6大魔法
記念すべき50話目ですが、今日は仕事で遅くなり帰宅してからだと投稿が間に合わないかもしれませんので、今朝書き上げました。今投稿します。時間指定とかミスるといやなので・・・一度投稿遅れましたが、他は毎日投稿できました。これからもプロットのストックがある限り、毎日投稿してゆきます。
「ヒデキ様、ただ今戻りました」
複製エリーは、俺にショルダーバッグを渡しながら言った。
その後椅子に座ったエリーに意識が戻り、複製は消えた。
「エリー、お疲れ様。ありがとう、複製の身体は問題なかったか?」
「はい、支障はありませんでした」
俺はバッグから、久しぶりにA4のレポート用紙と。ボールペンを取り出した。
「エバートンさん、『欠如』の魔方陣はどうでしたか?」
「45個は何の魔方陣か分りました。そのうち7個は有用です。ヒデキ殿の魔方陣と被っていなければ、復活させましょう。問題は私の知らない魔方陣が5つ。これは検証に値すると思います。2、5、6、9、10、34、46番目が有用な魔方陣、7、24、31、49.50番目が未知の魔方陣です」
「!?一度見ただけで、全部の魔法陣の順番を覚えているのですか?」
「私は一度見たものは忘れないのです」
瞬間記憶能力者・・・俺が前の世界で知っている能力者は漫画の神様がそうだった。
この世界にもいるのだな!!
「スマホの画面の見方もわかりました。全部の魔法陣を見たいのですが、よろしいですか?」
「はい、お願いします」
「すこし時間がかかりますので、お茶のおかわりを持ってこさせましょう」
エバートンはメイドに命令して、すぐにスマホの画面を見始めた。
すぐにお茶のおかわりが運ばれて来て、メイドさんがカップを取り替えてくれた。
エバートンは時々驚いたような表情を浮かべながら、画面を見続けた。
1時間ほど経って、エバートンが俺にスマホを戻して来た。
「ありがとう御座います。久しぶりに大量の有益な情報を得られました。しかし、ヒデキ殿の世界の文字は、実に合理的ですな。いずれ教わりたいものです」
「俺もこちらの文字を覚えたいので、こちらもお願いしたいです」
「食事や休憩の時間に少しお教えしましょう。本格的には今回の魔族対策が終わりましたら、時間を取りましょう。さて、欠如でしたかな?その中の魔法陣ですが、ヒデキ殿の所有されている魔法陣と被りはありません。合計12個、全て復活させましょう」
「できるのですか?」
「可能です・・・が、ここでは作業し辛いですね。研究室に移動しましょう」
エバートンが席を立ち、俺とエリーも立ち上がった。
「こちらです」
エバートンが部屋を出て廊下を進む、そのすぐ後に俺とエリー、その後ろにメイドさん二人が続く。
左右に2つずつ扉があるが、そこには入らず玄関に突き当たって、左に曲がった。
何も無い壁があるだけ・・・と思ったら、エバートンが左手の中指に嵌っている指輪をかざすと、いきなり扉が現れた。
しかも扉は自動で開く。
どれほどの魔法が使われているのだろう?
驚きの連続だ。
「どうぞ、こちらです」
エバートンに続いて部屋に入ると、度肝を抜かれた!
ダンジョンのコロシアムほどの広さの部屋が広がっていたのだ。
左右の壁には、天井までの高さがある大きな本棚が並び、その高さは3メートルはあった。
そこにぎっしりと分厚い本が並んでいて、本を取るための脚立もおいてある。
国立国会図書館のようだ。
書棚が左右に広がり、部屋は様々な実験器具が多数大きな机に並んでいる。
奥の正面には何もない大きな机があった。
机の下には大きな檻があり、檻の中には何もいなかった。(透明な生き物でも入っていなければ)
と、ここでエリーが立ち止まった。
「どうしたエリー?」
(ヒデキ様、あの檻・・・私が入れられていた檻です)
(!!そうか!でも動揺するな!ばれているわけではないからな)
(は、はい)
「こちらへどうぞ!どうされました?」
「いえ、あまりの蔵書の多さに圧倒されまして」
(ほら、エリー行くぞ!!)
(はい)
念話でエリーを促して、先へ進んだ。
エバートンが机の向こう側に立ち、後ろに置いてある大きな棚からスクロールを何枚も取り出した。
机にスクロールが広げられると、当然のように魔法陣が書き込んであった。
「魔法陣と言うものは、基本の部分は全て同じです。魔力の入力、魔法の発動、この行程はどのような魔法陣でも同じなのです。そこに魔力の行使対象、属性、強さ、魔法の内容を書き込んで、魔法陣を完成させるのです」
よく見ると机に置かれた魔法陣には隙間があった。
魔法陣を360度の円として考えれば、5分の1ほどの書き込まれていない部分があるのだ。
つまり、この隙間に必要なことを書き込めば完成というわけだ。
「魔法の種類が分かっている7つは、すぐに書き込めますので少々ここでお待ち下さい。ああ、そうだ、書き込んでいる間に・・・」
エバートンはでかい書棚の中から、一冊の本を取り出した。
10センチくらいの分厚い本だ。
「これは500年前に大賢者フィロゾが組んだ6大魔法陣です。今まで発動させた者は誰もおりません。ですが、ヒデキ様の世界の技術を使えば発動できるのではないでしょうか?私の書き込みが終わるまで、試していただけませんか?」
6大魔法?でこの本の厚さ?
ページを開いて見ておどろいた。
とてつもない文字量と魔法陣が10ページずつ、合計6組書き込んである。
この厚さで6つだけ?
とんでもない魔法書だった。
「魔法陣の前にある文章は、呪文です。長すぎて誰も詠唱できません。朗読しても時間がかかりすぎて、発動しないのです。文章の後に10個すつ書いてある魔方陣が複合魔法陣です。魔力の消費量は想像できません。魔力回復ポーションをお出ししますので、是非挑戦なさって下さい」
「・・・俺にはとても発動できるとは思いませんが・・・そうですね、やってみましょう」
メイドさんが魔力回復ポーションを2ダース24本持って来てくれた。
その間に俺は6組の魔法陣の写真を撮り、6大魔法というフォルダに小フォルダを6つ作り、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)、υ(イプシロン)、ζ(ゼータ)と名付けた。
「こちらで実験して下さい。どのような魔法が発動しようが、この部屋の外へは影響がありません」
エバートンが左手の指輪をかざすと、エバートンの後ろに再び部屋が現れた。
この実験室だけでも屋敷より広いと思うのだが、どうなっているのだろう?
エリーと部屋に入った。
何もない空間が広がっている。
メイドさんが魔力回復ポーション運んでくれたので、俺とエリーで1本ずつ飲んだ。
「さあ、6大魔法α(アルファ)行ってみるか!まずは俺がやってみる」
α(アルファ)のフォルダを開き10個の魔法陣をスライドショーにして、魔力を流し込んだ。
1・2・3・4・・・4個目の魔法陣のところまでは持ったが、5個目の途中でぶっ倒れた。
「ヒデキ様!!しっかりして下さい!!」
エリーに抱き起こされ、無理やり魔力回復ポーションを口に流し込まれた。
少し眩暈がするが、起き上がった。
これは無理だ。
全くもって、魔力量が足りない。
エリーも俺より少し多い魔力量しかないから、無理だろう。
「ヒデキ様、私もやってみます!」
「いや、どう考えても無理だろう?」
「もしかしたら、魔法陣との相性があるのかも知れません。やらせて下さい」
エリーがやる気満々だ。
何がエリーを突き動かしているのか?
魔力回復ポーションもまだまだある。
エリーにも一度挑戦させてみるか?
「分った、エリーやってみてくれ」
「はい!!」
α(アルファ)のスライドショーを開始する。
エリーが魔力を込め始めた。
予想通り、6個目の途中でエリーが倒れた!!
「エリー!!しっかりしろ!!」
エリーを抱き起こして、ポーションを飲まそうとしたが、口を開かない。
仕方がないので、俺がポーションを口に含み、口移しでポーションを流し込んだ。
エリーが嬉しそうに、俺の首に抱きつき、貪るようにポーションを飲んだ。
どう考えても、わざとだ・・・
そう簡単に大魔法とか使えるものではありません。
それと本編で「瞬間記憶能力者」と言う単語を使っていますが、そんなご都合主義の設定あるか!
と思われた方もいると思います。
ですが、私はこの能力を持っている人に2人会ったことがあります。
一人は本編でも触れていますが、マンガの神様 手塚治虫先生。
こちらは「ブラックジャック創作秘話」と「手塚治虫物語」にも描かれていますから、ご存知の方もいると思います。
もう一人も漫画家で小沢さとる先生(青の6号、サブマリン707で有名)です。
仕事で何度かお会いした事があるのですが、写真資料なしで緻密な背景をすらすらと描かれておられました。何年か前に伊豆に行ったときの町並みだとおっしゃってました。
また、先生の著書に「黄色い零戦」がありますが、この時の零戦も写真資料なしで描かれたそうです。
後でプラモデルを組み立ててみて、少し間違っていたと、笑っておられました。
ですから、瞬間記憶能力者は決して架空の存在ではないと、付け加えさせていただきます。




