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オベリスク出発


 ジミーは地頭がいい。


 1日みっちり、リンク商会の事業戦略や個別の製品などについて、絵を描きながら分かりやすい言葉で説明し、質問がある都度、丁寧に回答するレッスンをしたら、ちゃんと理解してくれた。


 キングホーンの競走会には驚いてたけど。新しい製品だし、種類も色々なので混乱してもおかしくないのだ。


 定期的に手紙で情報交換することにした。

 ジミーは不安そうにしてたが、今までとやることは特に変わらない。


 緊急事態は無さそうだが、あれば炎で来よう。



 「もう去るのか、生き急いではならんぞ」

 国王様はこう言われるが、なんだかんだで1ヶ月くらいはいたはずだ。


 「ワシの紹介した者とは会えたか?」


 「商業ギルド長と寺院の長であるアネット様にお会いしました。ありがとうございました」

 ギルド長、最初に言っといたよ。


 「劇場長は来なかったか?」


 「代理でおかしなのが来たので追い返しました」

 

 「劇場長は気分屋じゃからのう。興が乗れば面白い話がたくさん聞けるんじゃが仕方ない。予算削減して反省させてやるわ」


 「我が国の勇者殿は来たか?」


 「いえ、別に勇者がいるんですか?」


 「勇者はエスクバードだけのものではないからな。

 当然、キングストン王国にもおる。会いには行かなんだみたいじゃが」

 まあ、私も知らない人に会いには行かないかもしれない。


 「またどこかで会えるだろう。機会はいくらでもある。この後はどうするつもりじゃ?」


 「北の港町キルフェに陸路で向かいます」


 「そうか、まだこの季節なら問題あるまい。良いところぞ」


 「そうだ、選別をやろうと思っておったのだ。ワシ個人としての所有物である"時空の腕輪"じゃ。ワシの葬儀にはちゃんと出てくれよ」

 

「縁起でもないことは言わないで下さい。また会いにきますから」


 なんか寂しくなるじゃないですか。


 別れの言葉は尽きないが退出した。

 部屋に戻ってターナーさんとカルラともお別れの挨拶をした。この街では多くの人とご縁があったのだ。



 コゼットは北の港町キルフェに向かって馬車に乗っている。乗客はたまたま1人だったので、寝て過ごしている。


 そういや、時空の腕輪を鑑定してなかった。

 鑑定眼起動!


 時空の腕輪 本物・時価(値付け不能)


 すごい品だな。一度行った先には行けるらしい。

 今回の旅で行けるところがたくさん増えた。

 ありがたい。


 数日揺られているとキルフェが見えてきた。

 こじんまりとした、白壁と緑の尖った屋根で統一された町が見える。


 とうとうキングストン王国の最北端まで来た。南北縦断の旅の終着点だ。


 どんなところか楽しみだ。

 

 


 


 

 

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