キーラが不審です
最近キーラがおかしい。
以前よりご飯を食べる量が減っている。今まで頻繁に出かけることは無かったのに、夜になるとどこかに出かける頻度が増えた。心配である。
妙齢の女性に理由を聞くのは野暮である。
しかし、同じ家に住む同性として変な虫が着くのを防止する義務があると思っている。
今日こそは行き先を突き止める!
キーラが出かける用意を始めたので、先に外に出て
死角に隠れることにする。
キーラが出てきて、大通りを南下し出した。
相手は庶民派か?
少し離れて追跡する。なんか見てはいけないものを見るようでドキドキしてきた。
少し歩くと中くらいの道をくねくね進む。
迷う感じはないので行き慣れているのだろう。
気づくのが遅かったか心配になってくる。
「コゼットさんじゃないかい。こんな時間に何をしてるんだい?」
八百屋のお上さんだ。気づかれたか?
キーラの方を見るが振り返った感じは無い。
セーフ!ビックリさせないでよ、お上さん。
「考えをまとめる時によく散歩をしておりまして」
よくも嘘がスラスラと出るものだと自分不信になりそうだ。
「あんまり遅くまで出歩くんじゃないよ。
この辺は治安が良いとは言えないエリアだからね」
お上さん、ありがとう。素直に忠告は受け取るべきだ。
やばい!キーラを見失なった。
駆け足で最後に見たところへ行く。
いた。遠いけど姿はみつけた。
でも、それ以上真っ直ぐ進むとピンク街だ。
キーラだめだよ、自分は大事にしないと。
慌てて追いかけるも直前で左折した。
はやとちりだった、良かった。
そうこうしていると、1軒のお店に入って行った。
店の前まで来ると庶民街なのに高そうなレストランといった感じだ。店先には本日貸切の表示がある。
場所は突き止めたが、なかで何がされているか気になって仕方がないが、強行突破以外知る方法は無い。
どうしよう。今日はこのままにするか、強行突破するか。そうだ、貸切の表示が見えなかったフリをしよう。これはあり得るパターンだ。ここまで来て知らずに帰って寝れる自信はない。全ては私の健全な睡眠のためだ。
覚悟を決めてドアを開ける。
押し戸を開くとオシャレなバーと食卓が見えた。
でも、キーラがいない。ここを通り抜けてまかれた?忍者じゃあるまいし。
「あの、キーラは来てませんか?」
不思議そうなウェイターが近づいてきて、大声でキーラを呼んでくれた。
奥から出て来たキーラとアルバートの顔が見えた。
え?2人ってそういう関係なの?
2人とも驚いている。
「コゼット様はここに何しに?」
キーラをつけてましたとは言えない。
「たまたま店の前を通って、気になったからはいってみたの」
「ここは成人になった者が来るところです。しかも、遅い時間に一人で出歩くのは見逃せません」
しまった、キーラを怒らせてしまった。ヤバイ!
「せっかくですし、コゼット様も試食の感想を聞かせてください」
アルバートが厨房に入るよう進めてくる。
へ?ひょっとして商品開発だったの?紛らわしい。
試食品は家での食事以上に手間がかかっている。
見た目に気を使っているのがよく分かる。
味もいい。
「素晴らしいわ。見た目、香り、デザインどれをとっても神経を使ってるのが伝わってくるわ」
絶賛である。
「ここまで出来たのはキーラのおかげなんです。
気づいたことを教えてくれて磨いてきました」
ああ、なんだ。ただの勘違いか。心配して損した。
試食を何点かして早々に家に帰った。
見送る2人が手を繋いで見送っているのを気づかずに。




