【STAGE2】ゲームは終わらない
6/18 AM7:00
ピピッピピッピピッカチッ
「んあーぁ」
俺は大きなあくびと共に目を覚ました。
朝日がカーテンの隙間から差し込みなんて清々しい朝なんだ。
久々にゆっくりと眠れた気がする。
寝ている間は幸せだ。
この現実から逃げることが出来る。
目を覚ませばまた思い悩まなければいけない。
俺はまだ半分寝ぼけているボーッとした状態でスマホ画面を覗いた。
すぐに「hunting」を開いた。
この画面を見ると一気に現実へと引き戻される。
何気なく見ていた画面に俺の目を引くものがあった。
「あれ?昨日見た時は気付かなかったな。」
それはニックネーム下に書いてある【STAGE】が1から2へ変わっているものだった。
俺の脳裏に一瞬だが、このゲームをダウンロードした時のが過ぎった。
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STAGEは1から5まで
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そうだ。確かにそうゲーム説明には書かれていた!
ってことは、このゲームはまだ終わりじゃない...。
朝からどん底に落とされた気分だった。
はぁ。と大きくため息をついた俺はふと「スキル」が気になった。
「洞察眼?」
スキル内容が変わっていたこと気が付いたのだ。
俺のスキルは「観察眼」だった筈だ。
「訳が分からないな。どっちみち、どうやったら発動する能力なんだ?」
また1つ疑問が生まれてしまった。
そうこうしているうちに時間は待ってくれない。
もう家を出ないと遅刻してしまう時間だ。
俺は慌てて家を出ると学校へ向かった。
学校ではいつもと変わらない日常を過ごすことが出来た。
友人のタクトとくだらない話をして、授業を受けて、昼を食べて...
その「つまらない」と思っていた日常が幸せだったんだなと感じた。
その日の夜、俺は自宅にて家族で食卓を囲みながら夕飯を食べていた。
すると、また急激な眠気に襲われた。
「あぁ、今夜なのか...」
そう考えながら俺の意識が薄れゆく中、
ピピッ
タイマーを設定していた腕時計のアラーム音が微かに聞こえた...。