ターゲット定まる
この間見たドラマでは、冴えない彼は告白を成功させていた。だから俺も彼女を作れるのではないか?と淡い期待を膨らませて学校に向かう。
俺は電車通学で、駅を降りてからは通学路を通り学校まで歩く。皆行き先は同じなので、通学路は学生で長蛇の列を作っている。
その列の中で俺は、沢山の人に挟まれながら1人で歩くのだ。なぜなら、友達がほとんどいないからである。出来た友達は全て自転車通学の為、行きと帰りは心細い思いをするのだ。
一人で歩いていると周りの声がよく聞こえてくる。別に盗み聞きをしようとしているわけではない。自然と耳に入ってくるだけだ。
「また、あいつ告白されたらしいな」
あいつって誰だよ!と思いつつ話の続きを盗み聞きする。
「あー、あいつな。あれだけイケメンだったら告白されるよな」
「そうだよなー。そうそう、あの噂聞いた?」
「あの噂って?」
「イケメン君が昨日振られたって噂だよ」
「あいつが振られたのか⁈ 一体誰に?」
「我が校が誇るマドンナ 深澤 咲良《ふかざわ さくら》さんにだよ」
「取り敢えず、あのイケメン君の告白を受け入れなかったとなれば安心だな」
「だな。俺は変わらず深澤さん狙いだし……」
深澤さんがイケメンを振ったのか。やっぱり、美人は冴えない人を好きになるようだな。深澤さんは俺のものだぜ。自慢じゃねぇが俺は冴えない男だからな‼︎




