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大激戦 ③

暑さが戻って、きついですね。

通常通りの投稿です。

「我は他の魔族のように甘くはないぞ」


黄色のドレスを纏った上位魔族は、高熱を発しながら騎士団へと近付き始めた。


「我々もそうだ!!高温や低温の攻撃に対策をしないとでも思っているのか!!」


アイオロスが叫ぶと同時に騎士団の3人がスクロールを取り出し、即座に魔力を込めた。

黄の上位魔族の周囲が結界に囲まれ、その中のみが急速に冷却されて行く。


「無駄だ!!」


黄の上位魔族が叫ぶと、凄まじい轟音と供に魔族の身体が灼熱に燃え上がり、結界と冷却魔法を消し去った。

が、すぐに別の騎士団3人がスクロールを広げ、同じ魔法を展開する。


「チッ!!」


再び歩みを止められ、黄の魔族は露骨に舌打ちをした。


「小賢しい真似をした者は・・・」


結界の中が急激に冷えて行くのを無視して、黄の魔族は右手を挙げ、魔法を展開させている3人の騎士団に向けた。

人差し指から青白いビームが放たれ、結界を簡単に貫き、そのままスクロールを持つ3人の騎士団の胸に孔を穿つ。

3人が倒れ、2つの魔法陣が発動し2人は回復し立ち上がったが、1人は倒れたままだ。

即死だった。

その間に結界を消滅させ、再び歩き出そうとした黄の上位魔族にアイオロスとサラサが同時に斬りかかった。

二人の剣は、冷気を発し、黄の上位魔族の灼熱の身体を一瞬にして凍らせた。


「なるほど・・・たかだか人間がここまでやれるのか!!」


凍りつき、口も聞けないはずの黄の上位魔族が、感嘆の声を上げた。

そして今度は、凍りついた身体をさらに冷やし始める。


「今度はどうだ?凍りつきお前達の身体はバラバラになるのだ!!」

「甘い!!その攻撃は既に撃破している!!」


騎士団の1人が純白の魔族の攻撃を無効化した魔法陣を展開し、魔法を発動させた。

黄の上位魔族の周囲が常温に戻る。

すぐに結界が張りなおされ、黄の上位魔族が閉じ込められた。


「面白い!!そろそろ我も動くぞ!!見事に対応して見せよ!!」


今まで静観していた、青のドレスを纏った上位魔族が警告の声をかけた。

同時に青の上位魔族の周囲の空間が歪み始める。


「!?何だ!?また高熱か?」

「そんな単純なものではないぞ!!」


アイオロスの問いかけに、青の上位魔族は即座に答えた。

騎士団が直ぐに青の上位魔族を結界に閉じ込めようとするが、結界は歪んだ空間に触れると消滅してしまった。


「甘い!!考えて見よ!!みな手加減をしているゆえ、お前達は善戦しているのだ!!この程度の工夫では、我が本気を出せばすぐに終わる!!」

「それはどうかしら!!」


今まで沈黙を保っていたサラサがスクロールを左手に持ち、青の上位魔族に向かって、右手で剣を突きをいれる。

剣は歪んだ空間を切り裂き、青の上位魔族の胸に深々と刺さった。


「何だと!?我の技を!?」


胸に刺さった剣を見ながら、青の上位魔族は驚愕の声を上げた。


「われらの参謀が、空間を歪める攻撃を予想しない訳はないでしょう?今までの魔族との戦いを通じて、考えられる攻撃に対する対策はしてあるのよ!!」

「おお!!それは良い!!良いぞ!!」


歓喜の声と供に、青の上位魔族が胸に刺さった剣を引き抜こうとする。

そこへサラサは、ベルトに挿してあった新しいスクロールを取り出し、魔力を込めた。

青の上位魔族の身体から放電し、凄まじい落雷が落ちてサラサもろとも燃え上がった。

暫くして炎が消えると同時に、サラサのスクロールが発動し、ヒーリングの光に包まれる。

瀕死の時に発動する自動ヒーリングだった。

青の上位魔族は黒こげになり、ぐったりとしている。

が、その黒こげが喋り始めた。


「これは凄い!我にここまでダメージを与えるとは!!お前達がこれほどの攻撃が出来るならば、参謀とやらが用意する攻撃はさぞや、面白いものであろうな!?我はそれを待つことにしたぞ!!」


そう言って青の上位魔族は崩れ落ちる。

青のドレスだけが、床に残っていた。


「やれやれ、サボりおったか?だが、少しは理解したぞ。確かにお前達人間の工夫は面白い!我も待ってやることにした。この結界を維持し続けるかぎり、我も攻撃をやめることにした・・・せいぜいあがいて見せろ」


黄の上位魔族は結界の中でゆっくりと座り込んだ。



― ― ―


ガウラン親衛隊 VS 紫


ベルタは最初から全開だった。

俺に二度目の『ドッペルゲンガー』を発動させ、まずはベルタの分身が紫のドレスを纏う上位魔族に、バルディッシュを振るう。

紫の上位魔族は簡単にバルディッシュを受け止め、更にベルタの分身の首を引きちぎった。

ベルタの分身は一瞬で消滅し、ベルタ本体が崩れ落ちる。

そして第6階層領域で見た、黄金色に光り輝くスーパーベルタが立ち上がる。

バルディッシュをひょいと持ち上げ、一気に紫の上位魔族へ突進し、切りかかった。

紫の上位魔族は、再び簡単に受け止める。

先ほどと同じように、ベルタの首を引きちぎろうとして、それが出来ずに意外な顔をした。


「ん?オリジナルは一味違うのか?」


紫の上位魔族はすぐにベルタから離れ、まじまじとベルタを眺める。


「ふーむ・・・自身の力を数倍に引き上げる能力か・・・」

「それだけではないぞ、これからが本番だ!!」


ベルタの瞳が異様に輝き、ベルタのバルディッシュは、ブンッという音と供に紫の上位魔族の胴を薙いだ。

紫の上位魔族は驚いたことに、その動きについて来て、バルディッシュを受け止める。

が、ベルタのパワーは紫の上位魔族を吹っ飛ばし、横の壁に叩きつけた。

ボコっと言う音が聞こえ、紫の上位魔族は壁にめり込んだ。

そこに間髪を入れずベルタが、バルディッシュを叩き付け続ける。

壁は削られ続け、紫の上位魔族はどんどん壁にめり込み続ける。

その時間はベルタの肉体強化が終わるまで続いた。


ベルタの動きが止まり、身体から湯気が立ち上る頃、紫の上位魔族は完全に壁の奥にめり込み、姿が見えなくなっていた。

これで、終了と膝をついたベルタの後ろに、まるでそこにいたかの様に紫の上位魔族が立っていた。


「!?なっ!?」


ベルタが振り返り、バルディッシュを振るおうとしたが、もはやベルタにその力は残っていなかった。


「素晴らしい力だが・・・使い方を間違ったな・・・途中で我も分身に入れ替わったのに気付かなかったか?」

「!!・・・私の負けだ・・・」


ベルタはがっくりと頭を垂れる。


「そうがっかりするな。人間にしてはよくやったぞ。お前達は面白い・・・で、お前の仲間はお前を助けるために、どんな攻撃をしてくるのだ?」


紫の上位魔族は残りの親衛隊を見回しながら、問いかけた。


「私がお相手しましょう」


フルプレートのフェイスをくいっと右手で上げ、白髪の男が答えた。


「ほうお前が?」

「ガウラン親衛隊副隊長ディートリッヒと申します」

「この娘と同じ、戦士か?」

「さようで、私の獲物はこれでございます」


ディートリッヒは、腰から鞭を2条取り出し、両手に1条ずつ持った。


「双条鞭か・・・それで我を倒せると?」

「いえいえ、とんでもございません。我らが参謀のための時間稼ぎにございます」

「その程度の武器で時間稼ぎができるとでも?」

「もちろんです」

「面白い!!ベリアルが我らに声をかけたのが、良く分かった!!その時間稼ぎとやら、見せてみよ!!」

「それでは・・・」


ディートリッヒは双条鞭を素早くふるい、紫の上位魔族の身体に巻きつかせ、動きを封じる。


「この程度で我の動きを封じられると?」

「もちろんです。試してみてはいかがですか?」

「このような脆弱な鞭など・・・!?」


紫の上位魔族は力を込め、身体に巻きついている双条鞭を切ろうとしたが、いくら力を込めても切ることが出来ないのに気付く。


「これは、反作用の魔道具か!?」

「正解です」

「千年前に忘れられた技術だと思っていたが・・・」

「参謀のエバートン様が、古い文献を参考に復元されたのですよ。最も使いこなすには微妙な魔力の使い方がありまして、親衛隊でも使いこなせるのは私だけです」


ディートリッヒはにっこりと笑った。


「エバートンとやら、フィロゾ以来の天才やも知れんな。うむ!!我もエバートンの工夫が見たくなった」


言うなり、紫の上位魔族の身体は双条鞭の拘束から抜け出ていた。


「えっ!?いったいどうやって?」

「気にするな、貴様らに時間をくれてやる、出来る限り抗い、我らを喜ばせよ!!」


紫の上位魔族はドレスを残して、姿を消した。

ベルタ、ディートリッヒら親衛隊は、床に落ちる紫のドレスをただ見つめるだけだった。


帝国との戦争は楽勝でしたが、ここでは大苦戦。それだけ魔族が強いと言うことです。

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