オベリスクの商業ギルド長
寺院で癒しのボランティアをしている。賢者の指輪の力を引き出す練習にもなるし、一石二鳥だ。
蘇生出来たときはドン引きされたけど。。
◆
ジミーと商業ギルドに来ている。
ギルド長と面会するためだ。
「遅くなってすまない。立て込んでいてね」
会議室にギルド長が入ってきた。
60代くらいの特徴のない中肉中背の黒髪のおじさんだ。
「こちらこそ、お忙しいところ申し訳ありません。
コンディ商会の変更申請の件、よろしくお願いします」
お互い手短に挨拶をした。ジミーが経営していたコンディ商会をリンク商会に変更する申請だ。
「うん、失礼だけどリンク商会を調べたけど、エスクバード王国のトップ商会だと知らなかったよ。
新進気鋭の若い女性が新しい事業を何本も短期間に成功させているとか。素晴らしいね」
言葉とは裏腹に警戒しているのが分かる。
「見てのとおりの若輩者。オベリスクの商圏を荒らそうなどとはまったく考えておりません。主な目的はあくまで香辛料の輸入です」
コゼットはなるべく刺激しないように言葉を選ぶ。
「そうかい?じゃあなんで販売目的を変える必要があるんだい?小さい商会をこっそり乗っ取って、後でまったく違う目的の商会を運営する狙いを感じるんだけど」
くそ!この無個性のおっさん頭は切れる。
「当商会が扱う建材はほとんどが再利用品です。捨てられるはずだった物を再利用し、新しい技術で付加価値をつけた製品で既存の製品との競合はしていません」
「例えば、ここオベリスクでは寒い冬に温かさを提供できる商品を持ち合わせております。建物の壁や床に入れる断熱材や新しい窓ガラスによる防音・断熱などは見る限り、今のオベリスクにはありません」
「先々の可能性として、販売する可能性のある商品を取扱いできるよう変更が必要なタイミングに合わせて申請しています。これほど透明性の高い対応は無いと考えております」
「商業ギルドとしては既得権益が脅かされるが、市民としては歓迎したい商会ってことかな?」
独言のように言って考え始めた。大人しくしよう。
「分かった、承認しよう。最近は年々冬の寒さが厳しくなってきている。新しい技術を国外からもたらすことで固定化した市場を改革するのもいいのかもしれない」
承認される流れは歓迎だが、大規模に参入するつもりはない。
「ありがとうございます。念のため、申し上げますが先程申し上げた製品はエスクバードでさえ、少量高価格帯の製品です。すぐには先程お伝えした製品を出せませんのでご了承ください」
「進め方はまた考えればいい。隠れた良い製品があることが分かっただけでも収穫だよ」
このおっさん、話をちゃんと聞いてるか心配になるな。
要件が終わったので立ち上がって部屋を出ようとしたら、話しかけられた。
「国王様に会うことがあったら、ちゃんと面会したってくれぐれも伝えといてね」
おー、この無個性親父が国王様推し3号か!
どうりで頭が切れると思った。
面会が1回で終わったなら、こちらとしても文句はない。
面会後、ジミーが聞いてない話ばっかりだったからちゃんと教えろとうるさい。
ちゃんと時間を取って話する約束をさせられた。
ジミーにはちゃんと説明しよう。




