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レイト村

ようやく人里に到着です。

大量の魔物を撃退し、俺達はダウの森を漸く抜けた。

ダウの森を抜けて暫く行くと、村が見えて来た。


この星に来て初めて人に会える。

人のナレの果てのスケルトン達とは、森で遭遇したが・・・

ようやく普通の人類と会えるのだ。

ファーストコンタクトである。


簡単な柵で囲まれていて、囲いの外は開墾途中の農地が広がっていた。

中年の男が二人、鍬を振るっている。

のどかな村の光景だ。


「あれが開拓村か」

(そうです、100人ほど人間が暮らしています)

「たしかレイト村とか言ったわね。どんな村にも冒険者ギルドがあるはずよ。登録して身分証を作ったほうがいいわ」


おお!冒険者ギルド!!いよいよファンタジーの定番、ど真ん中!!きたーーーって感じだ。

やはり冒険者カードが身分証になるのだな。


「簡単に登録出来るのか?」

「簡単よ、修行して来たので登録したいと言えばいいの。出身とか聞かれることはないから、気楽に行けば良いのよ。ついでに余分な武器とか売り払ってしまえばいいから」

「しかし、そんなに簡単に登録が出来るなら、犯罪者とかも登録するのでは?」

「登録出来るけど、犯罪が明るみになった時点で、登録抹消。どの街にでも犯罪者として手配され、だいたい衛兵に捕まって、お終いになるわ」

「別名で登録し直すことは?」

「出来ないわ。魔力はその人固有の特徴があって、一度登録すれば、二度と別名で登録できないの」


指紋や声紋みたいなものか。


「なるほど、まずは、冒険者ギルドに行こう・・・・」

(行きましょう!!)


歩き出そうとして、俺はあることに気付いて立ち止まった。


「・・・・・・」

「どうしたのよ?急に立ち止まって?」

(ヒデキ様?どうされましたか?)


ノーマがポケットから顔を出し、エリーが首をかしげる。


「よく考えたら、言葉がしゃべれない、文字も書けない」


「・・・・・・」

(・・・・・・)

「どうした?二人とも?俺、何かおかしなこと言ったか?」


二人が不思議そうな顔をしたので、思わず聞いてしまった。


「ねえ、ヒデキ、何故私たち会話ができていると思う?」

「そりゃ、ノーマやエリーが日本語しゃべっているからだろう?」

「日本語って何?いいえ、私は妖精族の言葉で、エリーは龍族後でしゃべっているわ」

「・・・・・・・???どういう事だ?」

「この世界は魔力で満ちている。そして生きとし生けるもの全て、魔力が使えるようになっている。魔術は使えなくても、魔力を使っている。言語が違っても意思疎通が出来るのは魔力のおかげなのよ」

「??????良くわからないのだが・・・・」

「言葉を話すと、その声は一度魔素に分解され、聞いたものの言語となって再構成されるのよ。」

「・・・・うーむ・・・まあ、なんとなく分かった・・・ような気がする。じゃあエリーとの会話は?」

(心の声は簡単に自動変換されるのです)

「文字はどうなる?」

「それは覚えるしかない。でも文字が読めて書ける人のほうが少ないから、気にしなくていいわよ」


この世界、やはり識字率は低いらしい。

なんとかなりそうな気がしてきたので、開拓村へと向かうことにした。

エリーをどうしようかと思ったが、ブルネルではないので、ドラゴンのまま行くことにした。

エリーは小型なので、トカゲだと勘違いしてくれるだろう。

ここでなんとかエリーが人間になった時の服を調達したい。


ノーマは胸ポケットの奥に隠れている。

さすがに妖精をどうどうと人前には出せない。

羽がないので、飛んで逃げることもできないからな。

飛べない妖精とか捕まったら、すぐに売り飛ばされそうだ。

まあノーマなら魔法で撃退するだろうが、極力騒ぎは起こしたくない。

歩いて行くと、物珍しそうに鍬を振るっていた男達が見ていたが、声はかけてこなかった。


□ □ □


俺は今、開拓村の入り口に立っている。

ダウの森への出口とも言うが。

門番はいなかったが、入ってすぐに声を掛けられた。

12,3歳に見える女の子だった。

中世風のいかにも農家の娘ですという雰囲気を醸し出していた。

顔は少し顎が丸いが、二重碧眼、髪はダークグレイをポニーテールにして、後ろでまとめていた。

スカート丈の長い服装はダブついたワンピース、おそらく麻だろう。髪の毛の色と同じダークグレイのものを着ていた。

気さくな田舎娘を地で行く可愛い女の子だった。


「ねえねえ、おじさん、どこから来たの?」


おじさんとか、27歳はおじさんなのか?

そんな老け顔でもないと思うのだが。

俺の心の葛藤などお構いなしに女の子は続ける。


「見たこともない服着ているね!おじさん冒険者なの?そのトカゲおじさんのペット?」


女3人寄れば姦しいと言うが、一人でここまで煩いのは、この子の才能だな。

全部答えるのも面倒だし、この子も期待してないだろう。


「遠くから来たんだ、冒険者になりたいので、冒険者ギルドに案内してくれるか?」


一言で済ませておいた。


「遠くから・・・だから服が変なんだね?冒険者になるんだ?戦士なの?」

「いや、魔術師だよ」

「へえ、戦士じゃないんだ?じゃあ案内してあげるね、こっち、こっち!!」


女の子は小走りに俺の前に立った。

どこぞの映画スターのようなマシンガントークで、女の子は俺を先導してくれた。


「おじさんの名前は?私はイレーネ!」

「ヒデキ・ヒグチだよ。それとおじさんは止めてくれ、微妙に心が痛い」

「え?家名があるの?ヒデキ様ってもしかして貴族?」


イレーネがビクっとして立ち止まった。

この世界も貴族いるのか。

そして名字があるのは貴族階級だけと言うわけか。


「違う!違う!貴族じゃないから、ビクつかなくてもいいからね」


俺は急いで首を横に振った。


「そうなの?じゃあ何で?家名が・・・アッ!!もしかして爵位取り上げられたとか?」

「まあそんなところかな?」


面倒なのでそういうことにしておいた。

イレーネも納得してくれたらしい。

これからは、名前だけ名乗ることにしよう。


丁度いいから、イレーネから情報を聞いておくことにした。

こっちに来てから、国の社会構造とか聞いてなかったなからな。


イレーネから情報を聞いてみた。

さすがイレーネ、1つ聞いたら10ほど答えてくれる。


国の名前はアリベリ王国。

ザナ大陸のど真ん中に位置する国で、3つある大きな国の1つ。

残りの2つはアリベリの南にイーゼルト帝国。

北に聖トミラ共和国。

アリベリ王国は南北の強国に挟まれているため、騎士団、魔術師団の組織は充実している。

南北の国境には、強固な砦が築かれている。

その他小国家が大陸に点在している。

ここはブルネル辺境都市直轄の開拓村レイト。

ダウの森を開墾する目的で作られた村。

この辺りブルネル地方は同じ名前の都市ブルネルに居を構えるガウラン辺境伯という貴族が統治している。


冒険者ギルドに付くまでにイレーネはここまで教えてくれた。

ちなみにブルネル地方を支配しているガウラン辺境伯は好色で有名らしく、何人もの妾を抱えているそうだ。

その数は国王の側室より多いとか!

やっぱり貴族ってそうなのか?

地方で権力持つと、どの世界でもこうなるのかね。

娯楽が少ないと、男は色事に走るからな。


「はい、ここが冒険者ギルドだよ」


ダウの森から反対の端に冒険者ギルドはあった。

当たり前か、こっちが正門だよな。

当然入り口近くに冒険者ギルドがある。

俺達が入って来たほうは裏口だ。

まあ、なんだ、普通の掘っ立て小屋だった。

間に合わせで建てました感がハンパなかった。


「お、おう、ありがとうなイレーネ」

「どういたしまして、さあ行こう!」


イレーネが冒険者ギルドに入って行った。

まあいいか・・・

俺も後に続いた。




次回は冒険者ギルドですね。

この世界の冒険者の仕組みが分ります。

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