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コロシアム

第1階層攻略は進みます。

俺の放った魔法が急降下して来たガーゴイルを襲う。

ストーン・キャノン、ファイヤー・キャノン、アイス・ピラーが連続して5回ガーゴイルを襲った。

つまり15回の連続魔法攻撃だ。

一個ははずれたが、14個の魔法はガーゴイルを直撃して墜落させていた。

これで半分以上のガーゴイルを落としたことになる。


残りのガーゴイルが驚いて攻撃を逡巡している間に、エリーとリーナがガーゴイルを3体ずつ落とし、体勢を立て直したガーゴイルも数が減ったため、波状攻撃が薄くなってきた。

まばらになったガーゴイルの攻撃を、俺とエリー、リーナが落として行く。


石像を見れば攻撃パターンが変わり、前2本、後ろ2本の刀で前後同時攻撃をしていた。

近接の4人は防戦、ヴィレムが弓で攻撃しているが、簡単に刀で防がれていた。

早く魔術師が攻撃に参加しなければまずい。


俺は今一度ショートカット画面を呼び出す。

魔力を全力で込め、そのまま魔法攻撃15連発をガーゴイルにぶち込んだ。

今度は全弾命中し、しかもファイヤー・キャノンは4体をまとめて落としていた。


「エリー、リーナ、後は頼む!!」

「はい、ヒデキ様!お任せ下さい!」

「了解!!隊長たちの援護お願い!」


俺はスマホ画面をそのままにして、石像の後ろに回りこんだ。

ショートカットのフォルダを開き、魔力を込める。

15発の魔法が石像の後頭部に全段命中した。

石像の攻撃が止まり、跪いた。

その隙を見逃さず、デトレフさん他3名が切りかかる、4人の攻撃に石像の腕3本が切り落とされた。

こうなれば、もはや石像に勝ち目はないだろう。


俺はエリーの横に戻った。

こちらは丁度エリーとリーナが最後のガーゴイルを撃ち落した所だった。

石像も残りの腕と首を落とされ、決着がついた。


「ふう・・・」


戦闘が終わり、俺は気が抜けたように、腰を落とした。

気が抜けたようにと言うか、魔力の急激な消耗が堪えたみたいだ。


「ヒデキ様、大丈夫ですか?」


エリーが駆け寄って来た。

俺は立ち上がり、膝についた汚れを払った。


「大丈夫だ。急激に魔力を消耗したから、力が抜けただけだ」

「ポーションを飲みますか?」

「いや、そこまで消耗していない」

「そうですか、ポーションなら目一杯持って来ていますから」

「俺もだよ、先は長い、大事に使おう」

「はい!!」


エリーは俺を見て、にっこりと笑った。


「ヒデキ殿、助かったぞ!しかし驚いた!」


デトレフさんが近付いて来て、俺の肩に手をおいて言った。


「全くです、どうすればあのようなことが出来るのです?」

「本当です!!属性の違う魔法を3種類5連続なんて不可能ですよ!!」


クラウスが俺に質問し、リーナが驚嘆の声を上げた。


「企業秘密にしておいて下さい」

「き?まあ、秘密って事ですね・・・残念だけど、独自の魔法は魔術師の生命線ですからね」


リーナが良い方に解釈してくれたので、これ以上の追及はなかった。

どちらにせよ、説明するのは難しいので助かった。

種明かしすると、ストーン・キャノン、ファイヤー・キャノン、アイス・ピラーの魔方陣の画像データを連続5回並べたフォルダを呼び出して、3種類15個の画像データをスライドショーで流したのだ。

スライドショーが流れている間、魔力を込め続ければ、攻撃魔法連続発射の完成である。

こんなにうまく行くとは自分でも思わなかった。


「デトレフ隊長、探索しましたが、隠し扉はありませんでした」


ベッツがデトレフさんに報告した。


「そうか、コロシアムだから、恐らくそうではないかとは思ったが、我々の選んだ道は不正解だったか・・・よし、戻るぞ!!皆良いか?」

「「「「はい!!」」」」


シルバーファングの面々が返事をして、同じ隊列で来た道を引き返す。

イグナーツが石像の持っていた青龍刀4本をラージシールドに括り付けて運んでいた。


「武器はいくらあっても困らない」


俺が青龍刀を見ていたら、イグナーツが説明してくれた。

それにしても、ラージシールドに青龍刀を4本・・・すごい力だ。

皆黙々と早足で来た道を戻って行く。

早ければ早いほど、モンスターや罠が復活しないそうだ。

シルバーファングだけのルートになってから、2時間ぐらいかかった行きだったが、帰りは早い。

30分ぐらいで、分岐点に戻って来た。

床を見ると、ゴールド・エクリプスが進んだ方向への矢印に×がつけてあった。


「ふむ、ゴールド・エクリプスもはずれだったか・・・」


デトレフさんは自分たちが進んだ方の矢印にも×をつけて戻り始めた。

なるほどこれで、ルートを潰してゆく訳だ。

ゴールド・エクリプスが先に戻っているため、罠もモンスターも復活していないので、すんなりとパワーボムと分かれた所まで戻って来た。

パワーボムが進んだ道へは×がついていなかった。


「さて、どうするか?」

「こちらへ行くのではないのですか?」


俺は首を傾げながら、デトレフさんに聞いた。


「こちらはゴールド・エクリプスが向かっているだろう。騎士団が3チーム分かれていればいいが、基本騎士団は中隊を分けることはない。だから騎士団の方へ進めば、まだ分岐しているかも知れないのだよ」

「なるほど・・・では?」

「うむ、騎士団との分岐店まで戻ろう」


デトレフさんが俺達の進んだ方向へ×を書きながら言った。

騎士団との分岐まで戻り、今度は×を書かずに騎士団の進んだ道へ入った。

やはりモンスターのポップも罠の再稼動もなくスムーズに進む。

間もなく、やはりと言うか分岐点にたどり着いた。

矢印は左を指していた。


「やはり分けなかったな、これが我々冒険者との違いだ。騎士団は多くで進んで、正解でなければ、素早く戻る・・・このやり方も間違いではない。どちらが正解というのはないのさ」


デトレフさんが右への矢印を書きながら言った。


「さあ行こう!案外我々が一番乗りになるかも知れないぞ!」


一番乗りにならなくてもいいけどなあ・・・などと思いながら進んだ。

未踏破の道なので、当然進みは遅くなる。

罠の解除、魔物の排除をしながら進むからだ。

もしこの道が正解ならば、他を進んだパーティや騎士団が追いついて来る可能性もある。

そこまで考えていて疑問が出てきたので、近くを歩くリーナに聞いてみた。


「次の階層へ行くためのボス部屋への道は、一通りなのかな?」

「?・・・ああ!!他の道でもボス部屋に行けるのではないか?という質問ですね?」


リーナは少し考え、俺の質問の意味と汲み取って答えてくれた。


「それは今までのダンジョン攻略史ではないですね、例外としてランダムテレポーターによるボス部屋直行という事はたまにあるそうです」


なるほど、この世界のダンジョンはそうなっているのか・・・

道が交差する事はないのだな。

リーナにダンジョンの説明を受けていたら、少し広い場所に出た。

またコロシアム?と思ったが違った。

パーティは広場に入る一歩手前で立ち止まった。


「どうやら、我々が当たりを引いたぞ!!」

「当たり?」

「そう、この先にボス部屋があり、第2階層への入り口がある」


俺の疑問の声にデトレフさんは解説してくれた。


「そしてこの空間は、ボス部屋の入り口を守護する、領域ボスの空間だ!!一歩でも踏み込めば、領域ボスがポップする」

「領域ボスですか?強いのですか?」

「先ほどコロシアムでの戦闘、あれが目安になる」

「コロシアム・・・石像とガーゴイル」

「そうだ、コロシアムは探索者を殲滅するための場所だ、この領域ボスの空間はそれに匹敵する」

「なるほど・・・」


あのレベルの敵が現れるのか。

魔力はまだある・・・例のスライドショー魔法を使えば、いける気がする。


「デトレフ隊長、進みますか?それとも後続を待ちますか?」


クラウスがデトレフさんに聞いた。


「ヒデキ殿、魔力は?」

「大丈夫です、まだいけますよ。それに魔力回復ポーションも目一杯買い込んで来ています」


俺は自信満々に答えた。


「よし、全員これより領域ボスとの戦闘を開始する!!」

「「「おう!!」」」


全員が一番乗りの昂ぶりに煽られたのか、大きな声で応えた!!



次回も第1階層攻略は続きます。

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