表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/187

感謝


 現在、極秘ミッションであるオペレーションOKSを発動中である。読者の方も声を殺して読んで欲しい。


 窓から見る大通りはいつも通りの賑わいだ。

 こちらへの見張りも見当たらない。

 順調すぎるほど順調だ。


 「コゼット様、何してるんですか?」

 キーラがコゼットの怪しい行動を指摘する。


 「王妃様は何か言ってた?」


 「仕方ないと肩を落とされてましたよ、ちょっとかわいそうでした」


 派手な成人式を避けるために勇者リアムの依頼で国外に援護に行ってることにしたのだ。


 そうこれは王妃様に隠れて成人式をやる、略してOKSである。王妃様には悪いが身内で小さく祝って貰いたい。

 

 身内も騙して限られた人だけが知っている状況だ。

 心配したがそのまま、何も無く無事夕暮れ時になった。


 誕生日兼成人式の始まりだ。コゼットは15才になった。これでお酒も飲める。


 出席者はキーラ、トーマス、ルーカス、アルバート、ウェイドの5人にコゼットだ。


 キーラの挨拶に始まり、アルバートの食事会となった。誕生日プレゼントはいないことがバレないよう用意しないように徹底した。


 お品書きを見ると私の好きなものばかりだ。凄く嬉しい。初めてお酒も飲んだ。甘めの飲みやすいワインで美味しかった。量は少な目にされた。私は暴れたりしない、きっと。


 普段と違いお店仕様なので、高級な食器や料理の感じも洗練されているのでみんな驚いたり、いつもこれでなんてリクエストがされて賑やかな食事の場になっている。


 ああ、ここにいるみんなと頑張って来たんだと思うと感謝の気持ちで一杯になる。感極まり勝手に立って挨拶を始める。


 「みんな本当にいつもありがとう。みんなが一緒にいてくれたのでここまでこれました。木材の再利用大変でしたねトーマス、料理が凄く美味しくなったわアルバート、キングホーンの件では苦労をかけるわねルーカス、いつも気持ちの良い環境を作ってくれてありがとうウェイド、そしてキーラあなたの献身に心から感謝しています」


 「私たちはまだ道半ばです。これからもたくさんの困難に合うでしょう。私は今日の日の感謝の気持ちを原点に頑張っていきます。どうか今後も私を支えて下さい。私も皆さんを支えられる存在になれるよう努力していくことをここに誓います」


 話し終わると小さい拍手とすすり泣く声が響いた。

 なんか心が一つになったようで嬉しい。

 キーラが化粧室に出たのが見える。


 各自と話をしていると慌ててキーラが部屋に戻ってきた。


 「コゼット様、外を見てください」

 ん?王妃様の笑顔がフラッシュバックした。

 あ、オペレーションOKSを忘れてた、ヤバイかも。


 3階の自分の部屋にゆっくり上がる。

 外を見ると蝋燭の火を持った人がたくさんいた。


 「勇者様、おめでとうございます」

 「リンク商会いつもありがとう」

 「いつも守ってくれてありがとう」


 口々に感謝の声が響いている。

 コゼットは涙が自然と溢れる。涙で濡れた目にはぼやけた蝋燭の火で一杯の景色が綺麗に見えた。


 私はバカだ。自分のことだけを考えていた。

 最近までゴミと呼ばれていたのだ。

 こんなことになるなんて想像も出来なかった。


 たくさんの人が蝋燭を振って祝ってくれている。

 

 両手でスカートを握りしめてただ泣いた。

 こんなに祝って貰えて嬉しかった。

 もう、みんなに祝って貰うことに躊躇いは無かった。


 1階にゆっくり降りて玄関を開けた。


 「いま、帰りました」

 涙でぐちゃぐちゃになった精一杯の笑顔で答えた。


 すぐに揉みくちゃにされてその後の記憶は余りない。


 みんなに祝って貰えて、存在を認めて貰えてただただ嬉しい夜になった。


みんなありがとう、そしてごめんなさい。


第2章 END


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ