イレーネ
すみません、明らかに中だるみです。
ご容赦を!!
イレーネが夕食だと呼びに来たので、食堂に降りていった。
丸机の一つに夕食が用意してある。
夕食のメニューはジャガイモに似た芋と鳥肉のシチューとパン、それに魚の干物をあぶったものだった。
エリーにはシチューで使った鳥肉のガラが、たっぷりと皿に盛ってあった。
なかなかのサービスだ。
酒を勧められたが、止めておいた。
「トカゲちゃんは、それで良かったかしら?」
「どうだ?食べられそうか?」
(ええ、とても美味しいです)
「美味しいそうです」
「あら、意思疎通もできるのね。本当に使い魔じゃないの?」
「ええ、相棒です」
落ち着いて食堂を見回したが、客はいなかった。
これでやっていけるのだろうか?
「これで商売がやっていけるのか?って顔だね。大丈夫だよ、旦那が冒険者でブルネルに出稼ぎに行ってるんだ。そちらの稼ぎが結構いいのさ。曲がりなりにも上級冒険者のパーティーに入っているんでね」
俺の考えを表情から察したようでルーラが笑いながら言った。
「ああ、なるほど。だから娘さんは冒険者になりたいのですね」
「何もない村だからね、若い物は都会へ出て行きたがるものさ」
どの時代、いや、どの世界でも変わらないなあ。
まあ麻疹みたいなものだろう。
「そう言えばイレーネさんはどうしました?夕食を知らせてもらってから、会っていませんが?」
「ああ、お客さんを質問責めにして迷惑かけるだろうから、自分の部屋で食事を取らせてる。煩いでしょう?あの子?」
「別に迷惑ではありませんでしたよ。ここに案内している途中もずっと話しっぱなしで、退屈しませんでした」
「そう言っていただけるのは有難いけど、けじめはつけないと。ああ、スープのおかわりはどうだい?まだあるよ?」
ルーラは鍋をかき回しながら、聞いてきた。
「いえ、もうお腹一杯です。御馳走様でした。」
「あら?小食だねえ。体を拭くなら後でお湯を持っていくよ」
「いえ、今日は疲れたので、もう寝ます」
「そうかい?じゃあ明日の朝、朝食の時に声かけるからね。ゆっくりお休みなさい!」
イレーネの活発な性格は、母親譲りだな。
そう思いながら、部屋へ戻った。
俺は部屋に戻ってすぐにスマホの写真フォルダを開けた。
20以上の魔法陣の中から、WBと名付けられた写真を呼び出した。
魔法陣に魔力を流し込むと、人の頭ぐらいの大きさの水球が、空中に出現して浮いた。
次に水球を維持しながら、HTと書いてある写真を呼び出し、同じように魔力を流し込んだ。
水球が熱せられ、湯気が上がった。
上半身裸になり、部屋にあったタオル代わりの布を熱せられた水球に潜らせた。
濡らした布で体を拭き、顔を洗ってから、残りの水球を窓を開けて空中に散らせた。
「魔力の使い方が上手くなったわね」
(お見事です、ヒデキ様!!)
二人が褒めてくれる。
道中、時間があれば、ノーマとエリーにお願いして魔法陣の写真を撮って、魔力を流し込む訓練をしていたのだ。
ノーマは魔法が発動しないように、全ての属性の魔方陣を上級まで浮かび上がらせることが可能だったのだ。
ダテに長生きはしていないということだ。
「二人のおかげだよ、二人の協力がなければ、何もできなかったさ、有難う」
「何よ?改まって、水臭いわよ」
(そうです、ヒデキ様だからこそ出来たのです)
ノックの音がした。
星シンイチさんの小説みたいだ。
ノーマはすぐにベッドの下に身を隠した。
「こんばんはー!お湯をお持ちしましたー」
イレーネだった。
「お湯は要らないって、お母さんに言っておいたよ。と言うかお湯持ってないし」
「えへへへ、ちょっとお話したくって」
「そうだろうね、お母さんに見つかる前に入りなよ」
「ふふ、若い娘を夜中に招き入れるなんて、ヒデキ様は何をしたいの?」
イレーネはさっと入ってきて、ベッドにちょこんと座った。
俺は椅子に腰かける。
上下グレーの寝巻を着ている。
一番上のボタンが外れていて、胸の谷間が見えていた。
13歳とは思えない、谷間だった。
(ヒデキ様!叩き出しましょう!!)
「何よ?このトカゲ!私に恨みでもあるの?」
威嚇するエリーを見て、イレーネが俺に聞いた。
(トカゲじゃありません!!)
「エリー!下がって!大丈夫だから!!」
「エリー?このトカゲの名前?」
「ああ、女の子だからね、君を警戒しているのさ。で、何の用だい?僕が冒険者になったばかりなのは知っているだろう?イレーネが冒険者になる手伝いなんか出来ないよ」
「違うの、ヒデキさんはブルネルへ向かうんでしょ?」
「ああ、ここじゃ稼げないからね、蓄えもないし、明日には向かうつもりだよ」
「やっぱり!お願い!私も連れて行って!」
「だから一緒に冒険とか出来ないよ」
「いいえ、ブルネルに連れて行ってくれるだけでいいわ」
「お父さんに会った途端に、追い返されるか、村に連れ戻されると思うけどな」
「それでも良いわ、ブルネルの冒険者ギルドで冒険者登録さえ出来れば良いの、デトレフさんは何回頼んでも、冒険者登録してくれないのよ」
「そりゃ、そうだろう」
「お願いブルネルの冒険者ギルドまで連れて行って!」
「お母さんとトムに恨まれるよ、それは嫌だなあ」
イレーネは留めてあったボタンを全部はずして、前かがみになり、俺を上目使いに見詰めた。
「お願い聞いてくれるなら、私の身体、好きにして良いわ」
イレーネはそのまま、ベッドに仰向けになった。
胸は完全にはだけて、二つの山脈が露わになり、山頂の綺麗なサクランボが見えた。
俺はすぐに目をそむけた。
13歳で色仕掛けとは、怖い世界だ。
この歳で色仕掛けか!
さすがファンタジーだ。
何でもありだ!!
俺も恵理子と別れてから、風俗には頼らないで、ずっと自家発電で済ませて来た。
こちらに来てからはその余裕もなく、下品な表現だが溜りに溜まっている。
もはや俺のダムは決壊寸前だ。
会った時から思っていたのだが、イレーネは天性の色気がある。
この世界は13歳でも合法だろう。
というか、合意なら幼女でもありかも知れない。
いや、俺はロリコンではないけど。
しかしここで手を出し、イレーネを連れて行ってしまえば、ルーラさんに恨まれるのは間違いない。
トムは追いかけて来る可能性は大きい。
そうすると、トムの両親にも迷惑がかかってしまう。
ふと見ると、イレーネは全裸になっていた。
寝巻の上下と、真っ白なズロースが床に落ちている。
(この小娘!!出て行け!!)
エリーが唸っているが、イレーネは意に介さない。
覚悟を決めているのだろう。
そう思ったら、俺の頭は冷静になった。
「エリー、大丈夫だ、俺は手を出さないから」
(で、でも、ヒデキ様・・)
「え?手を出さない!?ど、どうして?私、魅力ないですか?」
イレーネは起き上がって、恨めしそうに俺を見た。
俺は寝巻を拾い上げて、なるべく正視しないようにして上着を羽織らせた。
「魅力は十分あるよ、イレーネの覚悟も分かった」
「だったら・・」
「だから、明日お母さんに頼んで見よう、お母さんが良いと言ったら、ブルネルまで連れて行ってあげる」
イレーネは何とも言えない顔をしていた。
「私を抱かなくて良いの?」
「逆に抱いてしまったら、お母さんに頼めないだろう、お母さんがダメと言ったら、連れて行かない!それで良いね?」
イレーネは寝巻で胸を隠しながら、しばらく考えて言った。
「分かった、それで良い」
「お母さんに頼むのは、ブルネルに連れて行くと言うところまでだからね!」
「分かっている」
イレーネは複雑な顔をして、部屋を出て行った。
俺の貞操じゃないや、イレーネの貞操は、俺の理性により守られたのだった。
次回から活劇です。




