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huntingーハンティングー  作者: Lotus
【STAGE1】
9/13

【STAGE2】「ターゲット"百足"」スキル発動?


「あれ?パソコン閉じてある...」


俺は職員室に着くととある変化に気がついた。


職員室に並ぶ、机。

その上に置いてあるノートパソコンが昨日は開いて(電源は切れて)置いてあったのに今日は閉じていた。


ん?ってか、なんでそんな事覚えてるんだ?


俺は記憶力は悪くはないがこんな状況で

ましては、そんな些細なこと。

幾つもあるパソコンの1つだけの変化に気が付くのが不思議だった。

この学校も日中は使っているのか?

でも、前回の血は跡形もないし気になったパソコン以外は前回のままだ...。

色々な事を考えながら、俺は刀を見つけたロッカーの前に立った。


俺はロッカーに手をかけると


ここにはないな...


不思議と頭の中に過ぎった。


ガチャッ


「やっぱり無いか...」


ロッカーの中には武器は疎か何も入っていない。


向こうだな。


俺は先程気になったパソコンのある方へと向かった。


何故かは分からない。

ただ、そっちには武器がある気がした。


カシャーッ


「...本当にあった」



パソコンの置いてある机の引き出しの中に武器を見つけたのだ。


見つけたものはハンドガンのような銃と銃を収める為のホルスターだった。


見た感じではハンドガンよりも小さく小型。

銃身はシルバーで銃先は細く長い。

そして、最も印象的だったのは重さだった。

とても軽い。まるで玩具のようだ。


俺はホルスターを腰へ取り付け、中に銃を収めた。


よし。武器は見つけた。後は敵から身を隠しながら不意を撃てれば...。


俺は職員室出口の扉に手をかけた時だった。


ガシャーンッ


「!?」


離れたところからガラスの割れる音が校舎に響き渡った。


誰かが戦闘に入った...。

もしくは、既に殺...そこまでで考えるのをやめた。


何故だろう。

俺は音のする方へと無我夢中で走り出していた。

正義感が強い訳でもない。

むしろ、誰が死のうと俺には関係の無いことだ!とさえ思える性格だった。

なのにどうして...。



最初のゲーム。前回のゲーム。

タツヤの腕が喰われ、ミナミと翔太の首が簡単にへし折られた。

その光景が頭から離れない。



ダメなんだ!

そんなに簡単に...。

軽々しく"命"が弄ばれるのは許せない!


それだけが俺の体を動かした。



ドンッガシャーンッ


音が近づいている。

もぉ少しだ!


俺は階段を駆け上がり、

廊下を曲がった瞬間、ヌルッとしたものに足を滑らせその場に転倒した。


「なんだ?......え?」


そこには赤い液体が溜まり、周辺には元々人であったであろう肉の塊が散らばっていた。


「うっ...」


それは誰なのかも判断できない程だった。

辛うじて腕と思われる部分があり、その手には刀が握られており、

ここで戦闘に入ったのは容易に想像出来た。


暗い校舎に月明かりが照らされると

廊下には数え切れないほどの無数の血の手形が残っており、それはターゲットのものということはすぐに理解出来た。


人の手形だが、2列の列を成し、一定間隔で廊下を突き進んでいた。


「きゃぁぁぁ!!!」



すぐそこで叫び声が聞こえる。

きっとミナミだ!


俺は声と手形を頼りにそこへ向かうと教室の中へと導かれた。


「ミナミ!!」


「た、たすけ、て...」


そこには体長5m程の大ムカデ。

無数に生えた触手は全て人の腕になっており、

ミナミの両腕を掴み、持ちげていた。


俺に気付いた"百足"が振り返るとおぞましい顔をしていた。

黒髪ロングで女の顔付きをし、目はえぐれ、とても長い舌を出している。


俺は咄嗟に"百足"の顔めがけ銃を構えると


バンッ


引き金を引いた。


驚く事に銃を撃った反動は一切なかった。

もっと反動で腕が外れる程を想像していたが...。


銃から放たれた弾丸は実弾ではなく、空気を圧縮したようなものだった。


しかし、百足はミナミを放すと瞬時に長い胴体をぐにゃりと曲げ、弾丸を避けた。

避けられた圧縮空気は壁に当たると弾けるように壁を粉砕させた。


弾丸は俺の目に追えるようなスピードではなかった。

それを"百足"は軽く避けたのだ。


百足はそのまま方向を変えると

天井を這いながら俺へと向かってきた。


「くそっ」


俺と百足にはまだ距離があった...。

まだ逃げ切れる!


俺は百足から目を離さないようにしながら

廊下へと飛び出した。


カサカサ、ペタペタと音を立て、

胴体を引きずりながら百足は目の前まで迫っていた。


俺は何度も引き金を引いたが

その全てが"百足"に当たることは無く避けられ、その度に壁が音を立て弾ける。


今までに銃など1度も握ったことがない。

弾が当たらないのは当たり前の結果とも言えた。



俺はついに"百足"に足を捕まれ宙ずり状態に持ち上げられた。




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