宝石商
朝からドラゴンキラー改め、正義の剣をコゼットは磨いていた。命を助けられた訳だし、感謝の気持ちを表そうと思ったのだ。
カランカラン
「この宝石を鑑定して欲しい」
白髪のお爺さんが赤い宝石を出している。
「はい、ただいま」
コゼットは鑑定眼で確認する。
本物・宝石 金貨1枚
しっかりルーペでも確認する。
鑑定しながらコゼットは悩んでいた。
宝石の持ち込みが意外に多いのだ。今のところ買取しても在庫になるだけで再活用が出来ていない。
買取った分、お金が出て行くので、売る方法を考えないとお金に換金出来ない。
「ねえ、ルーカス。買い取った宝石を売るにはどうしたらいいと思う?」
「そうですね。買取店での再販や別に国内外に専用店舗を設置しての販売とか、オークション会場を設けるなんてのもありですね。後は海外のバイヤーを招いた展示会で一括販売などもいいと思います」
買取店での再販しか思いつかなかったよ。
さすがルーカス!
「キーラはどう思う?」
「私はまずは新たにお金をなるべくかけずに売れたらいいなと思います。やってみた結果、投資をした方が儲かるなら後から考えてもいいと思います」
キーラらしい、しっかり者の回答だ。
「俺、宝石の買付をしてる商人なら知り合いがいます」
アルバートに知り合いがいるみたいなので、後日会って色々教えて貰うことにした。
◆
コゼットはアルバートと宝石の買付をしている商人を訪ねて歩いている。
街の上流階級区画をどんどん上に向かっている。
あの?相手は王様なんてオチはないよね。
しばらく進むと止まった。
なかは見えないが、高級そうな店なのは分かる。
アルバートが入るのについて入ると宝石商だった。
彩りの指輪やネックレスが展示されている。
「こちらが商会長のマッシモさんです」
アルバートは続いてコゼットを商会した。
知ってる。先日、商業ギルドでレストランやりたいって言ってた人だ。うわ、なんか恥ずかしい。
マッシモさんはスマートな茶色の天然パーマの紳士だ。
「コゼット商会長は宝石も扱ってましたか」
「はい。。マッシモ商会長が宝石商とは知らず失礼しました」
この間の経緯をアルバートに話したら驚かれた。
「宝石の買取先を探しておられるとか?」
「はい。買取後の販売ルートを作れないか考えています」
「良かったら、家で引き取りますよ。
今、売りに出されているこの地域のニーズも把握出来て助かります」
宝石には産地毎に出る石の傾向があり、国外から買うとどうしても高くなるみたい。
うちで仕入れたものを再加工すれば低コストで良い品を提供できる。
サンプルで持って来た宝石の買取価格を聞いても利益は十分出ている。
まとめて買って貰う代わりに少し安く販売することで大まかな話が決まった。
ありがとう!アルバート!
「ところで料理屋の件を改めて考え直して貰えませんか?お節介かもしれませんがアルバートにお店を持たせてやりたいのですよ」
「アルバートに?」
確か料理人になりたいと出会った頃に言っていた。
「先日、彼が久々に訪ねてきてくれまして、夕食を振る舞ってくれたのですよ。それは珍しい美味しい料理が並びまして感動しました。料理屋を出すことで成功してくれることを願っているのです」
「マッシモさん・・・」
アルバートは複雑な顔をしている。
「分かりました。その件は改めて話し合いしましょう」
コゼットはそう言って店を出た。
本人がやりたいなら応援したい。
アルバートの美味しい料理が食べられなくなるのは残念だけど。




