18才の決意
私は今、フェリーの甲板でくつろいでいる。
黒のビキニにサングラスをかけてトロピカルフルーツを飲んで旅を満喫中だ。プールが眩しい。
私は早くも18才になった。
ここに来た時よりも身長は伸びたし、黒髪も腰までのびた。出るところも出てきたと思う。
現在、フェリーはキングエスクバードからキングストン王国南部の港町カレーヨに向かっている。
視野を広げるために旅に出ることにしたのだ。
まだ私は世界を知らない。こんなとこで天狗になっている場合ではない。
エスクバード王国では気づいたら1番大きな商会になっていた。樹脂製品や糸の開発、キングホーンの競走会がそれぞれヒットしたのだ。
お金だけなら生きてる間に使いきれないくらいある。でも、満足できない。
15才の時の成人式を街のみんなに祝って貰った記憶があるからだ。みんなの期待にこれからも答えたいのだ。
そのためには視野をもっと広げる必要がある。
リスクを嗅ぎ取る嗅覚を身につけて、かつより豊かな生活を送るための知恵を磨く必要がある。武術もこの3年学んだ。もう何も出来ない小娘ではない。
事業はキーラに任せた。1番私の考えを理解してくれる人材だ。アルバートと結婚したばかりで大変かもしれないが頑張って貰うしかない。すみませぬ。
「よう姉ちゃん、暇そうだな。相手しろよ」
いかつい、おっさんが話掛けて来た。
無視である。興味がない以前に口が臭そうだ。
「おい、舐めてるのか」
無視である。以下同文。
手を出してきたので、逆手に取って関節を決めて側頭部を踏んで抑え込む。
「ようおっさん、弱そうだな。相手も出来ないか」
溝落ちを蹴って失神させる。プールの請求書をポケットにねじ込んだ。
港町カレーヨまでは距離が短い。
部屋に帰って降りる準備をしよう。
どうせなら魔王でも襲って来たら退屈しのぎになるのに。不遜なことを考えながら旅の第一歩を踏み出すのであった。




