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解明

色々と謎の魔方陣を解明してゆく訳です。

俺はファイヤー・キャノンをメイドさんの分身に向けて放つ。

再三ダミーに魔法を使っていたので、ためらうことなく魔力が込められた。

メイドさんの分身が燃え上がる。

と同時にメイドさんの本体も燃え上がった。


「やはり、フィードバックが来ますね」


分身は完全に炭になっている。

本体のほうはぶすぶすと燻り、炭に成りきってはいなかった。


「ふむ・・8割ほどダメージがフィードバックされるようです」


ダメージが無ければ分身を変わりに闘わせることもできるが、無理か。


「戦いには使えませんね・・・」

「使いようによっては、そうでもありません」

「使いようとは?」


エバートンは問いには答えず、スクロールを1つ取り出して、燃え燻っている自動人形メイドさんの後ろに広げた。

魔法陣が広げられ、エバートンが軽く魔力を込めると、燻っていた黒こげのメイドさんが綺麗に回復した。

もちろんメイド服と下着は復活しない。

いや、できたかも知れないが、エバートンは必要と思わなかったのだろう。

全裸のメイドさんには、乳首も女性の象徴もなかった。

当たり前か。

俺の世界のラブドールではないのだから。


「常にこのように回復魔法を起動させておけば、本体は無事なまま戦闘が出来ます。ですが・・・」


エバートンはエリーのほうを見て言った。


「エリー殿、分身で行動した時に支障はありませんでしたか?魔力の総量とかどうでした?」


エリーはエバートンに直視され反射的にびくっとなったが、すぐに落着いて答えた。


「そうですね、普通に行動するにはまったく違和感はありませんでした。ですが・・思い起こせば、魔力を使った時に消耗が激しく感じられました」

「やはりそうでしたか、分身は本体よりも魔力量が少ないのでしょう。かなりの確率で体力も少ないはずです。分身が8割の性能だから、本体へのダメージが8割なのです」

「では10割同じ性能なら・・・」

「10割のフィードバッグになります。分身が死ねば、本体も死にますね」


この魔法陣を発明した物も、フィードバッグがあるために分身の力を8割にしたのでは、なかろうか?

使いどころが難しい魔法陣だ。


「今回のダンジョン攻略では戦力が落ちるので使えませんが、普段のダンジョン攻略や冒険などには便利ですよ。他にもわざと戦力を低く見せるとか、危険のともなう冒険や調査にも使えます」


言われてみれば、かなり使い勝手がよい魔法かも知れない。


「それに戦術によっては使えると思います。検討する価値は充分にあります」


考えるのは天才の頭脳にまかせてしまおう。


「次はどの魔法を検証しますか?」


エバートンは暫く考え、


「分身の魔法と同じ場所にあった魔法で気になる魔法がいくつかあります」

「どれでしょうか?」


エバートンに未発動の魔法陣を見せてゆく。


「2番目と5番目と7番目と9番目と11番目を検証したいですね」

「分りました。順番に検証して行きましょう」

「大まかな内容を口頭で説明していただけると助かります」

「あ、はい、了解しました」


『スーパーノヴァ』の魔法陣を呼び出す。


「これは、対象を完全に消滅させることが出来ます」

「完全に消滅・・・ですか?」

「百聞は一見にしかず。ご覧下さい」


まいどのダミーに向かって、攻撃をする。

光がほとばしると、ダミーは影も形もなくなっていた。


「・・・確かに・・・存在が消滅していますね・・・転移かと思いましたが、この世界から消滅しています。この攻撃はベリアルに試してみる価値はあります」

「次行きます」


『不可視』の魔法陣を呼び出した。


「これは自分の姿を消します。しかもこちらからは触れる事ができるのに、相手からは触れることが出来ないのです」

「!?見せて下さい」


魔法陣に魔力を込める。

自分では分らないが、姿は消えているはずだ。


「どうですか?消えましたか?」

「消えました。私の方に来て、このスクロールを持っていただけますか?」

「分りました」


エバートンの近くまで行って、広がったスクロールをくるくると巻いて持ち上げた。

その間にエバートンは俺の腕や身体があると思われる空間を手で探っていた。


「触れている感じがないですよね?俺から見れば、エバートン参謀の腕は俺の腹に食い込んで見えます」

「・・・食い込んで・・・なるほど段々分って来ました。ヒデキ殿、近いほうのメイドに触れてみて下さい」

「了解しました。触りますよ」


メイドさんに近付いて、分るように軽く腕を持って、持ち上げた。

いたずらでスカートを捲るか、胸を揉もうかと思ったが、エリーが怒りそうなので、やめておいた。


「ヒデキ殿に軽いライトニングボルトを流せ!!」


エバートンがメイドさんに命令する。

メイドさんの身体が放電して、光った。

だが、全く電撃を感じることはなかった。


「電気が流れる感触はありません」


俺がエバートンに報告する。


「分りました、これはベリアルが最後に見せた攻撃に近いですね。素晴らしい!!ですが・・・」

「?ですが・・・?」

「もう一度魔法陣を見せて下さい。私の記憶が間違っていなければ・・・」


俺はエバートンに魔法陣を見せた。


「やはり・・・この魔法陣はヒデキ殿しか発動できません」

「?どういう意味ですか?」

「この魔法陣は最初に発動した者の名前が刻まれる、特定魔法陣なのです。ほら、ここにヒデキ殿の名前が刻まれています」


エバートンが指差す。

なるほど、これがヒデキと書いてあるのか・・・自分の名前の文字を覚えた。


「では、この部分を別の名前にするか、空白で他の人が発動させれば、良いのでは?」

「いえ、空白にしても、名前を変えても発動しません。それが特定魔法陣と言うものなのです」

「じゃあ、エリーが発動していたら・・・?」

「エリー殿しか発動できなかったでしょうな」

「そうですか・・・複雑ですね。エリーのほうが良かったかな?」

「そんな事ありません!!」


エリーが割って入った。

7番目の『シールド』を用意する。


「どれぐらい強いか分りませんが、シールドが身体をぴったりと覆います」


言いながら、魔力を込めると身体をシールドが覆ったのを証明するように少し輝いた。


「・・・それは・・・シールドではありませんね・・・」

「え?では何なのでしょう?」

「簡単ですよ、ブースターです、この机を持ち上げて見て下さい」

「ブースター??」


机を持ち上げようと少し力を入れてみた。

片手で簡単に持ち上がってしまった・・・

6畳くらいの広さがある机が・・・


「これは、前衛の戦士に使えますね。ブースト力が桁外れだ」


名前を『ブースター』に変えた。


魔術師の俺がこの怪力になるのだ、セルゲイあたりに使えば・・・想像するだけで恐ろしい。


「では9番目お願いします」

「あ、これは単純です。孔が開いて、落下し続けます」


9番目の『奈落』を呼び出しながら、エバートンに説明する。

ダミーの足元に孔が開き、落ちて行った。


「ふむ、確かに落ち続けている、これもベリアルに試す価値があります」


11番目、『エクセレントヒール』これが謎の魔法だ。

どう説明しよう?


「次がよく分らない魔法なのです。朝の修練場で巻き藁に使用したら、巻き藁の木の部分から根が生え枝が伸び、枯れた藁も青々としました」

「それは是非見てみたいですね、少々お待ちを、あそこリースを持って来てくれ・・・そうだそこに置いて」


メイドさんが、壁に飾ってあったリースをはずして、床に置いた。

魔法陣に魔力を込めると、リースのドライフラワーは瑞々しくなり、リースの土台に使われていた、蔦の枝は緑色の葉を茂らせた。


「これは凄い!!では、こちらでも試して見て下さい」

「分りました、魔力補給して続けます」


俺はポーションを飲み、再び魔力を込める。

対象はダミーのメイドさんだ・・・・

どうなるのか結果がさっぱり分らない。

ダミーメイドさんの目に光が宿った。


「ヒデキ様・・・ご命令を・・・」


ダミーのメイドさんが喋った。


「ヒデキ殿、衣服を脱ぐよう命令して下さい」

「え、あ、はい」

「いいえ、その必要はありません、私が確かめます!!」


エリーが強引に、メイドさんの所に行き、スカートの中に手を突っ込んだ。

ごそごそと探っている。

なかなかエロい光景だ。


「完全に女の身体です」


エリーが振り返り宣言した。


「なるほど、最初は死者を蘇えらせるリザレクトだと思いましたが・・・違いますね。新たな命を生み出せる魔法です・・・これも特定魔法陣ですね」

「現時点では使用用途がないですね・・・それより、この子はどうしましょう?」

「ヒデキ殿が生み出したのです。メイドとして使って下さい。それに能力も知りたいですね」


そうか、やはり俺が面倒見ることになるのか・・・

この魔法陣は使い方を気をつけなければな・・・





先のプロットへの複線を貼りまくったのが、少し気になりましたが、さりげなく複線を張る力量がないので、ご容赦を。

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