ワルサール2世
今日は王様との面談の日だ。いつもの姿でいいと言っているのに早起きさせられてカルラを筆頭に飾りつけしてくれている。されるがままだ。
「まあ、なんてお綺麗なんでしょう」
完成したかな?カルラってそんなこと言う人だっけ?ジト目で返す。
「ありがとう。貴族じゃないからこういうのは苦手なのよ」
私は庶民なんですよ、庶民。
自画自賛している皆さんの相手をしていたら、ターナーさんに呼ばれた。
入った部屋は小さな応接室だった。いや?私室かな?
「よく来てくれたコゼット嬢。ワシが国王のワルサール2世だ」
中部の守護くらいお爺さんだ。カッコはまさしく国王だ。威厳がハンパじゃない。
「エスクバード王国に所属しておりますコゼットと申します。拝謁の機会をいただきありがとうございます」
「うむ。聞いていたより随分若いな」
褒められちゃった!んだよね?
「中部の守護は元気にしていたか?」
「はい。少しお痩せになられてましたが元気にされていました」
「奴とは盟友でな。南部が先に逝きおったから残るはどっちが最後になるか競争をしておる。もう随分と会ってはおらぬがな」
笑っておられるので冗談だろうけど笑うべきか!
「賢者の指輪を奴から受け継いだらしいな」
「はい。バカ兄弟の仲裁に意図せず助力したところ褒美にいただきました」
「バカ兄弟か、確かにな。奴ほどの子供がなぜああなるのかこの世は不思議に溢れておる」
「賢者の指輪はな、指輪そのものが人を選ぶ。力が強大なあまり故じゃ。装備できたのなら指輪に気にいられたのであろう。この先、どのような困難に出会うかは分からぬが、出来ることは手助けしよう」
言葉はありがたいが何かのフラグか?
「この世には4つの特別な力を持つ指輪があるとされている。豪力の指輪、賢者の指輪、はやぶさの指輪、堅牢の指輪の4つじゃ」
豪力の指輪は勇者リアムが持っている。
旅の途中で仲間を探すのも良いかもしれん。
「ちなみにワシが堅牢の指輪を持っておる」
あとは、はやぶさの指輪だけってことか。
「魔王が新たに誕生した場合、あとは魔族の元に行ってしまった希代の力を持つ哀れな勇者が暴走した時は指輪の力を持つ者たちがその使命により、全力で止めねばならぬ。良いな」
ん?初めて聞いたぞ。なんかとんでもない指輪を貰っちゃったかも。話が重いので話題を変えたい。。
「あ、あとライシャの皿の件はどうなりますでしょうか?」
コゼットは忘れないうちに聞いてみる。
「そなたの申し出を受け入れる。あれは貴重な物だ。細かいことはターナーとやってくれ」
「分かりました。ありがとうございます」
「あと、其方に力となってくれそうな者を引き合わせてやろう。ワシからの紹介で尋ねて来た者には会ってみるが良い。しばらくこの城に逗留するのだ、良いな」
「ありがとうございます。お世話になります」
「ここにはまだ滞在しても構わんのだろう?また会おう」
再開を約束して部屋を出た。
◆
その日の夕方、早速尋ね人がやって来た。
「やあ、マイハニー!初めまして、君のフィアンセのシャノンだよ」
ああ、白いタイツが似合いそうな緋色の髪で細身な青年がキラキラした背景とともにやって来た。
王様、実はぼけてるのだろうか?ぶっ殺しに行っても許されるよね、これは。




