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南部最大の都市 アメーヨ


 港町カレーヨを出て5日が経過した。

 進路を北に取り、徒歩で途中の小さな町に寄りながらキングストン王国の南部最大の町アメーヨに向かって来たが、丘の上からその町が見えた。


 大河に沿って作られた町は高い城壁に守られ、白壁と鮮やかな青い屋根で色が統一された巨大な町だ。

晴れた空との一体感が凄く絵になる印象だ。


 城門では、前回の反省を活かして並ばずに衛兵に声を掛けて勇者の印を見せて説明すると控え室に案内された。


 「あれ?通りたいだけなんだけど何か問題でもあった?」

 コゼットは目の前の見張りに声を掛けるも返事が返って来ない。


 すると、部屋の外から3人の役人が入ってきた。

「エスクバードの勇者でコゼット様の名前を伺ったのが今回初めてで少々手続きが必要です」

 「つきましては、不躾ですがこのような若いお嬢様が本当に勇者なのか確認の場を持たせていただきます」

 「痛いのがお嫌いなら早めに間違いを認めるのも必要かもしれません」

 なんだこいつら3人で説明してくる。しゃべり方が気持ち悪い。


 「いいけど、手加減が出来ない。抜いたら殺すけどそれが理由で牢屋とかは勘弁して欲しい」

 そう、正義の剣は抜いたら確実に殺すのだ。


 「ええ、そうでしょうとも真の勇者であればですが」

 どうやら、はったりと思われたようだ。


 城外の広い草原に連行された。

 結構な数の野次馬が取り囲んでいる。


 「こちらは我がアメーヨの冒険者ギルドでいま1番人気実力共に認められているエイヴィ様だ」


エイヴィは確かに強そうだ。正統派の騎士スタイルだ。兜から見える青い目からは敵意を感じる。


 「エイヴィさん、抜けば手加減が出来ず殺してしまう。引いて欲しい」

 コゼットは無駄な殺生やトラブルは望んでいない。


 「憧れの勇者を騙るくそ女の戯言は聞かぬ。実力を示せ」

 エイヴィの戦意は高まっている。


 「周りの奴らもあと腐れは無しだからな。本人が望んで切られるんだ。ここにいる全員が証人だ、いいな」

 コゼットが大きな声で叫ぶとエイヴィが動いた。

 鋭い突きを放つのが見える。


 殺意を感じた正義の剣が収納袋から出てきてコゼットの手に収まる。


 両手で剣を持つと鞘も抜かずに、エイヴィを袈裟斬りに1撃で仕留めた。

 刃で切った綺麗なキレ筋ではなく、肉を押しつぶして引きちぎった暴力的な恐怖を与える光景だ。


 外野は静まり返っている。予想外なんだろう。



 「次は誰だ?お前か?」

 コゼットは冷えた声で言い放ち、3人組に剣先を向ける。


 「・・・さすが勇者様、我らキングストン王国南部の者はあなたを歓迎いたします」

 揉み手で3人が声を震わせて応じる。ガクガク震えている。


 「歓迎はいま十分に受けている、手荒いけどね。

 この落とし前どうつけるつもりかな?ここにいる全員の命かな?」

 コゼットは更に追い込む。


 「私が守護様に取り継ぎましょう。こちらの非礼をお詫び致します」

 騎士かな?外野から1人の青年が出てきた。


 「私はアメーヨを拠点に商いをしておりますエリックと申します。取り継ぎの間、我が商会が保有する宿屋でおもてなしをさせて下さい」


 肩幅が広くてガタイがいい。本当に商人か?

 茶色の髪を片方に流した短髪の青い瞳の青年だ。


 「ああ、助かるよ」

 コゼットは助け舟に乗り、手仕舞いした。


 まさか、こんなことになるとわ。

 早く普通にセキュリティを突破できるようになりたい。。


 

 


 

 


 

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