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第1階層ボス

プロットから小説に書き起こすのは、わりと簡単なのですが、プロットを書くとなると、最近遅々として進みません。ストックが少なくなってきました。

どこかで書き溜めしなければ・・・

領域ボスの広場に全員で足を踏み入れ、ボスが現れるのを警戒しながら待った。

広場の中央にぽうっと、冷たく青白い光が点った。

一個、二個、三個だ。


「来るぞ・・・」


誰ともなく呟いた。

三つの青白い光はゆらゆらと揺れて一気に膨れあった。


「全員囲め!!」


8人で3つの炎を遠巻きに取り囲んだ。

やがて領域守護者とその従者2匹が姿を表した。


中心の炎は、黒ずくめの男に変わった。

黒のマントにスーツ姿。

マントの裏地は赤、そして目も真赤だった。

そして口元からは二本の牙が覗いて見える。

こいつは明らかに・・・・・


吸血鬼ヴァンパイヤ!!」


俺の代わりにリーナが叫んだ。

やはりそうか・・・


「全員、対吸血鬼ヴァンパイヤ装備!!」


前衛の者は武器の刃に銀を塗って構えた。

そして、残り2つの炎からは・・・さも当然のようにライカンスロープが二体。

ご丁寧に金色と銀色だ。

俺はスマホを取り出し、ショートカットから1つのフォルダを選んで開いた。

と、その時デトレフさんが俺に話しかけた。


「ヒデキ殿、コロシアムで使ったような、連続攻撃魔法は、相当魔力を消費するのであろう?」

「ええ、そうですが、魔力回復ポーションも持って来ていますので、大丈夫ですよ」

「いや、ここは魔力の消費は極力抑えたほうが良い」

「それは?」

「まだ1階層であるのに、領域守護者がヴァンパイヤだ。この先どのような敵が出てくるかは、想像ができない。だからここは連続攻撃魔法は控えて欲しい」


ああ、なるほど。

失念していたが、まだ第1階層だった。


「確かにそうですね、では精神系魔法単発に抑えます」

「うむ、そうしてくれ!!それに無理に倒す必要はないのだ!」

「何故ですか?」

「時間を稼いでいれば、後続がすぐにやって来るからさ、後続のパーティが来てから、一緒に倒せば良い。パワーボムか騎士団が来るのを待とう!」

「確かに!!」


そのとおりだ。

別に無理に先行する必要はないのだ。


デトレフさんはそう言って、離れて行った。

俺はスマホの画面を、対アンデッド用単発に変えてローブのポケットに入れた。

俺の生命線であるスマホは、ローブの内ポケットの中でも、防御結界が張れる破損防止用ポケットに入れてある。

俺が戦闘準備をしている間に、前衛はライカンスロープ2匹とヴァンパイヤとの小競り合いを始めていた。

基本は相手の攻撃を受けて、反撃する・・・どちらかと言えば防戦をメインに据える戦法だった。


俺はヴァンパイヤに上級魔法のエルメキア・クラウドを叩き込んでみた。

ヴァンパイヤは自分のマントで軽く防いだ。

上位の魔物はさすがに違う。

前衛陣は相変わらず、金狼と銀狼の攻撃を防ぎながら、カウンター攻撃をしている。


ヴァンパイヤが俺の攻撃を防いだマントを広げると、大量の吸血蝙蝠ヴァンパイヤバットが出現した。

リーナとエリーがすかさずファイヤー・ボールとファイヤー・キャノンを叩き込んでその数を減らす。

俺は吸血蝙蝠ヴァンパイヤバットをリーナとエリーにまかせ、再びヴァンパイヤにエルメキア・クラウドを叩き込んでみた。


ヴァンパイヤがマントを広げ、再び眷属を召還した。

今度はブラックウルフだ。

その数は30頭ぐらい。

丁度、吸血蝙蝠ヴァンパイヤバットを殲滅したリーナとエリーが迎撃に入ったが、ブラックウルフは散らばって、攻撃を開始した。

前衛も人狼達を牽制しながら、ブラックウルフを撃退する。

俺はすこし考えたが、変わらずヴァンパイヤに攻撃を続けた。

リーナとエリーがブラックウルフを1頭ずつ魔法で倒して行く。


ヴァンパイヤが再び吸血蝙蝠ヴァンパイヤバットを召還する。

ふと思ったのだが、あのヴァンパイヤ・・・張子の虎じゃないのか?

さっきから、眷属の召還しかしない。


「デトレフさん、あいつ実は召還しか出来ないのでは?」

「どうも、そうらしいな、しかし、雑魚でもこうしつこく召還されると、やっかいではあるな・・・ヒデキ殿、奴に対アンデッドの魔法を一度だけでよいから、連発を頼む」

「わかりまし・・」


俺が答えようとした瞬間、後方から数多くの対アンデッド魔法が飛んできた。

振り返ると、ガウラン辺境伯私設騎士団が到着していた。


「ヒデキ殿、さきほどの要請は撤回だ、後は騎士団に任せる」

「了解です」


その間に騎士団は俺達の横を通り過ぎ、吸血蝙蝠ヴァンパイヤバットとブラックウルフを片付けながら、ヴァンパイヤと2匹の人狼に切りかかっていた。

迅速で無駄がない。

これがガウラン私設騎士団の実力か!!


人狼2匹はエストックで動きを封じられ、その隙に首を切り落とされた。

ヴァンパイヤのほうは、眷属の召還を続けようとしたが、対アンデッド用の魔法を連続して受け、怯んだところを前衛に滅多切りにされた。

ばらばらにされた所を、炎系の魔法で灰にされ、水系の魔法で洗い流された。

あっと言う間に領域ボスは攻略された。


「凄い!!」

俺は思わず唸った。


隊長のアイオロスがこちらへやって来た。


「ご苦労様です、敵を引き付けていただいていたおかげで、簡単に攻略できました」

「いやいや、助かりました、引き続きよろしくお願いします」

「こちらこそ、こちらは少し休憩してボスに挑もうと思いますが、デトレフ殿の方はどうされますか?」

「我々は元々遊軍です、騎士団に合わせて動きますよ。それに休憩している間に他2パーティも合流すると思いますので」


デトレフさんとアイオロスが話している間に、パワーボム、ゴールド・エクリプスの面々が合流した。


「一番乗りを逃したか、あの時逆を選んでいればなあ・・・」


セルゲイが悔しそうに言った。


「今回の攻略は競争ではないぞ!セルゲイ」

「分ってるよ!さあ、さっさと次に行こうぜ!騎士団の皆さんよ!」


ゴールド・エクリプスのリーダー、エルザに窘められてセルゲイは矛先を騎士団に向けた。


「もちろんだ、今から突入する、遊軍の任、お願いする!セルゲイ殿!」

「お、おう!任しておけ!!」


どこまでも真面目なアイオロス隊長の言葉に、セルゲイが気圧されて答える。


「これより、第1階層のボス部屋に突入する!!戦闘準備!!」


休憩の時でも、規律ある姿勢を崩していなかった騎士団がボス部屋に向かう。

ボス部屋の扉は、石造りで幅は10メートル以上ある両開きの扉だった。

ドアの両側には何やら文様のようなものが彫ってある。

この文様が扉の開閉を司っているらしい。

内から開く時は?と思ったが、ガウラン辺境伯邸の門も内からの開閉は出来たので、問題はないのだろう。

解錠の呪文と同時に扉がゆっくりと開き始める。


「突入!!」


アイオロスの声ともに、騎士団が素早く突入して言った。


「続くぞ!!お前ら!!遅れを取るなぁー!!」


何故かデトレフさんではなく、セルゲイが大声で号令をかけた。

誰も返事はしなかったが、皆、騎士団に続いて突入した。


中に入ると騎士団達が、凄まじい喧騒の中闘い始めていた。

闘っている敵は・・・


扉を抜けた先はコロシアムと同じくらいの空間が広がっていた。

騎士達が戦っていたのは、そのコロシアムで戦った腕が6本の石像5体。

その奥にはリッチ?いやエルダーリッチが5体。

さらに奥には玉座のような椅子に、先ほどとは明らかに迫力の違うヴァンパイヤが座っていた。

騎士団は前衛職がそれぞれ石像5体の攻撃を凌ぎ、後衛職がエルダーリッチの魔法攻撃を防ぎつつ、攻撃魔法を放っていた。


そこに冒険者パーティの各前衛が乱入して、あっと言う間に石像5体を押し込んだ。

エルダーリッチにも対アンデッド用の攻撃魔法が飛び、防御魔法になった。

俺はここぞとばかりに、先ほど用意した連続魔法を奥の玉座にいるヴァンパイヤにぶつけてみた。

一瞬ヴァンパイヤの眼が赤く光り、その身体が霧散した。

霧散した身体が5つに別れ、それぞれライカンスロープになって、前衛に襲い掛かった。


「ヴァンパイヤは何処だ?!」


俺は辺りを探った。

その時嫌な予感がして振り返ると、ヴァンパイヤがそこにいた。


「なッ!!」


ヴァンパイヤは無言で俺の喉に手を伸ばし、軽く俺を持ち上げた。


「グゥ・・・」


一瞬で頚動脈が圧迫され、気が遠くなる。


「くびり殺してやる!!」


ヴァンパイヤがにやりと笑った。


ダンジョン攻略、漸くボスにたどり着きました。


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