。

 所得の低い人からは支持されると思うもの。今までに無かった購買層を開拓するわね」


 とりあえず、うちの従業員は行くの禁止にしよう。酔った勢いで重要情報を漏らされたら困る。後、引き抜きには気をつけないと。終わったと思ったのに警戒は引き続き必要なようだ。関わりたくないな。



 重い気持ちを引きずって部屋に戻ると手紙が来ていた。ん?リアムさん??

 手紙なんて出しそうに無い人なんで少し驚いた。


 『キングストン中部の守護が亡くなった。魔族との戦争に備えろ』


 なんですと?下手したら中部最大の都市ハザドは今頃、火の海なんじゃないの?


 この件に比べたらジャンなんて小者じゃないか。

 とりあえず、自分に関わる人が被害を最小限でやり過ごせるよう対策を考えないと。


 騒乱はすぐそこまで迫っていた。



 第4章 END


 



 


 


 


 


 


 

 

 


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