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トラブルは向こうからやってくる


 朝の開店から来てくれたお客が落ち着いたので、キーラと昨日買ったティーセットとお茶を楽しんでいた。


 「この紅茶の香りふわっと甘い感じがしていいね」


 「はい。この香りは初めてです。また買いますね」

 キーラの紅茶を入れる技術は本当に凄い。

 どの銘柄でもいつも美味しいので幸せだ。


 カランカラン


 「ここは何でも買ってくれるらしいな」

 見覚えのある、見たくない顔が入ってきた。

 昨日、港で口論してた荷主だ。後ろに捕らえられた2人も見える。


 「いらっしゃいませ。ご用件は?」

 キーラがサッと立って応対してくれる。


 「仕入れたガラス製品を買取して欲しい」

 壊れたんじゃないの?依頼されたら断られない。

 港に現物確認に行くことになった。


 「建築用のガラスですか。市販品ではなく、高級品ですね」


 「なんだ、お嬢ちゃん価値が分かるのか」

 褒められたと勘違いして喜んでいる。


 「全部見ましたが買取価格はゼロになります。

 8割が使えなくて、2割は市販品じゃないので引き取っても再販出来ません。全部を引き取るなら本来、処分費用が欲しいところですが、せっかくうちに声を掛けてくれたのでおまけしときます」


 「ふざけるな!やっぱり小娘には値打ちが分からなかったか」

 

 「じゃ、他を当たって下さい。無いですけど」

 キッパリ言うとキーラとお店に向けて帰る。


 「待て、この2人の奴隷を買い取れ。ガラス代色をつけてな」

 もう話をしたくないんですけど、連れて行けとか言われると困るし。。


 いいのかな?奴隷としてならいくらだろう?

 鑑定眼では1人金貨10枚と表示されている。

 【奴隷としての所有権の確認をおすすめします】


 「先に奴隷としての所有権を見せて下さい」


 「これからするところだから、今は無い」


 「じゃ、先に登録してから相談を受けますね」

 キーラと今度こそ帰る!


 「待て、2人で金貨10枚だ。断るならコイツらをここで殺す」

 いや、私はお前を殺したい。神様呼んじゃうよ!


 「分かりました。今後、その人たちに一切危害を加えないと書面を作って公正証書まで対応するなら払います」

 キーラが見かねて承諾する。仕方ないと思う。

 この国で公正証書はとても重い約束らしい。


 すべての対応が完了した頃には夕暮れ時だった。

 とりあえず、2人には食事を与えて、お店に泊まって貰った。詳しい話は明日する。


 今日は疲れたよ。


 ◆


 キーラと時間を待ち合わせしてお店に入った。

 キーラが襲われたら嫌だった。私が必ず守る!


 2人は起きてテーブルに座っていた。

 朝食にと屋台で買ったパンを差し出し、キーラが全員分の紅茶を入れてくれる。


 目の前には、20代後半くらいの金髪と赤髪の王子様風の青年がいる。


 「昨日は助けてくれてありがとう」

 2人は頭を下げている。


 「いえいえ、これからどうしたいですか?」

 コゼットはまず希望を聞いてみようと思った。


 「勝手な申し出だが、一度国まで帰って事情を報告したい。それが終わったら、また帰ってきてこの恩に報いさせて欲しい」

 金髪の青年は真摯に答える。


 「そうですね。また別の人が酷い目に遭うのは避けたいですしね」

 コゼットもその方がいいと思った。金貨10枚は痛かったけど。


 2人は、ヴェクス王領所属のオーシャンラインという商船団に所属しているらしい。金髪の青年がルーカス、赤髪の青年がイーサンと名乗った。

 

 見返りを求めて助けた訳では無いのでネチネチ恩着せがましいことは言わない。

 

 船で待っている同僚も帰りを心配してるだろうから、すぐに向かって貰うことにした。


 人助けが出来たのだ、それ以上は望むまいと自分に言い聞かせたのだった。


 

 


 


 

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