王妃様が来た
さあ、王妃様とのお茶会の時間だ。店は敢えて開けてある。コゼットたちは出迎えで店先に並んでいる。
店は王都の中心を走る大通りに面している。
街は大きく分けると3つのブロックに上から分かれていて、2つ目と3つ目の境くらいに位置している。
庶民で構成されるエリアなので、王妃様の馬車が止まるのは滅多にないので目立つ。
約束の時間ちょうどに来た。
うちの前に馬車が止まると周りがざわざわしている。想定の範囲内なので、馬車には王妃様が降りたら店先で待たずに城に一旦、戻って貰う。
「本日はお越し頂き恐縮でございます。精一杯、努めてさせて頂きます」
コゼットは王妃様に出迎えの挨拶をする。
「ええ、楽しみにして来ましたわ」
今日は白いドレス姿だ。凄く似合っている。
本日は無理を言ってお1人の案内にしてもらった。
「まず、外観ですが全体として白壁に大きなガラス張りのモダンな建物になっています」
これが出来たのはガラス事件のおかげだ。
「入口は向かって左側が商品の搬入口で、中央が住居からの直通の玄関になり、右側は商品の買取などを行う店舗の入口になります」
「まあ、この大きさで3つもあるのね」
「はい。そして、中央の玄関の前の格子状のデザインがアクセントになり、評判をいただいてます」
「確かに見たこと無いデザインね。皆さんが噂するのはよく分かるわ」
「それでは左側の搬入口からご案内します」
「ここは従業員だけしか普段は入りません。木材やガラスなどの製品は地下で作っていて、ここから出荷します」
「作っているところも見ていただきたかったのですが、ガラス製品が始まったばかりで職人の手が取られていまして、案内できる状況では無いので本日は割愛いたします」
王妃様を見るとうなずいているので、問題なさそうだ。
「次に右側の買取の店舗を案内します。明るい木の色を意識して使っておりまして、間仕切りの無い広い空間としました。ちなみに入口に飾ってあるのが勇者リアムから購入しましたドラゴンキラーという銘の剣になります」
「解放感があって明るいから、こっそり何かを売りに来る場所には見えないわね」
なんかそんなイメージはある。お客には堂々と来て欲しいのでまだまだ改善が必要だ。
このまま2階に案内した。
「このフロアは応接室や会議室と炊事場があります。全体的に柔らかい木の印象を意識したリラックスできる空間にしました」
「応接室もありますが、本日は会議室を使います」
「10人が使える長机で、掘りごたつの形式にしてあります。足元に冷温の魔石を埋めてあり、気温に合わせて利用します」
「初めて見る机の形式だわ。面白いアイデアね」
「ありがとうございます。それではお茶会を始めさせていただきます」
お茶とお茶菓子が出される。
「初めて見るお菓子だわ。お茶も色が鮮やかね」
好印象だ!良かった。
「元にいた世界にある料理をベースに、うちの料理人とこの世界の食材と味に合うようアレンジしております」
「この食感とツルッと入るのどごしは素晴らしいわね。あと、少し苦いお茶が良く合うわ」
アルバート褒めて貰ったよ!頑張って良かったね。
その後は、従業員を1人ずつ紹介して話しているとあっという間に時間は過ぎた。話題を考えなくていいのは楽でいいなと思った。
「楽しい時間はすぐに終わりますわね。また呼んでくださいね。絶対ですわよ」
「もちろんです」
手土産をさりげなく渡して本日のお茶会は終了した。何ごとも無く終わって安心した。
さあ、この後はみんなを慰労するために料理屋に行って打ち上げを楽しむぞ!
1番楽しみにしてるのは私かも知れないが。




