リアムの来店
アルバートが今日から店に来てくれたので、キーラに指導して貰うことにした。店がそれほど忙しくないので初日にはぴったりなゆっくりデーだ。
カランカラン
雰囲気のある冒険者が入って来た。
長い黒髪に黒色のコートで真っ黒だ。怪しい!
「この剣を見てほしい」
両手剣をカウンターに置くと重そうな音がした。
コゼットが受付に立つ。
なかなか強そうな剣だな。持ち上げられないかも。
どれどれ、鑑定眼スタート!
ドラゴンキラー 本物・時価(値付け不能)
出ました。時価!お寿司屋か!!
値付け不能は初めて見たよ。
案の定、持ち上げられなかったがしっかり見た。
ちゃんと鑑定するのが大事なのだ。
「すみません。希少な剣のようですのでうちでは値付けが出来ません。武器屋か冒険者ギルドなら価値の提示が出来るかもしれません」
このレベルになるとオークションとかの方が良くない?金持ちが高く買いそうだけど。
「俺が行くのが嫌なんだ。金貨100枚でどうだ」
訳ありか?後から本当の所有者が出てきてトラブルとかは嫌だ。うちの規模でその金額の支払いは辛い。
「あの〜、高額での買取になりますし、少し詳しくその辺のことを教えていただけますか?」
突然、怒り出しませんように。
「ああ、滅多に出向かないS級の冒険者がたまに冒険者ギルドとかに行くと大騒ぎされるんだ。前回は帰還パレードで馬車から手を振らされたり、王との食事会や舞踏会まであった。まだ、魔物を相手にしている方が気が楽だ」
なんかこの人かわいそうに思えて来た。
何者なんだ?
「もしかして、勇者リアムですか?」
アルバートが恐る恐る声をかける。
「そんな大層な者ではないが名はリアムだ」
なんか凄い人らしい。
それを聞くとアルバートのリアムをみる目が尊敬でキラキラしている。
アルバートがいかに凄い人か熱弁している。
どうやら、この世界の魔物の被害が少ないのはリアムのおかげらしい。魔物が勢力範囲を広める前に全部やっつけるからだそうだ。
なんか聞いていると協力しない私は凄くひどい奴みたいに感じてきて、この世の敵のような気分になってきた。
アシュリーさんには後で怒られよう。
「持ってけ泥棒!どうだ金貨100枚だ!!」
決して泥棒ではないけれど。。失礼か?
机に金貨を叩きつけると、リアムは最初驚き、次にナイスな笑顔をしてくれた。
「また来る」
ああ〜、やっちゃったよ。その場の雰囲気で金貨100枚だよ。経営者失格だよ。
しかも、また来るらしい。その時は破産だよ。
明日からパンのミミ生活確定だ!
アルバートが私を見る尊敬度がアップしたことと、ドラゴンキラーだけが手元に残った。筋トレして冒険者にでもなろうかな。
とりあえず、ドラゴンキラーは入口付近に飾っておいた。
誰か買ってくれないかな?
早く売れることを強く願った。




