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異世界でファンタジーラブコメを!
俺は死んだ。
階段を踏み外して、頭を強く打ち付け、そのまま意識を失った。
それが現世での最後の記憶だった。
我ながら、情けない死に方だと思う。
高校にも行かず、引きこもってゲームをひたすらやっていたクズのような人生だったが、それでも嫌な人生ではなかった。
で、なぜそんなことを考えてられるかって?
死んだはずなのに、なぜか意識があるからだ。
目を開けると、広い部屋だった。
床は黒いタイルで、天井や壁があるかは暗くてわからない。
ただだだっ広い部屋。
俺がいる場所を中心にそこだけ少し明かりが灯されている。
そして目の前に女神らしき人が椅子に座っている。
「伊藤裕太さん、あなたは不幸にも死にました」
目の前の女神が、麗しい声でそうとだけ告げた。