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移住の手助け

 コゼットは移住問題で話をするためにグランレッド村を訪れた。


 「うわーーーーっ!」

 

 ジェリーさんが叫び声をあげるのでコゼットも驚いた!


 「真夜中にベッドの横で不気味に立つんじゃねえ!幽霊かお前は」

 そうか、確かに今は真夜中だ。悩み抜いた末にグランレッド村の村長であるジェリーさんと話がしたかったのだ。ただ時間帯が悪かった。


 「何だよ、目が覚めちまった。何か用か?」

 森の町インシアでの出来事、酒場のマスターから受けた依頼の話をジェリーさんにする。


 「また面倒臭い話に巻き込まれたな。聞いてる限り害になりそうな感じはしないから受け入れてもいいが、逆恨みだけは避けたいな」

 ジャンさんの部下しつこそうだったしね。


 「家は少しづつ増やすから最初は窮屈だろう。ここにいる以上は働いてもらう。必要な金は出してくれよ」


 受け入れてくれるなら何でもいい。とりあえず、できることから受け入れ準備を進めてくれることになった。真夜中にお騒がせしました。


 ◆


 今日はずっと朝からジャンさんが張り付いている。

 寝不足なんですよ、悩みすぎて。。そっとしておいて欲しかった。


 「なかなか仕事で時間が作れなくて。せっかくコゼット様が来られているに申し訳ありません」


 「いえいえ、これだけ町を開発していれば忙しいのは当たり前です。こちらこそ忙しい時に来てしまって申し訳ありません。お構いなく」

 眠くて話が頭に入ってこない。移住策も考えたいし、早く解放してくれないかな。


 「よかったら宿屋ではなくうちに滞在されませんか?話をする機会も増やせますし」


 「残念ですが、そろそろ私も戻らないといけないタイミングなんです」


 「いつお戻りですか?」


 「明日には町を出ようと考えています」

 

 「そうですか、それではこのまま夕食を当家で一緒に取りましょう」

 断れない。帰る時限も自分で首を絞めてしまった。よりにもよって明日とか言ってしまった。。


 「分かりました。ご一緒させてください」

 言っちゃったよ。どうしようかな、ヤバいよヤバいよ!


 ジャンさん家の食堂は豪華だった。さすが成功した商人って感じだ。

 食事が始まり、コゼットは先付を食べている時にふと気がついた。


 今ならアリバイがあるんで疑われないんじゃないかと。

 お手洗いを理由に席を立ち、トイレからバーのマスターのところに転移する。


 「コゼット様、今なら監視の目がありません。話ができます」

 マスターは興奮していた。


 「話は後です。1時間後、ここに移住したい人全員を集めてください。怪しまれずにですよ、できますか?」


 「分かりました。やれるだけのことはやってみます」

 それだけを約束して、ジャンの元に何気なく戻った。


 「貝が生で食べれるなんてよっぽど鮮度がいいんでしょうね」

 コゼットはこんなことを言っているが、移転が気になってさっきから料理の味はよく分からなくなっている。


 「さすがコゼット様、よくご存知ですね。限られた者しか食せない料理の1つです」

 ジャンは満足そうだ。いい質問をしたんだろう。


 メインの牛肉の料理が終わり、デザートとの合間に化粧直しと言ってもう1度トイレに立った。


 「マスター、準備はできてる?」

 コゼットはバーに転移して状況を確認する。


 「大丈夫です。ここにいる15人が希望者です」

 よし、このくらいなら受け入れ側も負担は小さいだろう。


 「みんな手を繋いで輪になって!時間が無いわよ、急いで」

 コゼットはみんなが手を繋ぎ終わると同時にグランレッド村に転移した。


 移住者は景色が突然変わってどよめいている。


 「ジェリーさんお願い!」

 コゼットは大声で叫ぶと移住者の紹介もしないでジャンの元にすぐに転移する。


 コゼットは何気ない顔で席に戻る。ちゃんと化粧直しもやった。


 席に戻るとグレープフルーツのようなデザートの味を味わった。

 今回は安心感からか、ちゃんと味がした。上手くいってホッとした。バレて無いはずだ。


 コゼットは料理を絶賛して宿屋に戻った。

 移住者には念には念を入れてこの町を出てから会いに行こう。


 難しいと思っていた移住が上手くいって満足感に浸るコゼットであった。

 



 


 

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