表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

全ての始まり(後編)


優空が長いトイレからニコニコしながら帰ってきた。


「新汰にいい知らせがある。今日の放課後、屋上に深澤さんを呼んでおいたから行ってこいよ」


「はぁー? それどう言う状況だよ!」


「どうせ新汰は自分で動かないだろ? だから、少しお手伝いしてきた」


駄目だ。優空は少し怒ってるみたいだな。俺を困らせようと深澤さんとの約束を取り付けてきたか。でも、プラスに考えよう。深澤さんと話せるのだから。


「そうだな。ありがとう」


俺は作り笑いで返事を返す。


「余裕そうだな。後、悪い知らせを付けとくと、告白される事を伝えてきた」


その瞬間、俺は作り笑いをやめて真顔に変わる。優空は何を言っているのだろうか? きっと聞き間違いだよな。


「俺が告白する事にしてきたのか?」


「うん!」


優空は力強く答える。これもきっと、聞き間違えだ。一応確認をしておこう。


「俺が今日、深澤さんに告白をするのか?」


「うん!」


確認に対しても力強い返事が返ってくる。


「うん! じゃねぇよ! なんて事をしてくれたんだ」


俺が大きな声を出したため、周りの視線が一斉に集まる。


「新汰、言いたいことはよく分かる。だけどな、俺が正しいと思っていることが一番正しいんだよ」


この言葉を聞いて、パチパチと周りから拍手が起こった。

やっぱり、イケメンが正義なんだね。こんな俺の味方は誰もいないだろう。


「小学生から友達やってるけど、優空が正しかったことなんて、ほとんどないだろ!」


「そうだったっけ?」


優空はとぼけながら下を向く。

もういいや。このままでは拉致があかないので、俺はストレス発散の為、生姜焼き定食にがっついた。





そして今に至る。


「深澤さんの事が好きです! 付き合ってください」


俺は告白の経験が無いので、この間見たドラマのように、右手を前に出し、腰を直角に折り曲げ、頭を深々と下げる美しいフォームを作った。


「告白はありがとう。でも、あなたと付き合うなんて無理よ」


ドラマのように人生うまくいかないみたいだ。


「私はね、人に告白の約束を頼むような方は嫌なの」


深澤さんは、強張ったような表情をしている。

この状況で俺が何を言っても、言い訳にしか聞こえないので、優空の事は話さないでおいた。


「俺が嫌な事は分かった。わざわざ時間作ってくれてありがとう」


俺の淡い期待も破れ、逆に吹っ切れていた。そのせいか、俺の口角が上がっていた。


「そう言う事だから私は帰るわね」


深澤さんは、長い髪をなびかせて屋上を後にした。それを見送った後、俺はその場に尻餅をつく。

告白の後に一人でいる事が寂しいものなのだと胸に刻んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ