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強敵

今日は、すらすらとプロットを小説に出来ました。

いつもこうならいいのですが

デトレフさんが剣を振い、俺がストーン・キャノンを放つ。

エリーがトロールを牽制する。

トロールの再生能力は洒落ではすまなかった。

切り口は即再生どころか、腕を切り落としてもすぐに生えてくる。

燃える速度よりも、再生の速度が上回る。

トロールの攻撃はスライムの時と同じで、単調だ。

のろのろと突進して来ては、なぐりかかるだけである。

たまに掴みかかろうともしてくるが、どちらも回避は簡単だった。


まあ足止めとしては、成立しているのが救いだ。

村人が逃げおおせる時間を稼いだら、俺達も撤退すれば良いのだ。

もしかしたら、ブルネルの冒険者ギルドからの討伐隊も間に合うかもしれない。

俺達にはまだ余裕があった。

だが、そう思った矢先に、再びアラーム結界が鳴響いた。


「今度は何だ?何が来た?」


デトレフさんが一歩下がって距離を取り、ダウの森の方を見た。

俺も釣られて、見る。


「こいつはやばいぞ!!」


デトレフさんが警告を発した。

見れば、すさまじい速度で、黒い群れが近づきつつあった。


「何だ?あれ?」

「ブラックウルフの群だ!!しかもシルバーウルフも混ざっていやがる!!」


その魔物の知識はなかったが、デトレフさんの態度からも、危険度が跳ね上がったのは理解できた。

普通に考えても、ノーマの結界を越えてくる狼の群れだ。

尋常ではない。


「ヒデキ殿、あんただけでも逃げて、村人に知らせてくれ、少しなら時間を稼ぐから」


それは自分が犠牲になるから、俺は逃げろと言っているのと同義だ。

さすがにそれは出来ない。

人として、他人を犠牲にして助かるなぞ、決して出来ない!!

しかも、まだ俺は切り札を切っていないのだから。

俺は決断した。


「冗談は言わないで下さいよ!デトレフさん!!今から奥の手を使います、できれば御内密に頼みますよ」

「奥の手?」

「エリー!!奴らを焼き払え!!最大出力だ!!」


デトレフさんの問いには答えず、俺はエリーに命令した。

エリーも決意したように聞きなおす。


(よろしいのですね?)

「構わん、幸い村人もいない、やってくれ!!」

(承知しました!!)


エリーが俺の前に出て、いつも通り溜めを作った。

ライトグリーンの肌が、褐色へと変化し、彼女の周りに大きな魔法陣が顕現した。

彼女の殺気に当てられ、ブラックウルフの群が急停止した。

それに合わせて、トロール達の動きも止まった。


「何だと?焼き払うって?そのトカゲ一体?・・・」


デトレフさんさえもエリーの殺気に身じろぎをした。

その刹那、エリーから強大なファイヤー・ブレスが魔物達を直撃した。

前方180度ファイヤー・ブレスに魔法のファイヤー・キャノンも合わさり、とてつもない火力がトロールとブラックウルフの群を襲う。


「サ、サラマンダー!!!」


デトレフさんから驚愕の声が上がった。

人里に入ったらトカゲという事で通そうと、俺とエリーで決めていたのだが、ばれてしまった。

エリーはブルネルで実験動物のように飼われているところを逃げ出した過去がある。

ドラゴンとなれば、手配されている可能性もあるので、隠すことにしたのだ。

しかし今は非常事態だ。

デトレフさんは自分が犠牲になっても俺を逃がすと言う。

そんな人の命と、秘密を引き換えにするわけにはいかない!

背に腹は代えられないのだ。

幸い目撃者はデトレフさんだけ、黙っていてもらおう。

どちらにせよ、ブルネルでは恵理子形態で行くつもりだ。

デトレフさんが黙っていてくれれば、さしたる問題ではないはずだし、デトレフさんがエリーの事を、わざわざ言いふらすとは思えない。


エリーのファイヤー・ブレスが終わると、惨惨たる光景が広がっていた。

手前のトロールは完全に消し炭になっている。

トロールの再生能力も、エリーのブレスの前には無意味だったようだ。

奥のブラックウルフの群は4分の3が倒れていた。

そのうち8割は絶命していて、残り2割も大やけどで虫の息だった。

4分の1はトロールと前の4分の3が盾になったのだろう、毛が焦げるだけで済んだようだったが、先程のブレスで、完全に怯えていた。

相手の実力がようやく理解できたのだろう。


「とんでもない威力だ・・・これは驚きだ!!」

「僕がダウの森の大移動を抜ける事ができた秘密が、これなのです」


デトレフさんが呆然と呟いた。


「なるほどなあ・・・これならば魔物の大移動を抜ける事も可能か・・・」

「なので、この事は内密に願います。知られると、色々面倒なので」

「ん、ああ、そうだな・・・分かったよ」

「有難う御座います」


良かった、デトレフさんは少し考えていたが、納得してくれたらしい。


「いやぁ、本当に驚きました!こんな辺鄙なところで、ダンジョン最奥にいるドラゴンなみのブレスを見させられるとは!」


どこからともなく声が聞こえた。


「誰だ!?何処にいる?」


俺達は周囲を見回した。

デトレフさんの声に応えるように、焼け焦げたブラックウルフの塊がごそりと動いた。

ブラックウルフの死体の下か這い出てきたのは、シルバーウルフだった。

こいつ、仲間のブラックウルフを盾にしたのか?

しかも人語をしゃべっているだと?


「ダウの森で、とんでもない魔力が感知されましてね。御主人様が調査を私に命じられたのですが、ついでに開拓村もつぶしておこうと思って来たのです。、まさかドラゴンがこんな開拓村にいるとはね・・・勤勉に働いて見るものですな」

「ご主人様って誰だ?なぜお前はしゃべれる?」


俺達は油断なく身構えた。

シルバーウルフはブルブルと体を震わせて、体に付いていた煤を払った。


「察するに、あなたがそのドラゴンの主人ですね。ドラゴンにあるじがいるなら、私にだってあるじがいるのは当然でしょう」

「だから、そのあるじってのは、誰なんだ?」

「ふむ、それはさほど重要ではないでしょう」

「何?」

「そちらの冒険者さんは、答えを知っていると思いますよ」


銀色狼がデトレフさんの方を向いた。

デトレフさんは狼を睨みながら、わなわなと震えている。

エリーはいつでも攻撃できるように、肌の色は褐色のままだ。


「人語を話す、シルバーウルフ・・・お前・・・」

「はい、あなたのご想像通りですよ」


銀色狼は、体を細かく振わせはじめた。


「まずい、あいつを攻撃してくれ!」

「えっ?分かった!ファイヤー・キャノン!!」


俺は急ぎ魔法を放つ。

炎が銀色狼に当たり爆発する。

爆発が収まると、そこには二本足で立つ無傷の狼がいた。


「少し遅かったですね」

「ライカンスロープ!!」


ライカンスロープ・・・人狼だ。

どう考えても強敵なのだ、(あるじは・・・今は考えないでおこう。

後ろで炎に怯えていたブラックウルフ達が、人狼の姿を見て安心したのか、攻撃態勢を取っている。


「エリー、まず後ろの狼共をなんとか押さえてくれ!」

(解りました、なるべく早く片づけて、そちらに参戦します)


そう言うエリーだが、まだ20頭強のブラックウルフが残っている。

先程のブレスに懲りて、分散して攻撃して来るだろう。


案の定ブラックウルフはエリーの周りを取り囲むように散った。

エリーも各個撃破するしかないと、理解しているようだ。


「デトレフさん、我々でこいつをなんとかしましょう」

「そうだな、さっきの連携で行こう」


デトレフさんは、腰のベルトに括り付けてあった小さな袋から小瓶を取り出し、蓋を開けた。

中の液体を持っていた剣の刃に流す。

銀色の液体が、剣の刃に吸い付いてゆく。

やはり人狼には、銀が有効らしい。


「さて、始めようか」

「いいでしょう、私も本気を出しましょう」


人狼がふてぶてしく余裕たっぷりに言った。

俺たちは、銀色の人狼=銀狼と対峙した。






まだ戦いは続きます。

明日もすらすらと進みますように!

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