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工業都市テクニーク


 工業都市ってファンタジーな世界のイメージとギャップがある感じがして、どんなところか楽しみなんだよね。


 工業都市テクニークは王都パシュパティから南西に位置する。


 ヴェクス王国の大陸には3つの大河川があり、港町グランベルンに繋がる西の河川、サボン村のある北側の河川、工業都市テクニークに繋がる西の河川である。


 コゼットは馬に乗って陸路、テクニークを目指している。王都の西側に比べて道の混み具合は落ち着いていて進みやすい。


 半日過ぎたところで大きな建物が見えてきた。全体的に赤茶色な色彩が目に見えて、煙がたくさん上がってるのが印象的だ。


 入場門でヴェクスのブレスレットを見せるとあっさり入れてくれた。毎回、緊張するのだ。


 なかに入ると真ん前に城ではなく、四角い館が1番高いところに見えた。人通りは、パシュパティより多い印象で亜人やドワーフなど半数以上が人以外で構成された町だった。


 大通りは他の街と変わらないが、道をなかに入ると工房などが並んでいた。


 「まずは恒例の酒場巡りに出発だ!」


 コゼットは、来た道を戻り目をつけていた焼き鳥屋に入った。酒類が豊富で値段が安い。最高じゃないですか。お任せ10本コースとレモン酒を頼んだ。


 まだ時間が早いのか客はまばらだった。


 「お嬢さん、見かけない顔だね」

 店の大将が話しかけてきた。カウンターの目の前の席にいるからね。


 「パシュパティから来て、いま着いたところです」

 

 「それでうちに来てくれるなんて嬉しいね。1本サービスしとくよ」

 

 「ありがとうございます!」

 ヴェクスのサービスはやっぱり凄い。


 「ここには何しに?」


 「観光です。おすすめの場所はありますか?」


 「何があるかな?無愛想な職人の町だからな」


 「急速に町が発展してると聞きました。何か要因があるんですか?」


 「良質な原料が取れるようになったことだな。ヴェクスの北東部の鉱山から鉄やアルミなどの金属が大量に出て、エスクバードの北東部から良質なゴムを安定供給してくれることで開発出来るレベルが一気に上がったって客が言ってたな」


 焼き鳥とお酒をおかわりする。


 「川を航行するジェットに力を入れてるんですよね?」


 「お嬢さん、よく知ってるな。この町は川の終着点になるだろ。昔からドラゴンボートという競技があって川で速さを競うんだ。勝った奴は町の英雄になれる名誉が与えられる。だから、この町にはその競技で勝つためだけに生きてる奴がたくさんいるんだ」


 「そんな狂った奴らがどうしたら速くなれるかを競って生まれたのがジェットだ。だから、陸に転用するとか考えねえ。頭の片隅にも無いんだ」


 なんか面白そう。見てみたいな。


 「それはいつあるんですか?」


 「本当は今月だったんだ。少し前の長雨で大きな被害を受けた人も多く、亡くなった人も多数いるなかでお祭りをやるのかって非難が強くてな。お祭りに掛ける資金があるなら救済に回せってなったんだよ」

 分からなくない、そうなるよね。

 

 その後もドラゴンボートについて話が弾み、大将におすすめの宿屋を紹介して貰って店を出た。


 久々の焼き鳥美味しゅうございました!


 

 


 

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