ギャリソン・ヒル
今日はこの世界に来た日に会った内務大臣のギャリソン・ヒルさんの招待でヒルさんと妹さん、キーラと私の4人でお茶会だ。
商業ギルドのギルド証はもう貰ったので慌てる必要は無かった。
「ご招待ありがとうございます。いまはこっちの世界に合わせてコゼットと名乗っています」
新しい名前を名乗り、キーラを紹介した。
「今日は来てくれてありがとう。楽しみしてたよ」
ヒルさんは白髪をオールバックにして白い髭を生やした50代くらいに見える姿だ。白いワイシャツにスラックスがよく似合っている。
「はじめまして。ギャリソン・ヒルの妹のアシュリー・ライトです。この街で家などを建築をしている家業の先に嫁いでいます」
アシュリーさんは40代くらいで少し丸みを感じる優しい印象を与える人だ。ラベンダー色の長い髪にブルーの瞳をしている。
「どうですかな?少しはこちらの世界を楽しんでいただいてますかな」
ヒルさんに気遣って貰えて嬉しい。
親しい人が少ないだけに人の縁は大事にしたい。
「キーラや、王妃さまといったお城の方に良くして貰っています」
最近の商業ギルドについても合わせて簡単に話をした。
答えている間に紅茶とマフィンのようなお菓子が出てきた。おいしそうだ。
「実はその事で話があるんじゃ」
ん?何か問題があるのだろうか?年齢詐称がバレたかな?
「詳しい話は私から」
アシュリーさんが事業を開始する資金を提供したいと申し入れてくれた。
話の主な内容はこんな感じだった。
・建築資材の価格が上昇している
・輸入に頼っている建築資材を内製化して安くしたい
・リサイクル品の扱いは誰もやりたがらない
・材料を集めた後のリサイクル加工はアシュリーさんのところが出来るように体制を組む
仕入れたリサイクル品を販売する先が出来た!
しかも、お金も出してくれるらしい。
素晴らしい!
お金の条件はキーラが変わって交渉してくれた。
・事業オーナーは2/3がコゼット、1/3がアシュリー
・2/3に当たる資金はコゼットにはすぐに出せないのでアシュリーさんから当面借りる
・賃貸する予定だったオフィスは新たに建替すること
もちろん、発注先はアシュリーさん
これが世に言うwinwinの関係だ。
なんかビジネスっぽくなってきた。
分からないところは勉強しよう。
事業を始める場所、オフィスを建てる場所を改めて考えることにした。やることはいくらでもあるので忙しいけれど、形になっていくようで楽しんでいる。
ヒルさん、アシュリーさん ありがとう!