キルフェの病
キングストン王国の北の港町キルフェに着いた。
コゼットはキングストン王国のブレスレットを見せるとすんなりと入れた。良かった!
町の雰囲気が重い。天気が曇ってるせいかな?
恒例の酒場訪問に行こうと思ったけど、店が閉まっている。過疎でつぶれた?まさか。
仕方ないので、1番良さそうな宿屋に入る。
「1人ですがいいですか?出来れば食事もお願いしたいんですが」
「いらっしゃい、空いてるよ。夕食からでいいかい?」
愛想のいい女将さんだ。
「はい、お願いします。ところで町の店が随分閉まってるように見えたんですが、たまたまですか?」
コゼットはさっき気になったことを聞いてみる。
「原因は分からないんだけど、体調を崩す人が増えててね。困ってるんだよ」
それでか、沈んだ雰囲気だと思ったんだよね。
部屋に入ってこの後どうしようか考える。
そうだ、夕食までまだ時間はあるから、この町にある寺院に行ってみよう。
女将さんに場所を聞いて歩いていく。
意外に簡単に見つかった!
扉を開けると悪臭がする。
礼拝所に人がたくさん並べられているのが見える。
治療者と亡くなった人が混在している。
「すみません、ここの責任者の方はどなたですか?」
たまたま同じタイミングで寺院に来た人に聞いてみる。
「あそこで治療しているサラだよ。可哀想にずっとああやって働き詰めなんだ」
奥を指差して教えてくれた。
「サラさん、助けに来ました。少し時間を取って下さい」
反応がない。コゼットは多少強引な方がいいと感じたので、サラさんを抱えて外に連れ出した。
「この指輪ご存知ですか?賢者の指輪と言います。これがご縁で王都オベリスクでアネット様と知り合いました。今では助け合う仲です。私がサラ様に何か出来ることはありますか?」
「賢者様ですか。私は無力でこれ以上はもう支えることが出来ません。どうか助けてください」
サラさん、精神的にいっぱいいっぱいだ。
「なかには仲間は何人いますか?」
「残念ですが私だけです。仲間は倒れてしまいました」
最悪だ。一刻の猶予もない。
サラさんを抱いて、時空の腕輪の力を解放する。
行先 アネットさん
光の輪が発生すると、一瞬で大寺院の礼拝所に飛べた。
「アネットさん!」
遠くに見えたアネットさんに叫ぶ
「まあ賢者様、それにキルフェのサラよね」
別れの挨拶をしたばかりだから、違和感があるだろうけど仕方がない。駆け寄ってくれたアネットさんに事情を説明する。人が欲しいと。
「分かりました。すぐに5人用意します。リーダーはローズ頼むわね」
同じくらいの年の子だ。とりあえず状況を見てもらいたい。
すぐに用意を整えてくれたので、6人で円になり手を繋ぐ。
時空の腕輪の力を解放する。
行先 キルフェの寺院
光の輪が終息して、無事に着いた!
5人は驚いているが、説明してる暇は無いので仕事に取り掛かって貰う。
コゼットは宿屋に戻り5人分の部屋を追加で確保した。
戻ってみると、テキパキとローズさんが指示を出している。じゃ、私は原因究明をしよう。
患者に賢者の指輪の力を使い治療をしてみる。
うん、体調不良の原因は除けた。
でも、発生理由が分からない。分かる?
【サンプルがあと10人は欲しいです】
よし、とりあえず片っ端から治していく。よくこんな狭い場所にこんなたくさんの人が入っている。
10人やったよ?
【毒が検出されました。井戸を調べることをおすすめします】
貝とかじゃないんだ?
この町の知り合いは女将さんしかいない。
相談すると、町の男衆を集めてくれてすべての井戸からサンプルが貰えた。
ここからは嫌だけど、私が1つずつ舐めて分析していくしかない。
【分析の結果、海側の3つの井戸で陽性です】
患者もこの井戸の利用者で被害が多いと思うんだけど。
「みなさん、海側の3つの井戸を使ってる人に多く被害が出てると思うので調べてください」
男衆のマンパワーに頼るしかない。分析結果なんて言っても信用してもらえない。
調べて貰った結果、想定した結果が出た。
男衆からキルフェの町長に伝えて貰って、井戸を封鎖して様子を見ることになった。
寺院の方はローズが清潔に整頓してくれていて、治療も半分くらい済んでいたので、残りをみんなで分担して治療した。
原因は除けたが体力が戻るまではまだ時間がかかりそうだ。完全に治せるが後でサラさんの負担になってもダメなのでやり過ぎないよう注意して対応した。
ローズと協議したら、アネットさんに報告したいというので戻って報告を済ませて、すぐキルフェに来た。当分、5人体制で様子を見ることになった。
2人当直に残して宿屋に戻った。
なんか大変な日だったけど、原因が分かって良かった。




