【STAGE2】「ターゲット"百足"」ハンティングスタート
パチッ
俺は目を覚ますとゲームの中にいた。
そこには横になって眠っているメンバーの3人がいて、
俺は近くで眠っていた翔太に近づくと翔太の肩を軽く叩き、起こした。
「おはよ。」
「おはようございます。他の2人は?」
俺は寝ている2人を指さした。
まだ寝ている2人に気付いた翔太は「2人を起こしましょう」と言うと
2人に駆け寄り、声をかけていた。
「ん〜?」
起こされたミナミはまだ眠そうだ。
タツヤも起こされて目を覚ましたみたいだ。
「あらたさん、前回はやったんですね。」
「あぁ。翔太のおかげでヤツを殺すことが出来た。ありがとう。」
「いえ、僕は痛みを感じませんし、皆さんと違い少し死の恐怖が薄かったんですよ」
「?」
キョトンとした顔でミナミは話を聞いていた。
「...俺はこの間はターゲットと出くわさなかったな。あ、でも、お前らの話通り武器はあったぜ!」
「その武器は今はありますか?」
タツヤはゴソゴソとポケットを探したが無さそうだった。
「手に入れた武器はリセットされるんだな...。」
「そういえば、タッチの【スキル】ってなんだったの〜?」
ミナミはタツヤの方を見ながら言った。
「あ゛?タッチ?俺のことか?」
うんうん。と首を縦に降るミナミ。
「俺のスキルは【狙撃手】だった。サバイバルゲームが得意だから俺に似合ってるな!」
笑いながらタツヤは答えた。
「んなことよりも前のアナウンスでお前のスキルアップなんちゃらって言ってたのは何だったんだよ?」
「スキルアップ...何ですかそれ?」
タツヤと翔太は俺の方を向くと疑問そうな顔をしていた。
「ん?あー、俺もよく分からないけどスキルが【観察眼】から【洞察眼】ってのに変わってた。」
洞察眼って何〜?と聞いてくるミナミに対して、
俺も分からん。と返答した。
「まぁ、とりあえず、スキル強化されたんだと思います。それと、スキルの事なんですが、僕は現実でも使ってみたんですけど使えませんでした。」
「スキルはゲームの中でだけ有効ってことか。」
本当にこれはゲームの世界なんだなと痛感した。
「ね〜。考えたんだけど、現実でも連絡取り合えるように電話番号交換しようよ〜。」
確かにそうだ。俺達はこのゲームの中でしか会っていない。
それぞれの考えが話せるのにも時間制限がある。
全員、賛同したがスマホは疎か紙やペンも持っていなかった。
一応、電話番号を教え合いそれを記憶することにした。
「このゲームについてはまだ謎が多いですが...そろそろですか...」
ザザッ
「STAGE2が始まります。皆さん準備してください。今回のターゲットは"百足"です。制限時間は1時間となります。それではハンティングスタートです。」
ザザップツッ
アナウンスが終わると
「俺は、前に武器を見つけたとこに行って武器を手に入れる!」
そう言うとタツヤはどこかへ行ってしまった。
「ムカデってなに〜。気持ちわる〜。」
ミナミがそう言うと
「聞いてください。」
翔太が口を開いた。
「僕はずっと考えていたんですが、敵が僕達の位置に来るのが正確すぎる気がします。最初の日も前回も...。きっと、何かしらの方法で僕達の位置が分かっているんだと思います。ですので、今日は分散してみませんか?」
確かに翔太の言っている事は正しい気がする。
俺達に敵の動きを把握する術はないが敵は持っているかもしれない。
「...分かった。」
「え〜!やだよ!!置いていかないで!」
「ミナミさんは、どこか安全な場所に隠れていて貰っても構いません。バラバラに行動すれば見つかる可能性は4分の1です。」
「4分の1って結構な確率じゃん!」
「では、僕と行動しますか?見つかる可能性は上がってしまいますが...。前回の様子を見るに人数が多い方から狙われます。」
それを聞いたミナミは黙ってしまった。
「......分かったよ〜。」
渋々ながらミナミは単独行動に理解してくれた。
「そうと決まれば俺はまた職員室へ行ってみる。そこに前回の武器があるかもしれない。」
「分かりました。僕はスキルを使いながら敵の位置を把握して行動します。」
ここに長いも出来ない。
俺達は別々の方向へと進み始めた。