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ヴェクス王


 宿屋に戻ると避難したと思っていた女将さんが屋内にいた。迷惑をかけたことをお詫びして、事件は終わったことを説明した。嫌な顔ひとつされなかった。ヴェクス基準のサービス恐るべし!


 次の日の昼頃に勇者デメトリアスが宿屋を訪ねてきた。王様から呼び出しがあったみたい。断るのは逃げるみたいで嫌なので行くことにした。サボン村の代表のクリフさんも呼ばれてないけど連れて行くことにした。


 宰相殺しで地下牢行きだけは勘弁して欲しい。。


 謁見の間に入ると、玉座に年若い王が座っていた。

 たぶん未成年だと思う。


 「この度の働きは大義であった。褒美を取らす」


 なんか学校の学芸会みたいになってるけど大丈夫か?声が震えてたぞ。


 しかも、まだこちらが名乗ってもないし、今回の件についてのコメントがないんだね。色んなこと端折りすぎじゃないかと思われます。。


 これって今まではあの宰相がフォローしてたからこんな感じなのかな?


 デメトリアスには宝剣が贈られた。

 コゼットにはヴェクスのブレスレットと宝玉が贈られた。


 「宝玉をお返しする代わりに、サボン村周辺の災害に遭われた地域を支援していただくことを褒美とすることは可能でしょうか?」

 コゼットは王様をじっとみてお願いする。


 「そなたの望みを叶えよう」

 大丈夫か?即答だったぞ!なんだこの不安感は。

 後で紙に書いてもらおう。


 なんかすぐ終わっちゃったぞ。いいのか?



 国王の印が入った証明をクリフさんに手渡した。


 「ここからがやっとスタートだと思います。大変な道でしょうけど、いつでも助けになるので無理はされませんように」

 クリフさんは嬉し涙で声が出ないようだ。

 背中を摩って別れを告げた。


 「デメトリアスさん、クインシーって奴知ってますか?」


 「ん?北西部を代表する豪農と同じ名前だな」

 ここに来た時の料理屋の話をした。


 「罪を擦りつけてでも、今回首を取ることをオススメします。宰相マクスウェルの話も何か分かるかもしれませんよ」

 実際に動くかどうかは分からないが忠告はした。


 「これからどうするつもりだ?」

 

 「南西にある工業都市テクニークを訪ねようと思います」


 「今回は色々と世話になった。コゼット嬢の助けがなかったら死んでいたな。力が必要になったら駆けつけるので、いつでも呼んで欲しい」

 デメトリアスと握手して彼とも別れた。


 港町グランベルンで借りた馬はもう暫く借りよう。

 元々は王都を見たらまっすぐグランベルンに帰るつもりだったけど、工業都市が気になるんだよね。



 コゼットは翌朝、工業都市テクニークに向けて出発した。

 

 

 


 



 

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