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目覚め

 目が覚めるとグレーの床に魔法陣が描かれたレンガの小部屋に横たわっていた。昨日着たパジャマ姿のままだった。


 “夢じゃないの?“ 陽葵は頬をペチペチ叩いてみるが違うようだ。仕方がないので外に出てここがどこか確認することにした。


 小部屋には鉄の扉があり、出口はここしか無いので押したり引いたりしたが開かない。


 ガンガンガン


 仕方ないので扉を叩いてみる。

 扉の向こうで「うぉっ」って声がして、すごく驚いている男の人の声が聞こえる。


 ギギギーッ


 しばらく待つと鈍い音をしてドアが開いた。

 ドアを開けた人は素早く後ろに飛び退き、その後ろにいた衛兵のような人が3人ほど剣を持ってこちらを警戒している。


 陽葵はびっくりして、すぐに手をあげて敵対行為をする意思が無いことを示す。

 

 「な、何者だ?」

 ドアを開けた人が恐る恐る聞いてくる。


 「あ、怪しい者じゃないです。気が付いたらここにいまして。。ここどこですか?」


 「おい、変な奴がいるぞ。上官に至急連絡してくれ!」


 勢いよくドアを閉められたので、仕方なくレンガの小部屋の壁を触ったりして時間潰しをしていた。


 別にレンガに興味はない。ただただ暇なのだ。それにいてもいつになったら話を聞いてくれるのだろう。不安しかない。


 ようやく来た人は身分がさっきの人より高そうで別の部屋に案内するといって先導してくれる。


 案内してくれた部屋は、8人掛けくらいのテーブルがある広い部屋だった。


 向かいに先導してくれたおじさんがいて、その隣にドアを開けた若い人がいる。


 残りの人は彼らの後ろ側で壁際に立ってこっちを見ている。なんか怖い。


 「まずは名前を教えてもらえますか?」


 「天ヶ瀬陽葵です。夢の中で異世界転移の話をして目覚めたらここにいたんです。本当です」


 怪しい者では無いアピールをしてみたが2人の表情は変わらない。


 「違う世界にいたのに言葉は分かるんですね。どうなってるんじゃろな?実は勇者ですとか、魔王がこれから復活するとか、この世は滅びに瀕しているとかは?」


 「知りません。私には何の力も無いので逆に何も出来ません」


 力が無いと放り出される漫画があったような。先走っちゃったかな。私には眠れる力がとか言った方が良かったかなとちょっと後悔する。


 「そうか。通路の無い部屋からいきなり、人が出てきて警戒しておったのじゃよ」

 年長の品の良さそうなおじさんの表情が柔らかくなった。


 「私の名前はギャリソン・ヒル。この国の内務大臣をしております。最終的には王にお会いいただいての判断にはなりますが、我が国でゆっくりお過ごしください」


 「あなたは無害そうだ。微力ですがあなたがどこから来て、ここはどこか状況が把握出来るよう支援致しましょう、安心してください」


 白い口髭を触りながらおじさんは優しい声で話している。とりあえず酷いことにはならなそうだ。


 「まずは城に部屋を用意させますので落ち着いたら、ゆっくりと話し相手にでもなってくだされ」

 ギャリソンはそういうと、護衛を引き連れて部屋を出て行った。


 ここからは残された若者が案内してくれるようだ。


 茶色で統一感のある落ち着いた部屋に案内された。家の部屋の2倍くらいはある。


 かわいい箪笥とかがあって嬉しい。


 色々な手配をしてくるから寛ぐよう言って、若者は慌ただしく出て行った。


 なんだか疲れたので寝ることにした。

 起きたら元の世界とか無いかななんて考えながら眠った。

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