国王救出
構成はかなり先まで出来ているのですが、プロットがなかなか進みません。
100話ちょっとまでは、毎日更新投稿できますが、いつストックが尽きるか不明です。
ストックが尽きた場合、投稿は2日おきとかなるでしょう。
出来る限り毎日投稿を続けます。
充分な休養を取り、俺、エリーとエバートンはガウラン辺境伯邸に来ていた。
正確には門の前だ。
そこには国王救出作戦に参加する面々が揃っていた。
移動手段はスレイプニル4頭立ての大きな馬車が2台。
1台は俺達が乗り、もう1台は王族を乗せるための物だ。
ガウラン辺境伯はいつものように「さっさと救出して来い!!」と一言残して屋敷に戻って行った。
「国王陛下一行と合流できるのは、約4日後となります。その間なるべく休憩は短く、睡眠は馬車の中で取って下さい。食事と用足しのため、時々馬車を止めますが、それ以外は移動ですので心して下さい」
エバートンの説明が終り、皆が馬車に乗り込む。
スレイプニルが走り出し、俺達にぐっとGがかかった。
今回は少人数。
目的は国王陛下と王妃、他王族の救出だ。
合流さえ出来れば、戦闘なしで退却が出来る。
何事もなく合流できれば良いな。
万が一戦闘になったとしても、使う魔法も決まっている。
いかに合流まで消耗しないようにするか?それが課題だ。
俺とエリーは座席に並んで座り、ゆったりとしていた。
これといった会話もなく、休憩を何度か挟み、馬車は東へ東へと街道を走る。
2日過ぎまでは、何事も無くスレイプニルは走り続けた。
だが3日目の夜に事態が動く。
エバートンにホットラインが入ったのだ。
王国軍に潜入している、ガウラン辺境伯の密偵だった。
「どうした?緊急事態か!?」
「はっ!!帝国軍に追撃され戦闘中です!!援護はまだでしょうか?」
「戦闘場所は街道沿か?」
「はい!!」
「分かった。今から急ぎ向かう!!それまで何としても、国王陛下をお守りしろ!!」
「命に代えましても!!」
「うむ!!頼んだぞ!!」
ホットラインが切られ、エバートンが御者に停止を命じた。
馬車が止まり、俺達は馬車から降りた。
「エバートン殿、何故停止を?走り続けなければ、国王陛下が!!」
ダミアンがエバートンに詰め寄る。
「ダミアン殿、落着いて下さい。今から緊急事態用の移動手段を使いますので」
「緊急の移動手段?」
エバートンは俺を見て、
「ヒデキ殿!翼竜を召還して下さい!!」
「分かりました!!」
俺は急ぎスマホを取り出し、魔法陣を呼びだした。
でかい翼を広げ、翼竜が着陸する。
「皆、背中に!!落下しないように!万が一の場合は指輪の力で重力を操作するように!馬車はこのまま、街道を走れ!!」
エバートンの命令で馬車は、再び走り出し、俺達は翼竜に乗り、空へ舞い上がる。
よく考えたら、この数が乗れるのか確認しなかったが、翼竜はびくともしなかった。
街道沿いに、翼竜はひたすら東を目指す。
スレイプニルの馬車があっという間に遠ざかった。
恐らくスレイプニルの10倍以上のスピードが出ているだろう。
結界を張っていなければ、呼吸も難しいスピードだった。
3時間ほど飛び続けた時、戦場が見えて来た。
豪奢な馬車3台を中心に何十人もの騎士達が守りを固め防戦していた。
最内に魔術師達が多めに陣取り、馬車に対して多重結界を張り、さらに自軍全体への結界も張りながら、別の魔術師が敵へ攻撃魔法を放っている。
魔術師を守るように王国騎士団が周りを固め、結界を破り攻撃してくる敵兵を迎え撃っていた。
その外側は敵味方入り乱れての大混戦となり、そこかしこで死体の山が積み上がっている。
そして戦況全体を見渡すと、王国軍に対して、その何倍もの帝国軍が取り囲んでいた。
「ヒデキ殿、戦場の最外にファイヤーゴーレムとロックゴーレムを召還して下さい。
「了解!!」
まずファイヤーゴーレムを王国側の最外に召還。
続いて、ブルネル側の最外にロックゴーレムを召還した。
敵兵は背後にいきなり現れたファイヤーゴーレムの炎に焼かれ、反対側に表れたロックゴーレムの巨大さに、驚愕した。
「何だ!?何故ゴーレムが!?」
「魔術師達!ゴーレムを攻撃せよ!!」
敵将の指示が飛び、すぐさま敵魔術師達の攻撃魔法が両ゴーレムに集中する。
倒されはしないが、敵兵への攻撃も阻害されていた。
「ヒデキ殿あの魔術師の一団へ『かまいたち』を!」
急ぎスマホで『かまいたち』を呼び出し、発動させた。
10人ほどの敵魔術師が切り刻まれて、崩れ落ちる。
魔術師達に動揺が走り、ゴーレムへの集中砲火が止んだ。
その瞬間、ロックゴーレムが豪快に右腕を横薙ぎに振るった。
「うわぁーーー!!」
敵兵の悲鳴と供に20人以上の敵兵がなぎ倒され、飛ばされてゆく。
続けてロックゴーレムは左腕を同様に振るった。
同様に敵兵がなぎ倒される。
ロックゴーレムは左右の腕を振るいながら、敵兵の中を走り出す。
もちろん俺の指示だ。
ファイヤーゴーレムも身体の炎を燃え上がらせ敵兵を焼いてゆく。
他の魔術師の一団が攻撃魔法を放つが、そこへ俺が『かまいたち』をぶつけて妨害した。
「ヒデキ殿、翼竜を旋回させて敵兵を攻撃させながら、徐々に馬車の真上へ距離を縮めて行って下さい」
俺は翼竜に敵兵を振動波で攻撃させながら、螺旋を小さくして行った。
敵兵は漸く俺達に気付き、魔術師達が攻撃魔法で狙って来たが、おれが『かまいたち』で切り刻み、妨害した。
翼竜の螺旋はすぐに混戦状態の上に入り、振動波の攻撃は出来なくなった。
王国軍の張った結界は翼竜には通用せず、翼竜は馬車の真上で止まりホバリングした。
翼も羽ばたかせる訳ではなく、空中で静止している。
エバートンが言うには、翼で飛んでいるわけではなく、魔力で飛んでいるとのことだ。
敵味方とも翼竜の攻撃に驚愕し少しの時間だが、戦闘が完全に止まっていた。
エバートンの指示で指輪に魔力を込めて、重力制御を使い、翼竜の背から3台の豪奢な馬車の横に降り立つ。
エバートンはすぐにスクロールを取り出し。味方陣営に強力な防御結界を張り直した。
俺は翼竜に再び外側の敵兵を攻撃する指示を出した。
王族の警護している中で、一番偉そうな男が俺達の所へすぐにやって来た。
「これはエバートン殿!!それに・・・ダミアン大隊長!!援護に来ていただけて、感謝に耐えません!!ゴーレムと翼竜はエバートン殿が?さすがですな!!」
「これはスハイツ殿。今、結界を強化しましたから、もう安心ですよ。今から敵兵を殲滅しますので、お待ち下さい」
「殲滅!?この数の敵兵をですか?いかにエバートン殿の魔法陣とは言え、それはさすがに無理では?王国騎士団、魔術師のムカイがいれば、可能かもしれませんが・・・」
「ご安心を、今、暴れているゴーレム2体、さらに上空の翼竜、全て、この魔術師ヒデキ殿の力です。我ブルネルはヒデキ殿のおかげで、国境に攻めて来た帝国兵を退けました。今回も退けてくれる事でしょう!!」
「魔術師のヒデキです。以後お見知りおきを」
スハイツは俺の方をジロリと見たので、定型文の挨拶をした。
「これはどうも、国王警備隊長のスハイツと申します」
スハイツは貴族の礼を返して来た。
ダミアンといい、やはり貴族が上に立つ世界なのだろうか?
「ヒデキ殿が・・・しかしゴーレム二体に翼竜の召還・・・これ以上は負担が大きいのでは?」
「大丈夫ですよ。まだまだいけます!!エバートン参謀!指示を下さい」
俺の答えに驚くスハイツを尻目に、エバートンは俺に指示を出す。
「雷獣を召還し、混戦状態の敵兵を潰して行って下さい。その後、ゴーレムと翼竜を攻撃している魔術師を潰して行きましょう」
「分かりました!!」
俺は雷獣を呼び出し、敵兵を認識させた。
鎧の紋章が右肩に刻まれているので、フルプレートでも敵味方の区別は簡単だった。
雷獣は防御結界から抜け出して、混戦状態の戦場へ突入してゆく。
すぐに敵兵へ襲い掛かり、強力な電撃で感電死か行動不能にさせて行った。
俺のほうは、ゴーレムと翼竜に攻撃魔法を使う敵の魔術師を『かまいたち』で切り刻み続けていた。
今回は魔力回復ポーションをエリーと併せて、60個ポケットに用意していたので、魔力の補給には余裕があった。
6大魔法を使う必要がなければ、こんなものだ。
エバートンが強固な防御結界を張ったため、味方の魔術師も攻撃に転じて、敵兵を攻撃魔法で減らし始めた。
敵兵だけの外周では、ロックゴーレムとファイヤーゴーレム、さらに翼竜が暴れ続け敵兵を減らしている。
混戦状態の地域も雷獣の参入、俺、エリー、王国の魔術師の攻撃魔法で、どんどん敵兵の数が減って行った。
こうなると味方兵士の士気も上がり、さらに敵兵を倒し始め数時間後には、立っている敵兵は1人もいなくなっていた。




