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力の底上げ

今回までが準備です。


いよいよ明日がダンジョン再攻略へ向かう日だ。

今日は攻略メンバー全員の装備と戦力の底上げと再確認をする。

エバートン参謀、俺、エリー、クロエでガウラン伯爵邸へと向かう。


本日、俺の役目は重要だ。

全員の戦力を底上げするのに、色々検証した結果俺の魔力が必要だからだ。


間もなくガウラン辺境伯邸へ到着し、集合場所の広場へ向かう。

デトレフさんが早々に来て、執事のヘンドリクと談笑していた。

暫くすると、メンバーが集まり始める。

親衛隊、シルバーファング、ゴールドエ・クリプス、私設騎士団右翼中隊、左翼中隊、アイオロス、サラサ、パワーボム。

ダミアンがパワーボムと一緒にやって来た。

セルゲイはダミアンと仲が良いらしい。

最後にガウラン辺境伯が屋敷から足早に歩いて来る。

もっと威厳をもって、のしのしと歩けば良いのに・・・

前回の攻略の時と同じようにガウラン辺境伯とエバートンがお立ち台に立った。


「今日は明日のダンジョン攻略にそなえ、戦力の底上げを行う。なお、ここにいるメンバー以外の増援はない。今回のダンジョン攻略では、最低でもベリアルを倒す!!具体的は作戦は参謀より説明があるので、静聴するように!!」

「聞いたとおり、打倒ベリアルが最低目標です。だがそれは最低目標であり、私はベリアルに圧勝し、少なくとも第10階層の守護者まで辿り尽きたい」


ガウラン辺境伯の前口上を受け、エバートンがとうとうと説明を始める。


「ベリアルに対しては万全の戦略で臨むので、犠牲者無しで倒せる予定です・・・が、その先は、そうはいかないでしょう」


エバートンは全員をゆっくりと見回し、言った。


「必ず犠牲者は出ます。ここに死を恐れる者はいないとは思いますが、他の事情で死ぬわけにいかない者は、今名乗り出てください。メンバーから外します。責めはしません。また冒険者の諸君は前渡し金の返還も求めません」


エバートンは再び全員を見回した。

ここで意外な人物が話し始めた。


「親衛隊、私設騎士団には矜持プライドがあるだろう。だが俺達冒険者にはそこまでの矜持プライドはない。勝てない喧嘩はしないのが冒険者だ」


たまにしか聞けないセルゲイの真剣な声だった。


「だが、死ぬのが恐いならこんな辺境で冒険者はやっていない。どんなに安全マージンを取っても、不測の事態で冒険者は死ぬ。それが冒険者だ。危ない依頼は金になる。今回の前渡し金の額を見れば、どれだけ危険なのかは、アホでも分かる」


セルゲイが冒険者全員を見まわす。


「俺達3パーティは伊達にS級パーティを組んでいるわけじゃない!!死んだ場合の財産の行き先、連絡、全て段取りはつけてある。引き下がる冒険者はここにはいない!!そうだろ!!みんな!!」

「「「おおぉぉぉぉー」」」


冒険者全員が雄叫び(ウォークライ)を上げた。


「分かりました、それでは戦力の底上げを始めます。まずマジックアイテムの指輪を3つずつ配布します。どの指に嵌めても効果は変わりません」


親衛隊のリラさんではないメイドさんが指輪を皆に配って行く。


「効果は魔力の増加・・・約5割増加します。物理攻撃の無効・・・ベリアルが最初に使った物理攻撃ぐらいなら完全に無効化します。魔法攻撃に対するシールド・・・ガラス化や圧殺を無効化します」


さすがエバートン・・・ベリアルが見せた攻撃は指輪を嵌めるだけで、無効化していた。


「前衛職装備の方々は、こちらへ並んで下さい。装備の底上げをします。ヒデキ殿、お願いします」

「分かりました」

「?何をするんだ?今からヒデキが魔法を防御の魔法をかけるのか?明日でいいんじゃないのか?」


普通に考えればセルゲイの言う通りだろう。

だが、今回は違うのだ。

俺は大量の魔力回復ポーションが置いてある机の前に立った。


「いえ、言葉通りの意味です。論より証拠です。始めて下さい」


俺のスマホは未発動のフォルダから、1つに魔法陣を呼び出してある。

魔力を込め、フル装備のセルゲイに向けた

防具とバスターソードが光始める。


「こ、これは・・・?」


セルゲイは自分のバスターソードの光沢の変化に気がつき、コンコンと指で弾いた。


「ありえねえ・・・防具も剣もオリハルコンに変わりやがった・・・」

「「「!?」」」


数名を除いて、周りが驚いた。

数名とは俺、エリー、エバートン、ダミアン、ガウラン辺境伯、クロエだ。

5名のうち、ガウラン辺境伯を除いて、元素変換魔法は知っている。

ガウラン辺境伯が驚かなかったのは、単にエバートンなら、これぐらいの事は出来るだろうと思っているからだろう。

エリーやクロエ、ダミアンも使えるのだが、他の金属をオリハルコンに変えるのは、俺しか出来なかった。

で、机の上には大量の魔力回復ポーションである。


俺は、前衛職、後衛職でも投擲や弓など飛び道具、金属の胸当てなど、どんどんオリハルコンに変えていった。

それに合わせてポーションも減ってゆく。

オリハルコンはこの世界では最高で最硬の金属だ。

鋳造して武具を作るにも、ドワーフのような専門職の鍛冶屋か、S級の錬金術師のごく一部が作れる貴重品である。

俺の元素変換魔法陣は、ただの鉄もオリハルコンに変えてしまうのだ。


「ヒデキ!お前これで商売が出来るじゃねえか?」

「このポーションの減り具合見て、それ言いますか?」

「うっ!!そうか、そんなに魔力を使うのか?この魔法?」

「まあ世の中そんなに簡単にお金儲けはできないって事です」

「そうか、残念だな・・・」


オリハルコン変換のためには、指輪で増量した魔力プラス魔力回復ポーションでの重ドーピングが必要だったのだ。

ネトゲの重課金プレイヤーのようだ。

セルゲイと空しい会話をしている間に、全員の武具、防具のオリハルコン化は終了していた。

魔力回復ポーションで無理に魔力を回復した時の独特の気だるさが身体に残っている。


「ヒデキ殿ご苦労、休んで下さい」


用意してあった椅子に腰掛けた。


「「ヒデキ様どうぞ」」

「ありがとう」


エリーが汗拭き用の布を、クロエがお茶を持って来てくれた。


「さて、武具、防具の底上げは終了しました。今から即死以外回復できる治療魔法陣を全員に配布します。先に概要を言っておきますが、今回は魔力勝負になります」


俺は疲れた身体で、エバートンの話を聞いていた。


「ボス戦では、物理攻撃は殆ど通用しません。前衛職も魔力を使った攻撃をすることになります。方法は各個違いますので、この後、作戦を一人一人説明します。宜しいでしょうか?」

「ベリアルまでは確実に倒せますか?」


ダミアンが挙手をして、悲壮な決意が顔をしながら聞いた。


「倒せます。王国騎士団大隊の犠牲により、ベリアルの実力の一部が判明しました」


ダミアンの顔が歪む。


「私は前回の撤退より今日まで、ベリアルの戦力分析と、それに対抗する魔法陣、アイテムの製作をヒデキ殿の協力で行なって来ました。よって、先程も言いましたが、99%の確率で倒せます」


ダミアンの悲痛な顔はほっとした表情に変わった。

彼の心情は察するに余りある。

エバートンはダミアンの方を見て続けた。


「但し、第4階層以降の勝利確率は、当然ですが50%に下がります」

「それでも50%もある根拠は?」


親衛隊のヘンドリクが質問をした。

セルゲイとダミアン以外誰も口きく人がいたよ!!

何故かほっとした。


「今回の実力の底上げで、我々の戦力は皆の想像以上です。明日ダンジョンに挑めば直ぐに皆が納得します。これに関しては確信があります」

「承知いたしました。明日が楽しみです」

「他に質問がなければ、今から一人ずつ役割を説明して行きます。まず冒険者の方々、次に私設騎士団、最後に親衛隊の順番でお願いします。事前に説明が終わっている方々は、魔力回復ポーションを補給して、明日に備えて休んで下さい」


どうやら俺の役目は終わったようだ。


次回からダンジョン攻略が再開されます。


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