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第5階層

休みなので早めに投稿します


第5階層は今までとは様子が違っていた。

全てが凍りで覆われていたのだ。

これでは凍えて動きが鈍くなる・・・と思いきや全員の装備が耐寒耐熱になっていて問題なかった。

足元が結構滑るのが、少し問題なぐらいか・・・


襲って来る魔物もスノーウルフやジャックフロストなど、寒冷地の魔物だった。

普通なら苦戦する魔物も、これだけの戦力で攻略して行くと、実にスムーズに進む。

分岐でチームが分かれて行き、サラサの騎士団チームからエバートンに『ホットライン』の連絡が入った。

領域ボスのエリアを発見・・・待機中。

エバートンの指示で次のチームが合流次第、領域ボスのエリアに突入!と。


俺達がサラサのルートを辿り、領域ボスの部屋へ入ると戦闘が始まっていた。


闘っているのはサラサ率いるガウラン私設騎士団、パワーボム、ガウラン親衛隊だった。

大量のスノウグリズリー。

300頭はいるだろう。

しかしこれが領域ボスではないはず・・・それが見当たらなかった。


俺はパワーボムの援護に廻り、雷獣を呼び出した。


「領域ボスはいないのですか?」


先頭でスノウグリズリーをバスターソードで殴りつけているセルゲイに声を掛けた。


「いる!!いるんだが・・・ぐっ!!」


セルゲイのバスターソードに突風が纏わりつき、動きが止まる。

その隙をついて、スノウグリズリーが前足を振るった。

オリハルコンの防具が凄まじい音を立て、セルゲイの体が横に吹っ飛んだ。

転がり様に直ぐに立ち上がり、セルゲイは追撃をバスターソードでかわした。


「見えない敵?」

「見えないと言うか実体がない・・・一切の気配がないのに、攻撃だけはしてくる・・・やっかいだぜ」


セルゲイの言葉に全体を見回すと、そこかしこでこちらの攻撃が阻害されていた。

サラサもエストックの攻撃が止められ、同じようにスノウグリズリーに殴られている。

後衛の魔術師たちにも、つむじ風のような攻撃が断続的に加えられている。

親衛隊のヘンドリクだけが、攻撃阻害を受けながらもスノウグリズリーの攻撃をかわし、切りつけていた。

このおっさん、本当に何者なのだろう?

俺は魔法陣で攻撃するのに、阻害されるものはない。

何度か俺が腕を振り上げるポーズを取ると、つむじ風が襲って来たが、魔力を込めるのにポーズは関係ないので、魔法は問題なく発動して、スノウグリズリーに当たっていた。


使っているのは当然のごとく、ファイヤー・キャノンだ。

魔力量の消費は少なくて連発がきき、スノウグリズリーやスノーウルフへの相性も良い。

徐々にだが、敵の数は減っていった・・・だが、この程度で済むとは到底思えなかった。


何かが起きる・・・いや、何か強大な敵が出現する・・・

そんな雰囲気がひしひしと伝わって来た。

ここにいる誰もが、そう感じていた。

エバートンは5枚の魔法陣を出し、久々に書き込みを始めた。

この先始まる大激戦を予想しての、強力な魔法陣術式なのだろう。


俺は引き続きファイヤー・キャノンで敵を焼き続けた。

エバートンにエルザからの『ホットライン』が届き、コロセウムで戦闘中。

時間がかかるとの報告だった。

ゴールド・エクリプスの参戦は暫くは望めない。

その『ホットライン』が切られると同時だった。


とてつもない轟音が響き渡り、前衛の騎士団やパワーボム、スノウグリズリーやスノーウルフも巻き込む大竜巻が出現した。

巻き込まれた面々や魔物達は吹き飛ばされ、床や壁に叩き付けられる。

オリハルコンの防具や、防御結界がなければ、即死だっただろう。


セルゲイやサラサ、ヘンドリクまで暫く蹲っている。

巻き込まれた魔物達は当然即死だった。

その原因を作った大竜巻は、徐々に収縮してゆき、10メートルくらいの人型の竜巻に変化して、前方に立っていた。

竜巻は常に一定の上昇気流を作り、その身体のそこかしこで放電が起きている。

時折雷球となり周りを襲うが、雷獣が避雷針となり全て吸収して、無効化していた。

それはあくまでもこちらに対しての放電で、他の雷球は容赦なく魔物達を巻き込んで殺していた。

敵味方おかまいなしである。


「このような敵は、初めて見る・・・エアエレメンタルの突然変異体かもしれない。前衛は危険なので、一旦下がれ!!今から私が魔法陣での攻撃を仕掛ける。魔術師は攻撃を受けぬように結界強化と、牽制の魔法攻撃を!!」


セルゲイ達がふらふらと立ち上がり、こちらまで後退して来る。


「酷い目にあったぜ。オリハルコンの防具と防御結界がなければミンチになっているところだったぜ」

「大丈夫ですか?」

「まあこれぐらいダンジョン攻略してれば、よくある事よ」

「そうですか、俺はとてもじゃないけど、耐えられないです」

「ヒデキは後衛の魔術師、俺は前衛、これも仕事のうちだ。ヒデキは俺達の援護と離れての魔法攻撃が仕事だ。身体を張る必要はない」

「そう言ってもらえると少し気が楽になりますよ」


セルゲイの愚痴を聞きながら、援護の魔法を竜巻にぶつけるが、全く効果はなかった。

しかしエバートン5つの魔法陣の書き込みが完成し、魔力を込める。

魔法陣から暗闇が立つのぼり、ゆっくりと竜巻へ向かってゆき、その渦に巻き上げられて行った。

すると真黒な人型をした竜巻が立ち往生して、苦しみ始めた。

体内にある雷球は外へ放電することなしに、内部で爆雷を落とし続けている。

領域ボスが苦しんでいる間に、俺達はスノウグリズリーやスノウウルフを片付けて行った。

その数が0になった頃、ゴールド・エクリプスの面々が合流して来た。


「遅くなりました、敵は・・・」


エルザが尋ねたと同時に、黒い竜巻が収まり消え去った。

そこには黒い煤けた跡が残っているだけだった。

相変わらずエバートンの魔法陣術式は凄い・・・


「さて第5階層ボスと戦います。ヒデキ殿、最初から『奈落』をセットしておいて頂けますか?相手の実力を測ります」

「了解です」


俺も準備万端だ。

第5階層ボスへの扉は、自動的に開いていった。


氷のダンジョンのボス部屋に相応しく、玉座も氷で出来ていた。

その玉座にぽっと光が灯り、そこに腰掛ける者が現れる。

白いスーツに白いシルクハット・・・そして白い蝙蝠の羽・・・


「魔族・・・」


エバートンが緊張した声で呟く。

しかし俺はおかまいなしに『奈落』をぶちこんだ!!


「エッ!?」


『奈落』は全く発動しなかった。


「なるほど~初手で凄い魔法を使いますね~」


気が抜けるような声で、玉座の魔族がしゃべった。


「まさかここまで降りて来るとは思わないものなぁ~。ベリアル何やってたのかなぁ?いつもの悪い癖で、手を抜いたのかなぁ~仕方ない・・・僕がここで終わらせるねぇ~」


魔族がゆらりと立ち上がる。

異様な殺気を感じた。


「攻撃魔法全開!!連続して攻撃の暇を与えるな!!」


危険を察知したのか、エバートンが連続攻撃の命令を発した。

魔術師達が自分の最も得意とする攻撃魔法を繰り出し、ファイヤー・キャノン、ファイヤーボール、雷撃、闇魔法、ウィンド・カッターなどが乱れ飛ぶ。

俺はその隙にファイヤー・ゴーレムを召還する。

攻撃魔法が次々に途中で消滅して、途切れた瞬間にファーヤー・ゴーレムを魔族に突進させた。


「氷の部屋だからねぇ~攻撃としては間違ってないねぇ~でも・・・」

「何ぃ?」


魔族が右手を軽く翳すと、ファイヤー・ゴーレムの動きが止まってしまう。

そして・・・驚いた・・・炎が凍り始めたのだ!


「炎が凍る!?一体何が・・・」


俺は慌てて、ファイヤー・ゴーレムを魔法陣に戻そうとした。

が、遅かった。

凍りついたファイヤー・ゴーレムは、魔法陣に戻ることなく、粉々に砕け散ってしまった。

これって、この魔法陣はどうなるのだろう?

また別のファイヤー・ゴーレムを召還できるのだろうか?


「驚いたでしょ?このまま終わらせてあげるからねぇ~」


魔族は手を翳したままだ。

何も起こらない・・・と思っていたが・・・

とんでもなかった・・・






明日は仕事で出ているので、早めに投稿か、遅く日をまたぐかの投稿になりそうです。

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