【STAGE2】誓い
6/19 AM4:00
俺は自室にてボーッとスマホ画面を眺めていた。
今日は学校が休みの日だ。
通常の俺なら遊びにも出かけていたかもしれない。
ゲーム「hunting」に参加しなければ。
はぁ。と大きくため息をついた。
スマホ画面には「hunting」が開かれていた。
「ゲームオーバー...か...」
そこには昨日のゲーム"百足"に関する情報が記録されていた。
ゲームオーバー。それは、俺達プレイヤー4人の全滅を意味する。
きっとあの後にミナミもタツヤも死んだんだ。
そして、途中で見かけたアレは翔太だったんだ。
昨夜の痛みが感覚的に残っている。
俺は2度目の死を体験したのだ。
「制限時間にルールがあったなんてな..」
このゲームには謎が多すぎる。
チュートリアルも何も無く放り出される。
なんで俺はあの時こんなゲームをダウンロードしてしまったんだろう。
そんなことを考えていた。
いつもなら休みの日には
毎週のようにタクトは遊びに誘ってくる。
それが、今日は何も無かった。
これもゲームオーバーのペナルティによる変化なのか?
もしかしたら、既に他の人に俺の存在が認識されていないのかもしれない。
プルルップルルッ
ん?
突然、俺のスマホは着信を知らせた。
「知らない番号だな...」
俺は何気なく電話を取った。
「もしもし。」
「もしもし。僕です。翔太です。」
それを聞くと、
ベッドに横になっていた俺は勢いよく起き上がった。
「翔太なのか?!よく番号覚えてたな!」
「記憶力はいいので。1人だけですが覚えてました。そんなことよりも昨日はダメだったんですね...」
「...悪い。」
「いえいえ!謝らないでください!僕なんて武器を見つけてすぐに殺されましたから...」
それから、どのくらい電話しただろうか。
制限時間が残り少なくなるとペナルティが与えられること。
昨夜での自分の最期。
百足の豹変。
色々な事を話した。
電話を切る直前には、現実で翔太は色々な知り合いに自分のことを聞いたが半数は分からないと答えられた事を教えてくれた。
想像していたよりも早く自分の存在が消されている。
もしかしたら、このゲームでのチュートリアルは1回目のゲームでの死によるペナルティついてだったのかもしれない。
「じゃぁ、また後で」そう言うと俺は電話を切った。
時間を確認するとAM6:04だった。
後、2時間しないうちにまたゲームが始まるかもしれない。
このゲームをクリアしなければ
ずっとこんな夜が待ち受けている。
ゲームは好きだ。だが、こんなゲームが存在していい訳がない。
もしかしたら、俺達4人以外にも他の場所でゲームが行われて同じ苦しみを味わっている人が沢山いるんじゃないか?
そんなことを考えていると1つの答えが見つかった。
「ゲームを完全にクリアすればこのゲームの仕組みがわかるんじゃないか?」
モヤモヤした気持ちが一気に晴れた気分だった。
ゲームを...STAGEを全部クリアするんだ。
そして、謎を全て解いてこんなゲームを終わらせる!
俺はそう心に誓った。